劇場公開日 1993年4月29日

「良い女の匂い、わかる、わかるよ、アルパチーノ」セント・オブ・ウーマン 夢の香り ちんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0良い女の匂い、わかる、わかるよ、アルパチーノ

2024年10月13日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

▼全体の感想
起承転結の分かりやすい映画でした。
バイトで知らんおっさんの世話するところから始まる映画なんてワクワクが止まりません。

でも物語が始まると吸い込まれした。
原因はアルパチーノの変わらない吸引力。
ちょうどゴッドファーザー3部作を観た後に本作を鑑賞したので、アルパチーノの老け方にびっくりしつつ、変わらない演技力と目ヂカラに圧倒されました。

ストーリー自体は分かりやすいです。
高校生の主人公が知らんおっさんの世話をしながら、友人関係と進学先の推薦の間で悩み、自分を見つめて成長するというもの。
アルパチーノじゃなかったら成立していない映画だと思いました。

人生を考えるときに、どんな大人になりたいか、どんな振る舞いがいいのか、どの道を進むのか、悩んだときにアルパチーノの言葉を引き出したくなる、良い映画でした。

▼印象的なシーン
やはり最後のアルパチーノの演説ですね。
今時、ここまで言ってくれる痛快なオモロイおっさんいないです。

ハリウッドの壮大な宇宙を巻き込んだ、同じようなストーリーのスペクタクル映画で溢れる現在の映画界で、派手さはないけど、人生を歩むのに必要なことを言葉にして伝えてくれる、人間ドラマを魅せてくれる映画がどれくらいあるだろう?
とふと考えました。

ド派手に迫力があってドンパチして、世界の闇の陰謀を暴くような、頭を使わない映画が多いですが、こういう作品を鏡にして自分を見つめるような映画も大切にしていきたいと思いました。

ちん