劇場公開日 2025年8月1日

ジョニーは戦場へ行ったのレビュー・感想・評価

全48件中、21~40件目を表示

4.5倫理観の歪み

2025年8月3日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

怖い

「キャタピラー」を鑑賞した時に知り、気になっていた作品でしたが、地元川越のスカラ座にて上映ということで観てきました。

非常に重いテーマを含んだ作品で、単なる反戦映画としてだけではなく、個人の尊厳についても深く考えさせられる映画でした。

声にならない悲痛な叫び、わずかに動く首の全力の訴え、夢と現が交錯する「無」の世界の中で自死することも叶わない…。怖すぎる。そしてそれ以上に怖ろしいのは彼を研究対象の「物」として扱う医師達。しかし、この医師達もまた、戦争に巻き込まれ、否応なしにこの研究を続けざるを得なかったのではないか。この戦争を通じた「倫理観の歪み」が本作のテーマの一つではないかと思いました。

「こんな体では生きていけない…!」ジョーの心の叫びが頭から離れません。

※余談
こんな短いレビューに2日間も費やしてしまった。それだけ軽々しく扱えない作品であること。そして深く考えさせられる作品であるということだ。

※川越スカラ座は、外観、内装含め昭和の香り漂うレトロな雰囲気のコミュニティシネマですが、資金難による閉館が迫っている状況です。現在「川越スカラ座閉館回避プロジェクト」を実施中で、LINEスタンプや川越スカラ座グッズの購入による支援が可能です。(詳細はHPにて)館内にて募金も行っております。ご興味を持たれた方は是非、この独特な雰囲気の映画館を体験してみてください。

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吹雪まんじゅう

4.0インパクト強すぎ メッセージありすぎ 主人公、かわいそすぎ まさか...

2025年8月2日
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インパクト強すぎ

メッセージありすぎ

主人公、かわいそすぎ

まさかここまでの映画だったとは

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jung

4.0威勢の良さに用心せよ

2025年8月2日
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鑑賞方法:映画館

終戦80年企画として市川崑監督の『野火』とともに上映されたのが、本作『ジョニーは戦場へ行った』でした。“終戦80年企画”というタイトルから、てっきり『野火』同様に第二次世界大戦を題材にした作品かと思いきや、本作の舞台は第一次世界大戦下のヨーロッパ戦線でした。とはいえ『野火』同様、本作にも戦闘シーンはほとんど登場せず、戦争によって目・鼻・口・耳をすべて失い、さらに四肢を切断された青年ジョー(ティモシー・ボトムズ)の悲劇が、静かにしかし強烈に描かれていきました。

もっとも、第二次世界大戦と無関係という訳ではありません。監督であるダルトン・トランボが第二次世界大戦勃発直後の1939年9月3日に発表した原作小説は、その反戦的・反政府的な内容から、1945年には絶版(事実上の発禁)となったそうです。終戦後に復刊されたものの、1950年に朝鮮戦争が始まると再び絶版となり、当時のアメリカ政府から強い警戒を受けていたことがうかがえます。
また映画版も、ベトナム戦争の最中である1971年に公開されました。つまり小説版にしても映画版にしても、徹頭徹尾反戦であり反政府の色が濃く、戦争を讃えるどころか、その本質を徹底的に問い直す作品となっていました。

本作の原題『Johnny Got His Gun(ジョニーは銃をとった)』は、第一次世界大戦におけるアメリカの志願兵募集歌「Over There」に登場する「Johnny, get your gun(ジョニーよ、銃をとれ)」というフレーズを絶妙に皮肉ったものです。この「Over There」は、YouTubeで聴くこともでき、軽快なテンポと威勢の良さが特徴の、まさに国威発揚のための軍歌でした。

その歌に乗せられ戦場に向かったジョーを待っていたのは、冒頭にも書いた通り目を覆いたくなるような運命でした。戦争は本来、ないに越したことはありませんが、仮に百歩譲って戦争を避けられなかったとしても、問題はその後の対応にあります。ジョーが戦死していれば「英雄」として讃えられたのでしょうが、再起不能な重傷を負って帰還した彼に国家が用意したのは、人体実験の道具としての扱い、そして死ぬまでの隔離でした。

奇跡的に首と頭部だけをわずかに動かせたジョーは、モールス信号を使って必死に意思を伝えようとします。実際、彼の訴えは看護師の一人に伝わったのですが、軍上層部はその事実を無視し、彼の存在を外部に知らせることなく封じ込めてしまいます。この理不尽さには、怒りしか覚えませんでした。

