聖女アフロディーテ

劇場公開日:

解説

第一次大戦直前、有閑階級のブルジョアたちがギリシア神話の世界をヒントにした乱交パーティを開くというソフトコア・エロティック映画。製作はアドルフ・ヴィエッツィ。監督はイギリス人で「魔鬼雨」のロバート・フュースト。1896年にピエール・ルイスの著わした『アフロディーテ』をアメリカ人のジョン・メルソンとフランス人のジャン・アルディ(高名な歴史家の別名だという)が共同で脚色。撮影はべルナール・ダイレンコー、音楽はジャン・ピエール・ストラが担当している。出演はホルスト・ブッフホルツ、ヴァレリー・カプリスキー、デリア・ボッカルド、キャプシーヌ、カトリーヌ・ジュールダンなど。南仏で撮影。日本版字幕は岡枝慎二。カラー、ビスタサイズ。英語版で上映。

1982年製作/フランス
原題または英題:Aphrodite
配給:日本ヘラルド映画
劇場公開日:1983年10月15日

ストーリー

1914年6月、ヨーロッパの富豪、貴族たちは頽廃し放蕩三昧の生活をおくっていた。波静かなエーゲ海をゆくリバース号のオーナー、ハリー・レアード(ホルスト・ブッフホルツ)は死の商人として知られていた。このヨットには、レアードの新しい情婦ヴァレリー、美術家のマーク、気品溢れるシュザンヌ・スタンフォード夫人(キャプシーヌ)と彼女の姪ポリーン(ヴァレリー・カプリスキー)らが乗っていた。船長室にはマジック・ミラーが嵌めこまれ、レアードはヴァレリーとマークの情事を見つめる。ヴァレリーは覗かれてることを承知で、挑発するかのように肢体をくねらす。別のマジック・ミラーからは、ポリーンの清らかな裸体が見える。ヨットは小さな島ヘ向かう。島の持主であるオロルフ男爵は、カリーン夫人とともにレアード一行を歓迎する。島には次官夫人も来ていた。かつてカリーン夫人と同窓生だった次官夫人を色欲に狂わせようというのも、オロルフ夫妻の秘かな楽しみであった。先に着いていた妖艶なバーバラ(デリア・ボッカルド)も参加、メンバーである有閑階級の紳士淑女が揃った。ギリシア神話に登場するという完璧な美と官能の女神アフロディーテ。それをピエール・ルイスが小説にしたものを、全員が古代ギリシアの扮装で三日三晩この島にいる間じゅう芝居しようと、レアードが提案した。ロシアに武器を送り込んでいる男爵は、レアードから大砲の模型と淫らなパーティを贈られご満悦。ベニスの愛人役にヴァレリー、ソクラテス役にレアード、クレオパトラ役にバーバラ、カリーンと次官夫人にはレズビアンの役が振りあてられ、アフロディーテの生まれ変わりといわれる美しい処女クリシスにポリーンが選ばれた。身も心もエロティックな劇のキャラクターになりきった一行の、神も恐れぬ乱行が始まった。奴隷役の男はカリーンの部屋に忍び込み、彼女の持つ鍵を盗み出す。クリシスの愛を得ようとする奴隷が実行せねばならぬ三つの条件の一つという設定だ。集団セックスの輸舞に、ポリーンだけは性に溺れることを拒む。奴隷はオロルフの部屋から、ロシア語で書かれた古文書を盗み出す。いつしか芝居を越えてポリーンを愛するようになった彼は、この異常なパーティに彼女を参加させておくことに不安を覚えるようになる。貞淑だった次官夫人は、今や召使いにオイル塗りを命じ、性感マッサージに全身をとろけさせ、下男の肉体をむさぼるまでに変身した。広間では酒池肉林の宴が続き、ついにポリーンもヴァレリー手製のマケドニアの媚薬に瞳をうるませ始めた。あわや輸姦という瞬間、奴隷に救出される。肉欲静まったパーティの夜更け、バレンスキー補佐官がもどり、男爵にサラエボでオーストリア・ハンガリー帝国の皇太子夫妻が暗殺され、皇帝の軍隊が動き出したことを報告する。その頃、レアードはフォン・アイサー伯爵にロシア軍の情報を提供し、奴隷とポリーンはヨットで島をあとにしようとしていた。

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