新北京物語

劇場公開日:

解説

急速に発展する大都会・北京のとあるアパートを舞台に、そこに巣食うインテリたちの人間模様を描いた1編。監督はチェン・カイコーの「黄色い大地」「大閲兵」や「一人と八人」などいわゆる“第5世代”の監督たちの同期で彼らの初期作品の美術をほとんど手掛けたフー・チュンで、彼の監督第7作にあたる。原作は福建省出身で北京で新聞社の翻訳者として働いた作家のヘイ・マーの原作を、小説家でもあるスオ・フェイが脚本化。撮影は“第5世代”を担うカメラマン、「青い凧」などのスオ・フェイ。出演はチャン・クオリー、「五人少女天国行」のチュイ・シュエ、「北京四重奏」のフォン・ツークーほか。96年金鶏賞、百花賞の各部門にノミネート。中国映画祭96で上映。

1966年製作/106分/中国
原題:混在北京/The Stranger in Beijing
配給:大映東光徳間
劇場公開日:1996年11月24日

ストーリー

北京。夕暮。老朽化した向導社の社員アパートは今日も汚水槽が詰まって廊下が水浸し。住人たちは飛び石代わりにレンガを置いて夕食の準備。彼らは地方から配属された多士済済のインテリたち。サーシン(チャン・クォリー)は成都から単身赴任中の編集者で、硬派の彼は近頃の軽薄な世情に怒っている。彼と気の合うチーツ(チュイ・シュエ)は本の装丁のデザイナー。留学してステップアップしたいと願う彼女は、そのため自分に気がある副編集長ともうまくつき合おうとしている。妻と二人暮らしの流行作詞家イーリー(フォン・ツークー)は、誕生パーティに招かれた新人歌手と不倫中。ある日、彼は住人のひとり、翻訳者フーイー(ピー・イェンチュン)に自分の詩を海外に出すため、翻訳を頼む。フーイーはその下世話な詩が気に入らないが、一冊6000元という報酬に妻で編集者のポーチュイ(シー・メイチュアン)が乗り気に。夫婦はそろって大卒ながら、薄給に甘んじる苦しい生活。そのせいかポーチュンは子守りにきているフーイーの従妹ホイホイ(マオ・ハイトン)に何かとつらくあたる。ホイホイも大学は出たものの就職が決まらず苦しい日々。そんな彼女に声をかけたのが東北出身で気の弱い青年マオ(フォン・ユアンチョン)。ホイホイはフーイーの家を出てひとり暮らしをはじめ、二人は恋仲になった。サーシンの妻シャオイエン(ルー・シャオイエン)が北京で出産しようと身重の体で北京へ来た。サーシンと同室だったシャオカンはマオの部屋に移ったが、戸籍のないシャオイエンがアパートに住むのは本来違法なこと。マオは管理課にこのことを密告し、皆の反感を買う。そんな折り。副編集長がスタッフ全員を集め、“改革開放”の促進のため儲かるシリーズ本を出すという新方針を発表。硬派のサーシンは香港台湾の武術小説や恋愛小説など低俗本は“文化のゴミ”だと信じる男。彼は北京を離れる決意をする。一方、チーツは副編集長の妻にあらぬ疑いをかけられ辟易。会社を離れ、留学の夢も捨て、アパートを出て海南島で新生活を始めた。サーシンも故郷へ戻り、住人たちに新しい日々がまた始まった。

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