もちろんこれはフィクションですが、国家権力が都合の悪い事実を隠蔽しようとするのは今も昔も変わらず、本作の描写には強いリアリティを感じました。

『野火』と併せて本作を鑑賞しましたが、結局のところ、洋の東西を問わず、最前線に送られる兵士たちは“使い捨て”にされる存在であることを、改めて痛感しました。威勢の良いことを言う政治家たちに、決して踊らされてはならない、そう強く思わされる二本立てでした。

そんな訳で、本作の評価は★4.2とします。

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鶏

3.54Kレストア版(解説付)を鑑賞しました

2025年8月2日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

難しい

戦後80年の節目の4Kレストア版再上映を、角川シネマ有楽町にて、映画評論家・町山智浩さん、松崎健夫さんの解説付きで鑑賞

①WWIの両手両足欠損のカナダ人兵士を英国皇太子が慰問して額にキスしたという逸話を元に、1939年にダルトン・トランボが書いた小説を、著者本人が1971年に映画化した本作。1939年はアメリカがWWIIに参戦するかが争点になっていた頃、そして映画化した1972年はベトナム戦争中という、後から俯瞰するとタイムリーな製作タイミングとも言える

…とはいえど監督はそこまでの反戦思想は無かったのではないか、というお二人の評価

②ジョニーの記憶と妄想(カラー映像)、現実(モノクロ映像)が、混沌としたまま行き来する筋立て。原作は全て一人称で、読者の読み解く力を必要とするが、映画ではその点は明瞭なので、観ていてもそう難しくはなかった

小説だと冒頭は傷の痛みで半ば狂気に、段々と論理的思考をしはじめ、正気になればなるほど自らの残酷な運命を思い知らされる筋立てになっているそう

③妄想シーンでドナルド・サザーランドがキリスト役で数度登場する。キリストは新兵らと賭博に興じていたり、戦地に向かう汽車で雄叫びを上げたり、大工として地味にコツコツと十字架を作っている(笑)。妄想の中でキリスト教徒であるジョニーが自分の命運を問うが、キリストにすら匙を投げられてしまう

④ジョニーを演じたティモシー・ボトムズは若手ハリウッドスターとして注目株で、この映画公開当初は恋愛戦争映画として公開されたらしい…。ロビーに公開当時のポスター置いてあったが、確かにヒロインと別れの駅で抱き合う図柄で、これを期待して観に行った客は鬱になっただろうと推察

確かに、どこから見てもアメリカの片田舎の純朴な青年で、よくある戦争映画に出てくるような血気盛んなタイプではない。そんな青年に信じられないような不運が訪れるのだから、鬱映画の誉れ高い作品である

【感想】
ラストに「国のための死は名誉であり、華美である」というメッセージが、わざわざ皮肉的に出る
日本では初めは恋愛戦争映画として公開されたが、ベトナム反戦運動の機運と共に、反戦映画として捉えられて今日に至る
反戦映画という面もあるが、尊厳死というものをどうとらえるか、問いかけているように感じた
自殺を固く禁じられているキリスト信者である彼ですら、それを切望してしまうほどの絶望的な肉体のなかに、鋭利な知能を持ちながら封じられててしまう、終わりなき悲劇に自ら幕をおろせないとは…!

癌末期の壮絶な痛み、身体が動かせなくなる病など、患者自らが尊厳とともにその生を終わらせたいと願うことを、そのつらさを感じぬ他人が禁じることは果たしてできるだろうか?

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オパーリンブルー

4.0戦争映画の名作が4K版にて公開です

2025年7月30日
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原作はダルトン・トランボの同名(原題: Johnny Got His Gun)で、原作者自身の脚本、監督作。
タイトルは「ジョニーよ銃を取れ(Johnny Get Your Gun)」という、第一次世界大戦時の志願兵募集のスローガンを皮肉ったもの。

過去のシーンや空想はカラー、現実のジョーのシーンはモノクロで描かれてる。
この色の使い分けが、分かりやすくとても印象的。
傍目には、ただ意識もなく、生きているだけの状態として扱われている最中、ジョーは夢うつつの中で、父親や恋人、かつての仲間たちと再会する。
そこには思い出もあれば、妄想も混じってる。
でも頭部と胴体だけの彼にとっては、それがたったひとつの“人間としての活動”だったのかもしれない。
たしかに彼をこんな状態に追いやったのは、戦争だし、軍隊なんだけど、これは、負傷兵の話じゃなく意識不明、植物人間状態に陥った全ての人に通じる話だと思う。
命令通りに戦いに行き、その結果「哀れな生き物」にされてしまったジョー 。
何も見えず、何も聞こえず、ただ暗闇の中に取り残された彼の姿が心に刺さる。

