シンドラーのリストのレビュー・感想・評価
全115件中、81~100件目を表示
目を背けてはいけない
3時間の映画だが、その長さを感じさせない良い映画。 オスカーシンドラーが相当な金持ちだったこともわかる。 モノクロの映像で戦争の酷さを上手く表現している。更にはモノクロの中に一人赤い服を着た少女が現れ、その少女が焼かれたことを表現していたのが、スゴイと思った。これは黒澤映画にあった演出で、スピルバーグが黒澤映画をリスペクトしていたことがわかった。
ユダヤ人の命を救った男・・
スピルバーグ監督。ドイツのポーランド侵攻で始まった第二次世界大戦。日本もひどい目にあったが、ヨーロッパでも酷いことが行われていた。ユダヤ人に対するナチスドイツの迫害である。市街地に於けるユダヤ人狩り。収容所でのガス室の大量殺人。それを包み隠さず映画の映像で表した。戦争で人間がどれだけ残虐になれるのか、ホロコーストとは実際どのようなものであったのか、映画でスピルバーグ監督は目をそらさず白黒映像で作品にした。主人公シンドラーはユダヤ人を多く使ったドイツ人実業家から、迫害されたユダヤ人を1200人以上救った勇気あるひとりの男へと変わっていった。これは間違いなく3本の指に入る反戦映画だ。アカデミー賞を受賞した1993年のアメリカ映画。
見て良かった
ずっと見なきゃと思っていて、時間が長いので中々見る機会を取れずにいました。
モノクロで良かったと思います。
カラーだったら、より辛かったと思う。
難しすぎず、簡素すぎない流れで、分かりやすかった。
文章で読んだり、テレビの特集などで知ってはいましたが、その時代の空気感が伝わってきた。
ラストの車で「あと10人、ピンであと2人か1人は救えたのに、その努力をしなかった。」とシンドラーが泣き崩れるシーンで涙が流れた。
もっと早く見れば良かったと思った。
目を背けない描写
ナチスドイツによるユダヤ人の組織的大量虐殺を描く作品。戦場のピアニストのように、人が虐殺される場面がカメラを背けずに映し出されるため見るのは非常に辛い。日本に住む私たちが普通に生活を送っていれば、ニュースでは未だに戦争が起きていることを知っていても、実際どれほど悲惨で残酷な事態かは想像できない。そのためこのように目を背けない描写は私たちに問題提起するようにも感じる。実際に起きている事態はこんなにも悲惨なのだ。
確かにシンドラーは実際にはこの作品で描かれるような人物ではなかったかもしれない。しかし、この作品が後に伝えるべきこととして、この描き方は正しかったと思う。
オスカーへ指輪が贈られるシーンの「金があれば…」というセリフに、ビジネスなどの財政的な側面が戦争に大きな影響を与え、それによって犠牲になる人命が存在する現実を暗に感じた。そして、「努力すればもう1人救えたのに、しなかった」という言葉には、私たちの現在の実情とも絡み合い、胸が痛んだ。今この世界に生きる私たちが見逃している現実について考えさせてくれる。
戦争は繰り返してはいけない
第2次世界対戦中のドイツ。裕福だった商売上手なユダヤ人達は国の政策によって酷い扱いを受けていた。無情な殺害は日常茶飯事であり、ドイツ人にとってユダヤ人はネズミやシラミ同然であった。 シンドラーは軍人では無い、街のドイツ人商売人であった。戦争時に必要な日常品を工場で製作する事で多額な利益が生まれる事を発見する。初めは金にしか興味が無い人あたりが良いシンドラーだったが、だんだんと工場で働くユダヤ人達を人としてみる様になる。終いには、工場で得た利益をユダヤ人達を救うための軍資金として使うようになる。 戦争という非常事態で、普通の男が人殺しになる中、シンドラーは人間の一番大切な部分を保ち、終戦後も尚「もう一人でも救えたかもしれない」と、工場開設当初の自分を悔やんだ。 戦争なんてしてはいけない。阻害されるべき人種や国なんてないんだ、と強く思わされる作品でした。是非中高生の若い方々に見て頂きたい。
