西部開拓史のレビュー・感想・評価
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何故ない貯水塔の倒壊シーン…
アメリカ合衆国建国後の歩みに関する 歴史教科書の映像版を見ているような 作品だった。 若い頃は先住民との戦いの後に 南北戦争で国がまとまったのかなと 思っていて、 南北戦争→第七騎兵隊全滅→OK牧場の決闘、との時間軸であることを 知るのは随分と後のことだった。 若い頃にまずはこの作品を観た上で その後に西部劇等を観てきていたら 各作品の理解も違ってがいたのかな とも思わされてしまった。 レンタルDVDにはレターボックスサイズと シネラマサイズの2枚が入っており、 映画館でのシネラマ上映を経験している 我が身としては 懐かしさからシネラマ版でと思ったのだが、 さすがに画面の小さいTVでは 見辛さを感じて、 すぐにレターボックス版に変えて鑑賞した。 また、途中から 3分割フィルムから修正した時の歪みの あることに気が付いたが、 ディスクにある予告編を見たら 本編とは違って繋ぎ目が見え見えだった。 予告編は少し前のもので、 本編は現代のデジタル技術で 更に修正を加えたものだろうか。 いずれにしても、 本編ではほとんど気になることはなく、 現代の修復技術の高さを感じさせられた。 ところで、この作品の紹介でよく利用される スチール写真で見る 大迫力のバッファローの爆走シーンと共に、 貯水塔の倒壊に合わせ スタントマンが飛び降りる 見事な場面があるはずなのだが、 借りたディスクでは、 何故か貯水塔が傾くまでしか無い。 何故だろう。 当時の上映の際にも無かったのだろうか。 それにしてもこの作品、 基本的にはデビー・レイノルズ(キャリー・ フィッシャーのお母さんとは驚き)と ジョージ・ペパードが主役の構成。 しかし、謳いはスター俳優総動員映画。 シネラマ的場面優先の作品だったためか、 スターの必要性もあまり感じられないほど 俳優のクローズアップは少なく、 ヘンリー・フォンダなどは ヒゲのメーキャップもあって 初めは本人とは気が付かない位。 興行のための人寄せパンダ的な 制作姿勢も感じられる作品でもあった。
本作によって、西部劇は一旦集大成され総括されてしまったのです 西部劇映画は本作以前と以後で、厳然と時代が区切られていると思います 西部劇ファンなら絶対に観なければならない映画です
1962年11月日本公開 米国公開は1963年2月なので珍しく逆転しています スーパーウルトラ超大作というのが本作の形容詞に相応しいと思います アカデミー賞は8部門でノミネートされその内3部門で受賞しています 西部劇ファンで、本作を観てないなんて言うことはできません 西部劇集大成にしてスタンダードであると断言します 1939年から1989年の50年間に渡るプレスコッ一家の物語を5つの話で構成し、それを4人の監督が分担して撮影した作品です 第1話 河、1830年代末 一家が東部から来てオハイオに定住するまで 第2話 大平原、1850年代 大人になった次女リリーはセントルイスからサンフランシスコを目指す 第3話 南北戦争、1861年~1865年 長女イブの息子ゼブが北軍に従軍する 戦争が終わり帰ってみると父母は亡くなっていた 第4話 大陸横断鉄道、1868年 ゼブは戦後、鉄道敷設工事を守る騎兵隊の若き指揮官となる 第5話 アウトロー、1880年代末 中年男となったゼブ、家族をもちある田舎町の保安官になっている 亭主を亡くし老女になったリリーが自分の土地に移り住めと彼を訪ねてくる 165分もあります つまりセルジオ・レオーネ監督の「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ウエスト」と同じ長さです その作品は、本作の第5話を下敷きにしています 本作と比較して下さい 本作の方が遥かに優れていると感嘆すると思います ハッキリいってレオーネのその作品は本作の劣化版、しかも水膨れさせた作品です カメラとフィルムの進歩による美しい映像だけがかろうじて本作に対抗しうる部分です その作品を観たならば、口直しに本作を観たくなるはずです 大平原を進む長大な幌馬車隊の車列 それを猛速度で襲撃するインディアン その迫力たるや「駅馬車」以上です それがカラーしかも元祖シネラマで撮影されているのです! 鉄道の敷設工事のシーン、西部の街のシーン、走る列車の上での悪漢どもとの対決のシーン どれもこれも最上級のものです 長いとも退屈だとも、まして長さに苦痛を感じるなんてことは全くなく、一気に最後まで観てしまうと断言します 本作によって、西部劇は一旦集大成され総括されてしまったのです 西部劇映画は本作以前と以後で、厳然と時代が区切られていると思います 本作以後は、マカロニウエスタンのように、従前とは違う毛色や特色を売り物にしなければならなくなったのです 西部劇ファンなら絶対に観なければならない映画です ただDVDの映像は、初期のシネラマの3台のカメラで撮影してそれを一つのスクリーンに同期して映写する方式の作品であるため、左右中央とで画面のつなぎ目が気になります それはそれで映画の歴史を感じる意義が有るのかも知れません しかし、古い作品だけあって色褪せてもいます 映画関係者の皆様 是非お願いです 4Kリマスターで元の鮮やかな色彩と、最新のデジタル技術でつなぎ目がわからないクリアな映像で再発売をお願い致します そしてできうるならばIMAX として劇場公開をお願い致します 映画の金字塔にはこのような対応が必ず成されるべきと考えます
アメリカは昔と今も変わらないな~って感じ。
タイトル通りアメリカの開拓物語です。 ある家庭を開拓とともにアメリカが発展していくストーリーなんだが内容はさておきアメリカ中心的な発想が理解し難い。今も尚なんだが当時はまだアメリカ好き勝手発想が根強いな~と思った。所々正義感シーンはあるけど最後のナレーションでアメリカは拳闘と拳銃で土台を創ったと流れた時アメリカは今と変わらないんだな~とちょっと悲しくなった。それを除けばとてもアメリカ史が分かり勉強にもなりました。カントリーミュージックも流れゆっくり観れます。その感覚で観れば名作は名作です。
西部がアメリカの開拓魂を育てた
総合:65点 ストーリー: 65 キャスト: 75 演出: 70 ビジュアル: 70 音楽: 70 近代国家としての形をまだ成立していない時代、まさに西部開拓は命懸けだった。映画は最初から危険がつきまとう。劇中でも数え切れない悲喜劇が起こり、西部劇お決まりのネイティブ・アメリカンの襲撃や無法者との撃ちあいがなくても人が大勢死ぬ。このような危険を厭わぬ開拓魂がアメリカという国を作り上げた。壮大な開拓の歴史劇である。 だが一つの家族からそれぞれの登場人物がいくつかの年代によって途切れ途切れに描かれるために、一つ一つの物語が弱くなっているのは避けきれない。次の場面では劇中では場所も異なったりかなり年月がたっていたりするため、ちょっと一場面を見逃すだけでも物語を見失い、ついていくのが大変。必ずしもそれぞれの場面同士に関連がないし、もっとじっくりと流れを描いてもいいのではないかと感じた。監督が三人もいてそれぞれ別の撮影らしいが、これも一長一短。きらびやかな豪華キャストたちの登場だが、思いいれが深くなる前に場面が変わるため、あまり感情移入する暇もない。
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