反戦映画というより、人間として「尊厳」「生とは何か」を考えさせられる作品だと感じた。

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kinako-cat

2.52度観たくない内容

2025年2月2日
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鑑賞方法:VOD

怖い

秀作なのか問題作なのかはしらないけど観ていても
決して気持ち良くない内容である。

監督は直視しろと脅迫しているような感じすらする。
もちろん戦争はよくないのだけどそれでもメッセージは映画と別だと感じる。小説のほうがまだいいのかもしれない。

実在の話のことか気になって調べてみたけどかなり
違うみたいだ。しかし失明したり両手両足切断なんてたくさんあったし現代も存在している。

同意の上安楽死させないと問題だろ。これ。

強烈だったけどでもなぜこのような映画が現実的には無力なのかなと思うけど。

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四葩

3.5重苦しい内容に白黒シーンがさらに輪を掛ける

2024年9月5日
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鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

悲しい

確かに重い反戦映画だと思う。
ジョニーには他に生きたかった人生があったはず。

戦争に行く行かないの岐路に立ったとき戦争を選んだ。彼女の反対を押し切って。
それが描いていた人生を歩めなくなった原因。

映画には悪いけれど中途半端ではないか?
戦争は悲劇を生むと言うことは伝わってもジョニーがモールス信号でやりとりができるとわかった後、暗い部屋に戻されてしまった後、どう生きたのかが描かれずじまい。

この作品ができて50年以上経ち、他にも一杯、「戦争はあかん」という映画があるのに今日もどこかで戦争で犠牲になる人たちがいる。

かなしいかな其れが現実。

ジョニーは戦場に行ったけれどその後、どこに行ったんや。
この映画は彼を2度殺していないか?

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♪エルトン シン

3.50053 五感がないまま生きていくって

2024年7月4日
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鑑賞方法:TV地上波

1973年公開
何故かパンフレットは持っているのだが劇場で見たわけではない。
高一で本作となぜかリンクした北杜夫の「夜と霧の隅で」を
読んだが難解すぎてさっぱり頭に入らない。
閉所恐怖症の拙は胴体だけで生きていく、なんて絶対無理。
すぐに命を絶った方が良い。ありゃー腕がない。
飛び降りだー。あれー脚がない。
強烈な一作。でも心が見ることを拒否する。
もう死を受け入れなければならない年代になればゆっくり
見れるかな。
このように事実に基づく表現なら戦争反対!もわかるが
おパヨは虚偽をまぶせて言うことを聞け!だから
支持がないんだよね。
70点
テレビ初鑑賞 1975年11月30日『日曜洋画劇場』

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NWFchamp1973

3.5高田馬場東映パラスで鑑賞

2024年6月23日
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鑑賞方法:映画館

名作だけど、二度は観たくない。
息苦しくなるだけ。

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ムーラン

テーマが難しい。反戦ってこうなりたくなければ戦争に参加しないってこ...

2024年3月11日
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鑑賞方法:VOD

怖い

難しい

テーマが難しい。反戦ってこうなりたくなければ戦争に参加しないってことのなの?
看護婦のメリークリスマスのシーンは泣きたくなるような何も言えないような感傷がこみ上げてきた
慈悲(なのかわからないが)も止められ、もがき苦しむ生き地獄とは
やっぱ生きてるだけがし幸せじゃないのか、尊厳死という選択肢はあった方がいいのか、この辺りを考えさせられる
というか現代でもジョーの状態って事故や病気でなる可能性があるから怖い、、、

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3.0忘れたい

2023年7月29日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

泣ける

悲しい

反戦映画ですから
重かろうとは思っていましたがここまでとは…。

戦争モノも色々ありますが
凄惨なシーンとか非道な大虐殺とか、
もちろんそれらのシーンも慣れてしまっては
本当はいけないのでしょうけども
この映画のキツさったら…。

実際にこういった状況になられた
兵士も一人二人ではなかったのだろう。
そう思うとまた落ち込む。
息をすることに絶望しか見出せない生って。
遺言があれって。

正直観たくなかった。
忘れたいくらいです。
駄作ともつまらないともおもわないが
あんまりにも心に傷を負わす。
絶対に戦争はいけないと胸に刻まれる。

個人的な好みの問題です。
映画にはこういう強いメッセージのものも
なきゃいけないとは思うけども好きじゃない。
私はどこかに娯楽性が欲しい派。

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ひよこまめぞう

4.0戦争反対

2023年6月14日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

戦争によって、自分で死ぬことも出来ないと言う最悪の事態になることもあるというアイロニー。

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あっちゃんのパパ

2.0「反戦ドラマ」という触れ込みだが、ポイントがずれている気がする。 ...

