「アメリカ版『深夜食堂』?逆かw」スモーク いぱねまさんの映画レビュー(感想・評価)
アメリカ版『深夜食堂』?逆かw
以前にラジオで玉袋筋太郎氏が押していた作品。いつか観てみたいとは思っていてもなかなかDVD借りる余裕がなかった。
この度、デジタルリマスター版での復刻ということで、思い切って映画で観てやろうと恵比寿まで出かけたのだが、まぁクリスマス色で独占されたガーデンプレイスは人でごった返していて、日本人のクリスマスはすっかり根付いたんだなぁと実感することしきり・・・
そんな映画館も、リバイバル作品にも拘らず満杯に近い客席の埋まり様。そんなに愛されている作品なのかと期待も高まる。
ストーリーはそこまで難しい内容ではない。タバコ屋の親父(ロバート・デ・ニーロ+トミー・リー・ジョーンズ÷2)とその常連の作家の周りに起こる色々な出来事を群像劇として進んでいく。親父の元妻、作家の道路への飛び出しを防いだ黒人青年、そこから派生する青年の生き別れた父親、親父の娘かもしれない女の子、それぞれに過去を背負い、その中で人生をリスタートさせていきたいと藻掻く人達だ。ハートウォームな作品であり、確かにクリスマスの話としてはぴったりである。ラストに語られる、親父のカメラにまつわる話は、観ている観客をより穏やかに暖かく包み込む。
うーん、これは・・・ 邦画、いや日本のコンテンツの得意技の題材じゃないのか?小説、漫画、芝居に限らずこの手の話は常に産まれ続ける。そうかだから日本で受けているのね。登場人物や舞台を変えれば、どうこうも変えられる魔法のプロットかもしれない。
この手のジャンルの名称は分からないが、多分ついているんだろうなぁ。それほどある意味定石通りの作品なのだ。
クロージングでの若いときの親父が尋ねたアパートに盲目のお婆さんが出てきて、大歓迎され、ハグをされる。顔と顔を擦り併せた時、そのお婆さんは自分の孫ではないと気付くが、親父の嘘に付き合う。その時のお互いの顔の変化の演技、この映画の一番の秀逸な演出と演技であった。