スピリッツ・オブ・ジ・エア

劇場公開日:

スピリッツ・オブ・ジ・エア

解説

「クロウ 飛翔伝説」や「アイ,ロボット」「キング・オブ・エジプト」などで知られるエジプト出身のアレックス・プロヤス監督が1988年に手がけたデビュー作で、90年の第1回ゆうばり国際ファンタスティック映画祭で審査員特別賞を受賞したSFファンタジー映画。荒野に佇む小さな家に2人きりで暮らす兄妹。足の不自由な兄フェリックスは、手作りの飛行機でこの場所から脱出することを夢見ている。一方、偏執的な気質を持つ妹ベティは、この土地を一生離れてはいけないという父の遺言を忠実に守り続けている。そんなある日、スミスと名乗る奇妙な逃亡者の出現をきっかけに、世界から隔絶されてきた兄妹の日常に変化が起こり始める。日本では91年に劇場初公開。2020年2月、デジタルリマスター版でリバイバル公開。

1988年製作/96分/G/オーストラリア
原題:Spirits of the Air, Gremlins of the Clouds
配給:アンプラグド
劇場公開日:2020年2月8日

その他の公開日:1991年3月29日(日本初公開)

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

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(C)1988 COMPANY BIZARRE PTY LTD.

映画レビュー

3.5奇才プロヤス、25歳の頃の才気爆発作

2020年2月23日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

唯一無二のキャリアを築いた映画監督の長編第一作を紐解くと、後の作品へつながる胚芽が数多く見つかるもの。個人的に「最近のアレックス・プロヤスは元気ないなあ」と感じていた私にとって、近年デジタル・リマスタリングされた88年制作の本作は、限りある予算と条件を駆使して作られた、青臭くもビリビリ来るほどの表現欲求あふれる「野望の塊」のように思えた。「ダークシティ」や「ノウイング」などの商業映画に比べると構成面で退屈な箇所はあれど、しかし注目すべきはこの映像感覚だろう。何もないだだっ広い荒野と一軒家の対比、刻々と変わりゆく光と影、遠くにそびえる壁のような山々、そこに向けて羽を広げる奇妙奇天烈な男たちの姿など、見ているだけであまりにその絵力が強くてもうグイグイと引き込まれる。リアルタイムで鑑賞した人々が「こいつは必ず化ける!」と太鼓判押したのも頷ける。持ちうる全てを注ぎ込んだ才能の見本市のような作品だ。

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牛津厚信

3.5【独特過ぎる荒涼たる世界観と独自性が凄い、絶望と希望を描く孤高のファンタジー。ピーター・ミラーの荘厳な音楽も印象的である。】

2022年12月4日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

幸せ

■荒野にある小さな家に住む足の不自由なフェリックスは、手作りの飛行機で空を飛び、この場所からの脱出を夢見ていた。
 一方、妹のベティはここを一生離れてはいけないという父の遺言を守り、十字架に囲まれて暮らしていた。
 ある日、ひとりの逃亡者スミスが現れ、フェリックスと共に飛行機で、荒涼とした土地からの脱出を繰り返す。

◆感想

・フライヤーは手元に有ったので、気になって居た作品である。

・鑑賞前は半信半疑で有ったが、物凄い独自性を持つ映画であった。荒涼とした土地の一軒家。家の軒先には無数の十字架が掛かっている。

・精神を病んだかのような、ベティの白塗りの顔。

<以下、フライヤーより。
 撮影地として知られるオーストラリア、ブロークン・ヒルで登場人物は3人のみ、4年半の月日を費やし制作。
 「空を飛ぶこと」に憧れを持つ男を軸に、絶望と希望、夢と現実の寓話を描き出す。
 ・・どこか、マッドマックスを思わせる荒涼感。テリー・ギリアム作品を想起させる世界観。
 この作品が、1988年の制作とは・・。
 凄い映画を観た。>

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NOBU

5.0超良かった。大好き!

2021年5月5日
iPhoneアプリから投稿

超良かった。大好き!

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金子和令

3.5カルト的ファンタジーの鳥人間コンテスト奮闘編

2020年8月21日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 砂漠の真ん中にポツンと佇む小屋。外には錆びた車3台が頭から地面に突き刺さっていたり、やたらと十字架のオブジェが多い。赤い土と真っ青な空。どことなく『バグダッド・カフェ』の映像にも似ている。そんな小屋に住む足が不自由な兄フェリックスと狂信的な妹ベティ。そこへスミスと名乗る男がフラリと訪れる。

 「北に向かっている」とスミス。「北には砂漠から出ることはできない。高い壁があるからな」とフェリクス。スミスに対してはとても優しく、逃亡者の雰囲気があるのに数日泊まっていけと、もてなす。彼は手作りの飛行機を作ることで頭がいっぱい。やがて、壁を飛び越せるほどの飛行機を完成させたいのだ・・・

 スミスをとにかく追い出したい妹ベティ。ちょっとファンキーだが、部屋の中は十字架だらけ。スミスのことを悪魔と呼ぶくらい毛嫌いしていた。彼女の弾くジャイアント二胡がまた独特の雰囲気を醸し出していた。

 飛行機は失敗、また失敗・・・と、まるで鳥人間コンテストに初めてトライする大学生みたいで楽しい。また、スミスに対しては体を鍛えるようにとロンドンブーツを渡す。どんな鍛え方やねん!

 まぁ、映像や飛行機の造形などを見ると、カルト作品なんだろうし、スミスが一体何者で、誰に追われてるのかもさっぱりわからない。ストーリーが単純なだけに、だらだらとした進み方には多少眠気も覚えてしまいました。ちらっと登場した巨大櫓はいったいどこへ・・・

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kossy
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