2023年5月9日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

「反戦ドラマ」という触れ込みだが、ポイントがずれている気がする。
そもそも「反戦」を謳うのなら、ジョニーはなぜ自ら志願して戦場に行ったのか。
恋人の制止を振り切って。

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省二

3.0辛い映画

2023年3月25日
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 30年ほど前、民放深夜放送でたまたま観たのだけれど、あまりにも悲惨で最後まで観ることができなかった。その後ずーと気になっていたが、なかなかこの映画に出会えず、今回やっと出会えた。
 大佐は彼は感情も思考もない。ただ生きているだけ。今後の参考の為の研究材料として生かしておくんだ。人間として扱うように。と伝える。しかし暗い部屋で人目を避けて窓も開けられずシーツも替えられない。
 心ある婦長さんが来て、シーツを替えるように指示して窓を開ける。風を感じ、明るさを感じるジョー。そう、彼は感じているし、感情もある。自分に両手両足がなく、目もない。顎もないことも理解できている。そして過去を思い出し、何日過ぎたのかも考えながら、どうしたら自分の思いを伝えることができるのか考えてもいる。
 顎がないことが想像することもできないが、そんな状態でも生かされるジョーの辛さ。そんな状態でも自分の生きる術を考え外に出たいと願う。叶わないならいっそ殺してほしい。必死に考え、モールス信号で自分の気持ちを伝える。モールス信号を理解できる軍人が現れるも、彼の願いは叶えられない。外に出ることはもちろん叶わず、殺されることもない。優しかった看護師が彼の願いを叶えようとしたが阻止され、看護も外される。
 ジョーはそんな状態でもサーカスの見せ物になれば、自分の生きる意味があると考える。太陽の光が当たることで喜びを感じる。五体満足なのに些細なことで弱音をこぼす自分が情けなく思える。
 実際に彼のような犠牲者がいたようで、戦後15年生きたとのこと。やはり戦争はあってはならない。

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アンディぴっと

5.0重み

Mさん
2022年10月4日
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ここ最近、戦争に関する取っつきやすい映画を数作続けて見ていたので、この映画の重みがなかなか堪(こた)えた。
でも、本当の戦争は、こんな負傷(その後生き残れたかどうかは別にして)は珍しくなかったのかもしれない。
せめて私たちは、繰返し繰返し逃げずに見ていくことが大切だ、と最近頓(とみ)に感じている。

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M

3.5脚本家ダルトン・トランボの反戦と生命の尊厳を問うた畢生の映画

2021年12月31日
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鑑賞方法:映画館、TV地上波

監督のダルトン・トランボ氏は、約一か月前の9月10日にハリウッドの自宅で心臓発作により亡くなった。赤狩りによる弾圧に様々な困難を強いられた脚本家として有名であり、代表作に「栄光への脱出」「いそしぎ」「パピヨン」などがある。監督作品を他に聞かないので、今回が初の監督進出ではないかと思われる。それも長年温めてきた自作の小説『Johnny Got His Gun』1939の漸く念願叶っての映像化である。30年以上の波瀾万丈の時を経て処女小説を監督する、作家生命の集大成として感無量にあったと思われる。テーマの反戦主義は、この作家トランボの執念の想いが乗り移ったような圧倒的なメッセージを持つと共に、広くは人間の生命の尊厳について直接的に問い掛ける。これは、観る側も覚悟をしなければならない。
素直に感動するシーンもある。生命維持だけの植物人間とされたジョーが、暗い病室で光を浴びて、その温もりに反応する場面や、看護師が彼の胸に指で優しくメリークリスマスとなぞり、初めて意思の疎通をする場面など。これら、戦場で一塊の肉体になった病院内の現在進行場面は、モノクロ映像で撮られている。出兵前の恋人とのエピソードの冒頭シーンと、少年の日々を追憶するエピソード集や幻想シーンは、カラー映像で対比されているのだが、演出の観点から言えばこれが凡庸であった。映像の特質としてカラー映像の演出は、モノクロ映像より難しい。色彩設計から、光の配分、情報過多の絞り込みなど、演出の意図を構図に落とし込むのがモノクロ映像より求められるものが多い。結果論ではあるが、全編モノクロ映像であった方が良かったのではないかと思った。

