双頭の鷲のレビュー・感想・評価
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コクトーによる皇妃エリザベート
オーストリア皇妃エリザベートの暗殺に題材を取り、ジャン・マレーのためにコクトーが書き下ろしたロマンチックなストーリー。
マレーは暗殺者として皇妃と劇的な出会いを果たすも、年齢、政治的立場、身分の違いを超えて、一瞬で二人は恋に落ち、人目を憚って逢瀬を重ねるが、激動する国内政治の中で翻弄され、悲しい結末を迎えてしまう。
階段落ちというのは蒲田行進曲でしか知らないのだが、マレーがコクトーに階段落ちがやりたいと依頼したとのことなので、映える表現として昔から王道だったのかな。
エリザベート役の女優さんはキリッとした感じで、オーストリア式の敬礼をするところが萌えだった。w
最初の方のクールな美しさ、恋する気持ちで馬に乗って駆けるシーンや最...
最初の方のクールな美しさ、恋する気持ちで馬に乗って駆けるシーンや最後の騙し演技、王女の女優はなかなかに良い。だが、殺しに来る詩人ジャンマレーに全く魅力を感じない。コクトー監督が彼のために作った映画とも聞くだけに、不思議。愛人ということなので、盲目になって演出家としての計算ができていなかったのだろうか?
まあ、王女が毒服用の彼を敢えて騙して自分を殺させるのは意外な展開ではある。ただ、そこまで恋し愛しいことに、説得力を感じない。オルフェと美女と野獣で、本作に期待が膨らんでいただけに、かなりがっかり。
エドウィジュ・フィエール様
オーストリア皇后エリザベート暗殺事件からインスパイアされた作品
「美女と野獣」の魔法、「オルフェ」での冥界といった映像的遊び場がなくなり
コクトーらしくなく面白みに欠ける
(彼が好きな三島由紀夫は評価…こういうの好きね)
マレーは暗殺者らしく シェイプされており、野生的魅力も見せ(上記の作品より)美しい
しかし演技力では王妃役のエドウィジュ・フィエールには及ばない
(暗殺者も結局、王妃の手のひらで踊らされてしまうことに…格の違いも…見せつける)
生きる屍だった彼女が 次第に生気を取り戻し
顔を隠す黒いベールごしにも 妖しい美しさを見せ始めてゆく…
悍馬を乗りこなす 躍動感は見どころ
その姿勢の良さと細いウェストにも 目が釘づけでした
恋愛感情と共に 矜持や闘志も芽生え、終末の設計図を描いたのでしょうか
戦後のフランスの年増女の魅力全開です
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