見た方が良い作品
第二次世界大戦時にユダヤ人を雇い工場で働かせ、収容所送りにされるユダヤ人を救ったオスカーシンドラーという人の話が元になっているお話。胸に刺さります。 ユダヤ人はダビデの星というマークをつけられ差別化される。その星を外した者は殺されるし、能力の低いもの、健康でないものが選別され殺される。 戦争の悲惨さが伝わります。 最初はただビジネスのためにユダヤ人を使っていたはずのシンドラーの心が変化してく様も良いです。
本当の「パワー」とは何か
第二次世界大戦中、一旗揚げようとポーランドにやってきたドイツ人実業家、オスカー・シンドラー。
金にモノを言わせてナチス軍の上層部に取り入り、迫害されていたユダヤ人を労働力として軍用ホーロー鍋を作る工場を始める。
リクルートされたユダヤ人たちは、自分たちを迫害する立場であるはずのシンドラーが何を考えているのかわからず当惑顔。
しかし彼がひどい差別主義者でないことや工場の待遇も悪くないことを知って、多くのユダヤ人が工場で働くことを承諾する。
そして有能な計理士を据えて経営は軌道に乗る。
しかしある日、シンドラーは、ナチス軍の収容所長アーモンとその部下たちが何の罪もないユダヤ人をいたずらに虐殺しているところを目撃する。
「戦争は人間の汚いところを浮き彫りにする。戦時中でなければ彼も普通の男だ」と、それまでアーモンにもある種の理解を示し、彼を諭すことさえあったシンドラーだったが、あまりにも凄惨な光景を目の当たりにして、ナチス軍のやり方に違和感を覚える。
しかし表立って抵抗すれば自分自身が罰せられる可能性もある。
そこで、シンドラーは自分の工場で働くユダヤ人の人数を増やして、彼らを収容所から救い出すことにとする。
終戦間近、敗戦が色濃くなってきたナチス軍は、生き残ったユダヤ人を他の収容所からアウシュビッツに送るようになった。
さすがのシンドラーも軍の権力の前になすすべがなく、工場を閉めて故郷のポーランドに帰ろうとするが、信頼関係を築いていたユダヤ人の計理士と話すうち、自分にまだできることがないか思案するようになる。
そして崖っぷちで彼が思いついたのは、ポーランドで新しい工場を始め、そこで今まで雇用していたユダヤ人たちを改めて雇うというものだった。
膨大な額の賄賂をアーモンに支払ってユダヤ人たちを「買い」、彼らの名前をリストにし、ポーランドに輸送する。
ただ輸送車の名前が羅列されただけのリスト。
その紙切れが、1200人ものユダヤ人の命を救うことになった。
新しい工場では武器の生産をするようになったが、軍人たちに工場内での理由なき殺人を厳しく禁じるとともに、不良品を作ることでドイツ軍に徹底的に抵抗した。
しかし、不良品の多さに対する軍からの苦情を躱すために代用品を他から買ったり、食費や軍への賄賂がかさんだりして、ついに彼の財産は底をついてしまう。
その直後の終戦は、彼にとって不幸中の幸いだった。
ナチス軍の戦犯となってしまったシンドラーは、ユダヤ人たちを解放して自らも姿を消す。
シンドラーの逮捕や処刑を阻止するために集められた署名を手渡しながら、雇用者たちは涙ながらに感謝を述べるのだった。
たった一人の人間が、どこまでできるんだろう。
たった数枚の紙切れが、どこまでできるんだろう。
もう限界じゃないか、もう限界じゃないか・・・
スレスレのところでその限界を超えて、何度もなんども、人の命が助けられていく。
こんなに心が痛くなる映画は久しぶりに見たなぁ。
ナチス軍のメンバーだった彼が、馬に乗って丘を駆け下りて、ユダヤ人の愛人と並んで虐殺の現場を目の当たりにしてしまったシーン。
自分たちのやっていることは本当はおかしいんじゃないか。
戦争中とはいえ、度が過ぎているんじゃないか。
誰かが阻止しなければいけないんじゃないか。