それでも、ひとりの作家がほぼ半生を懸けて映画を制作した事実、それも戦争をテーマにした作品で人生が激変した歴史、そこにあるひとりの人間の生き方を知れば、この作品が描きたかった本質に少しは辿り着けるのではないかと思う。映画演出の評価を離れて、ダルトン・トランボ氏の作家証明になる畢生の“映画”であることに、尊敬と称賛を惜しむことはない。

  1976年 10月20日  高田馬場パール座

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Gustav

2.0名作だけど面白くはない

2021年11月24日
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史上最高の後味悪さを誇る映画として有名なので敬遠してましたが、一応名作なので観てみました。確かに後味悪いですが、直接的な映像はないので思ったほどではありません、ただ、設定が絶望的に暗いので感受性の高い人はうなされるでしょうね。
後味の悪さでは双璧のエレファントマンなら、話に抑揚があって映像も凝っているのでおもしろいですが、こっちは300%テーマ映画なのでお話し的な盛り上がりもないし、映像も平凡だし退屈です。
まあ、普通の人におすすめできる映画でないことは保証します。

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越後屋

4.5悪夢の断片としての戦争

2019年1月31日
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鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

怖い

難しい

悪夢の表現がものすごく斬新だった。村上春樹の小説のようなテイストで、画面は佐々木マキの漫画のようなシュールさがある。こんなに芸術的というか、感覚的な作品をよくこの年代に作ったな、と思う。
悪夢が妙に現実的なところがよくできている。反戦が大きなテーマだが、安楽死や父子関係など、色んな要素が混ざりあっていて何度かみる価値があると思う。

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a0064

5.0史上最高にして最強の反戦洗脳映画

2018年10月7日
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鑑賞方法:DVD/BD

恐らくこれを超える反戦映画は作れないだろうと思える映画だ
ベトナム戦争たけなわの時代の公開だ、米国では戦死者、傷病者、手足切断の帰還兵を身近に感じたはずだ
ベトナムの戦地での悲惨な実情が映像としてテレビで毎日伝えられているその最中に、本作の公開だから、大きな反響となりベトナム反戦運動が盛り上がるひとつの大きな力になったのは間違いない

強烈なメッセージ性を放つ
若者だけが戦場に送られ悲惨な目に遭うのだ、戦争の大義を叫び鼓舞する大人は戦場には行かないのだ、大人の言うことなんか聞くな、徴兵忌避しろ、逃げろと、人を殺すなと
現在は白黒、記憶の中の過去、夢の中の幻影はカラーで表現して互いに関係しあいながら物語は進行する
陰惨な物語を目を背けさせず最後まで牽引する監督の力量はものすごい
実力ナンバーワンの脚本家上がりらしい見事な構成の脚本と演出だ

若い時にこれを見せられたら確実に洗脳されるだろう、ひとたまりもない
自分も高校の文化祭で見せられたものだ
だか大人になった自分がまた本作を観たときに感じたものは違っていた
この映画の主張するところや、悲惨な運命への哀れみに共感するのは今も変わらない
しかし、ベトナム以降も我々はあまりにもたくさんの現実を見てきた
冷戦の激化とソ連の崩壊、湾岸戦争、911とテロ戦争、アフガン戦争、イラク戦争、天安門事件で戦車に轢かれる人々、チベットやウイグルの民族浄化と迫害、東シナ海や南シナ海の現状、核兵器とミサイルで恫喝する隣国
大人になった自分は、本作を利用するさらに汚い大人の手口を感じてしまうのだ
それは繁華街で「戦争するくらいなら、殺されよう」と歌いビラを配る団塊左翼老人の姿と重なるのだ

それが21世紀に生きる我々の視線だ
団塊左翼老人達の主義主張や理想に連れて行かれた先の若者たちや、子供たち、まだ生まれていないその我々の子孫たちの運命を考えるのだ
それは団塊左翼老人達の夢想の為に若者や次の世代を犠牲にしようとする利己主義なのだ

本作を彼らが利用する洗脳の道具にしてはならないと強く思う
本作の真の価値は洗脳の道具ではないところにある

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あき240

4.0この作品、反戦映画なのですが、私の中では恐怖映画です。本当にこんな...

2017年8月7日
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この作品、反戦映画なのですが、私の中では恐怖映画です。本当にこんなことがありそうで、いやあったのかもしれないと思うとその恐怖に身震いします。ただの肉塊と化した人間、意識だけはある。これ以上の恐怖があるでしょうか。

カラーのシーンが回想、現実は白黒で描いているのも秀逸。最初はわかりやすいのだが、物語が進むにつれ、回想がもはや単なる回想でなくなっていくところがこれまた恐怖。

そしてエンディング。

この映画には絶望しかない。

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はむひろみ