劇場公開日 1989年9月30日

「真面目ボンドとガチスタントが見どころ」007/消されたライセンス N.riverさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0真面目ボンドとガチスタントが見どころ

2021年10月13日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

映画館で見始めたボンドは、ティモシー・ダルトンから。
出演2作中、こちらが好きで再鑑賞する。

友人の復讐にボンドが単独で挑むシナリオが秀逸。
翻弄された敵役が、どんどん破滅へ追い込まれてゆく様に見ごたえあり。
それこそスパイ能力の賜物で、007がスパイ映画であることを思い出させてくれた。
アクションもCG抜きのガチアクションも終盤期か。
実物で実際に撮影されているあれやこれやは、
スタントチームのために用意されているかのように派手、華やか。
コレ、本当にやっているんだ、と思えば興奮はがぜん高まる。
(嗚呼、職人技)

クレイグボンドもどちらかといえば深刻、真面目ボンドだが、同時にマッチョだ。
だがこちらはマッチョ抜きの、真面目一筋なイメージ。
ゆえにほとんど性的なシーンはなく、
(確かに友人の敵討ちの途中で、遊びが過ぎるのもどうかと思うが)
ボンドガールの一人、パムとも最後の最後まで相棒として共闘しているところが、本作ならでは。
(ボンドとパムが、漫画「シティーハンター」の主人公の二人のようだった)
この頃からもうすでにジェンダーうんぬん、はあったのだろうか。

また本作のボンドは、復讐という私情のためMI6から切り離されている設定だが、
サポートにQが乗り込んできており、あちこちに出番があることも見逃せない。

N.river