個人的にものすごい差別主義者ではないけれど、立場としては迫害する側で、迫害している張本人ともビジネス上とはいえ親交がある、そんな彼が少しずつ目を覚まして、状況を客観視して、自分の信じた正義や「パワー」のために立ち上がるのが、かっこよすぎた。
アーモンを諭すシーン、彼に理解を示すシーン、めっちゃ肯首。
非人道的だし、非理性的だし、本当にアーモンはどうしようもないカスでクズだけど、戦争っていう最悪の非日常の中でもなお人間が人間らしく、理性を保って存在し続けることがいかに難しいか、ということも真実なのだろうと思う。
だからほんとに戦争は二度としちゃいけないよね。
これは、好きな映画ベスト5に入りそう。
戦争は人の悪い面を浮き彫りにする
同じ人間をなんの躊躇もなく殺せる側も、確かに罪深い戦犯だが、命令に倣うしかなく、躊躇したら気が狂う状況を前に、気が触れてしまった戦争の被害者。戦争は人間の悪い面を浮き彫りにするというシンドラーの言葉通り、善悪の理性をなくさないと自分の命が危なくなる戦争のおぞましさ、危機を前に残虐に変わってしまえる人類のおそろしさをこれでもかと感じさせられる。トラウマになるほどの大量虐殺シーンが続く。実際はカラーで臭気も漂うその場に居合わせたら、防御本能が働き、正しい正義も理性も感情も持てなくなってしまう人間が出るのもわかる。あんな小さな赤いコートの少女も、カラーだったら埋もれてしまっていただろう。モノクロだから大勢の中の1に目がいくが、実際はひとりひとりの人格や人生になど目がいかず、大勢が1になってしまうから、戦争が起こるのだと感じた。自分と同じように、相手にも大切な人生や未来や家族がいる事を考えてはいけない空気。
最初は損得のために動いていた女好きのシンドラーも、ユダヤ人迫害を目の当たりにする生活を通して、自分の持ちうる力を最大限用いてユダヤ人救済に力を尽くす。
どうにもならない状況で迫害をやめようと声高に叫ぶのではなく、ドイツ人かつナチス党員としての自分の立場を利用して上手く立ち回り、社交性や頭の回転の速さや立場や権力や財産など全ての力を、救える人命を増やす事に貢献させていて賢さを感じた。
シンドラー自身も危険なのに、彼は自分の力を奮い立たせる事ができて、「力と正義は別。力は人を殺す正当な理由がある時に殺さない事だ。」と言っていたのが印象的だった。
最後のほうで「このピンであと2人は救えた」(だっけ?)とシンドラー...
最後のほうで「このピンであと2人は救えた」(だっけ?)とシンドラーが言うシーンがあったけど、そのセリフがでこんな小さなピンバッジが2人分の命と同等の時代だったことを改めてわからされた。 「力とは何か」という問いが劇中に出てくる。小手先の技術ばかりが進歩して、その技術を操る私達は果たしてその技術を操るに相応しい「力」を持っているのだろうか。技術が発達した今、私達はそれらの優れた操縦官にならなければならない。そして、優れた操縦官であればあるほど力の行使は必要ないということは言うまでもない。 平和・自由の持続は私たち市民の不断の努力の上に成り立つものだ。それを怠って、政治の監視や、見る目を磨かなければまた悲劇は繰り返されるだろう。昔の話を母から伝え聞く代わりに、今はこのような映画でより感情的に平等に伝え聞く。本当の悲劇がどんなものか視覚で見れる。 私たちはこれを生かさなければならない。(その映画の内容が事実に即していることが前提だが。) とても素晴らしい映画だったと思います。 シンドラーのリスト、でググると実際は奥さんが頑張っていたとか色んなことが言われていましたが、それでも1200人の命を救ったことは偉業です。これがカラーの映像だったら途中でムカムカしちゃっただろうな。しかし途中からモノクロだったことを忘れるくらい引きこまれました。
真実がどーだと言う人もいるけど、シンドラーがどんな人物だろうが、こ...
