スウィート・スウィートバック

劇場公開日:

解説

娼婦たちに育てられた黒人青年が、白人社会に反逆する姿を描いた作品。公開当時、ブラック・シネマ・ブームのきっかけとなる大ヒット作になった低予算の自主製作映画で、最近隆盛を極めるブラック・シネマの元祖ともいえる伝説的な作品。監督・製作・脚本・音楽・主演はブラック・ムーヴィーのゴットファーザーの異名を持つメルヴィン・ヴァン・ピーブルズ。撮影はボブ・マックスウェル、そして音楽の演奏は70年代を代表するR&Bグループであるアース、ウィンド&ファイアが担当。他の出演はサイモン・チャックスター、ヒューバート・スケールス、ジョン・デュラガン、そしてピーブルズの息子で「ニュー・ジャック・シティ」の監督マリオ・ヴァン・ピーブルズなど。

1971年製作/アメリカ
原題:Sweet Sweetback's Bssdasssss Song
配給:ケイブルホーグ
劇場公開日:1993年10月2日

ストーリー

1940年代中頃、幼くて空腹の少年スウィートバック(マリオ・ヴァン・ピーブルズ)が、娼婦たちに引き取られることになった。少年は娼婦館で成長し、無理やり童貞を奪われる。1960年代の末、成長したスウィートバック(メルヴィン・ヴァン・ピーブルズ)は、白人相手に黒人が経営するクラブでセックス・ショーの役者となる。ある晩スウィートバックはそのクラブの主人から、殺人事件を捜査中の白人刑事たちの面目を立てるために、容疑者として差し出される。スウィートバックを車で署に連行する途中、刑事たちは黒人活動家を逮捕する。黒人活動家を打ちのめし、ゲームのように暴行を加え続ける刑事たちに、スウィートバックは自らの手にぶら下がる手錠を武器に襲いかかる。スウィートバックは逃走し、あらゆる手立てを使って捕まえようと、警察も必死で追跡する。ブラック・コミュニティの人々、ドロップアウトした白人バイク族の力を借りて、スウィートバックは逃げ続ける。「あんたは母さんを痛めつけた。あんたは父さんを痛めつけた。でも、俺は痛めつけられやしない」とスウィートバックは世界に向けて告げるのだった。

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映画レビュー

4.0ブラックプロイテーションの元祖

2018年6月12日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

映画としては荒削りすぎ
正直ダレるし、つまらない
低予算すぎ、19日で撮ったとのこと
エログロ暴力のオンパレード
小学生の男の子の性交シーンは現代としてはNGでオールボカシ入りなのに、大人になった主人公の男性器が一瞬映るシーンはボカシ無しで残っている
だが本作には不思議なパワーが確かにある
音楽は最初のアルバムを出した頃のまだ無名時代のアースウインド&ファイア
劇中でカリンバの音色も聴ける

黒人が主人公で白人の敵役に勝つ
黒人社会の実際を活写する、衣装も含めて
黒人のイケてる音楽を使う
犯罪映画を基本とし娯楽に徹する

こういったブラックプロイテーションの定義は全てこの映画から始まっているのは明らか

この自主製作映画のヒットで、大手配給のブラックプロイテーションの幕が開いた

スーパーフライの特典映像で、当時の映画関係者が本作についてこう語っている
ヘイ!黒人が黒人の撮った黒人しか出てこない映画に金を払って押し掛けてるぜ!こいつはたまげた!
直ぐに映画会社のお偉方が黒人の映画撮れる奴に同じようなのを撮らせろ!となったと語っている

監督は人種差別から逃れパリでこの映画製作の着想を得たとのこと
その数年前、同じパリに黒人作家ボールドウインが同じ理由で一時期逃れてきたと映画「わたしはあなたの二グロではない」で語っている

主人公は黒人暴動の活動家を自分り優先して逃す。俺たちの未来の為にと
マルコムXの影響がここに明らかにある
只の娯楽映画では無い

風と共に去りぬ
アラバマ物語
私はあなたの二グロではない
マルコムX
本作
この順に見ると本作の重要な位置付けについての理解が深まると思う
映画自体の出来よりもその位置付けに高い評価がもっと成されるべき作品

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あき240

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