真実がどーだと言う人もいるけど、シンドラーがどんな人物だろうが、この実行力はすごい。そして1000人以上の命を救ったのも事実。 何回めかの鑑賞だけどおもしろかった。ベンキングスレーが素敵だ。
色と心の映し方が素晴らしい
友人に聞い薦められてfuluで拝見しました。 何と言ってもシンドラー演じるリアムニーソンの演技が素晴らしく心を奪われました。 哀しく、悔しく、心が痛い事実の中で人が人としてそこに居た事の素晴らしさと葛藤と立場と時代と……たくさん考えさせられる映画でした。 赤いコートの印象が最後まで目の裏に焼きついています。
人間って本当に恐ろしい
初めて観たとき、衝撃で吐き気がして辛くて感想なんて持てず、しばらくホロコースト関連の作品や記事を見まくって学びました。
数年経ち、改めて観ましたが、人の善悪や価値観がいとも簡単に歪み、残酷な行いを楽しめるという事に恐怖を感じました。
戦争、虐殺、テロ、殺人、イジメ、全て人が人にする残虐行為ですが、過去の教訓は活かされているでしょうか…
時々、立ち止まって考えなければいけないと、教えてくれる作品です。
映画の始まり、ロウソクに火が灯った所で白黒になり、赤いコートの少女だけが色を持っているのは、暗黒時代を表すのか、とても好きな描き方です。
最も、白黒でなければ残酷過ぎて観られない作品でもあります。
天使は存在した。と同時に、悪魔も存在した。
白黒映像であるのは 古さを演習するためというより、残酷な現実を後世へと、忠実且つ生々しく伝えるためであった。 やはり"人間"というのは、地球上最も恐ろしく不可解な生物。 自然界のルールとして、生き物は目的があってこそ他の生き物を殺める。そこに罪悪感がなかったとしても、その行為は循環サークルの範囲内であり、何と言っても「生きるため」である。 しかし 人類はまったく自然界のルールに反した奇行を犯した。 その奇行こそが『戦争』。 国と国の視点ではなく、一体の生き物同士の視点とすれば それは紛れもなく奇行極まりない。 「殺すつもりはない。」という個は完全に消滅し、「殺さなければならない。」という集団意識が生まれる。 一度 殺人を犯すと もう歯止めは効かない、責任放棄の殺戮マシーンへと仕立て上げられていく。 それこそが殺し殺し殺され歴史に埋もれた名もなきドイツ兵なんですね。 改めて言うが、この世で最も恐ろしいものは"人間"だ。 なぜなら天使から悪魔まで、様々な種類が存在するからだ。 つまり、この映画で注目すべきはオスカーという天使でもあり アーモンという悪魔でもある。 ふたりは同じ人間であるという事実 同じナチ党であるという事実 追記:僕は「戦場のピアニスト」のほうが好きかな。
1人でも多くの命を…
金儲けしか考えていなかった実業家のオスカー・シンドラー(リーアム・ニーソン)が、殺される運命のユダヤ人を救おうと奮闘する実話に基づいた作品です。 何の罪もない彼らを理由もなく射殺していくドイツ軍。逃げても逃げても、待っているのは"死"だけ。一方が高らかに笑えば、一方は恐怖に叫び、一方がシャンペンを開ければ、一方は銃で殺される。これの繰り返し。 1人でも多くの命を救いたいシンドラーの目の前で次々に撃たれるユダヤ人たち。たまたま目に入った赤い服の少女の存在が、彼を変えました。そして労働力にするという理由で、1,100人を虐殺から救ったのです。 世間の目に左右されず、最後まで闘い続けた彼の功績は、これからも語り継がれるでしょう。
全115件中、81~100件目を表示