「⋯船が小さい」ジョーズ asaさんの映画レビュー(感想・評価)
⋯船が小さい
何度も見た。
名場面が沢山ある本作だが、後半の出航した以降の件はいつも堪らない。
それぞれの思惑で鮫狩りに出航したブロディ署長、フーパー、クイント。
釣り竿で獲物を狙おうと試みるが、屈強なはずの釣り糸のピアノ線をひき千切られる。
獲物を取り逃がし、その後なんの気配すらない夕凪。
暗然とするブロディにフーパー。
クイントはブロディに再び餌撒きを指示。
エサ撒きはここでは一番の汚れ仕事。
海の素人であるブロディは、グチりながらこなす。
次の瞬間、ハッと息を飲むのは言うまでもない。
レビュータイトルは、初めてガアッと頭をもたげた鮫を目の当たりにしたブロディの台詞。
以降の勇猛な二人に反して、なにかと腰が引けているブロディも面白い。
⋯船が小さい
唖然となるブロディ。
その獲物の大きさを物語る。
そこからのたたみ掛けが凄い。
船に突進してくる背びれ。
猟銃を手にしたクイント、フーパーに樽にロープをつなぐよう指示。
が、フーパーは何かを思いつき船倉へ向かう。
慌てて用意していた発信機の起動を準備するフーパー。
いっぽう、船首めがけ突進してくる背びれ。
その舳先のクイント、樽が未だ放置されてるのに気づく。
フーパー早いとこつなげ!間に合わんぞ!
デッキに戻ったフーパー急いでロープを結びだし、大丈夫⋯
迫る魚影。
照準を合わせるクイント フーパー早くしろ!
ブロディ …殺せ、殺せ、⋯今だ!
クイント、ギリギリまで照準を絞る。
樽をつないだフーパー、間一髪で叫ぶ。
撃て!
クイント、銛を撃つ。
鮫の背に着弾。
同時に海へ放たれる樽。
鮫は流血しながら綱を引っ張っていく。
クイント、頭じゃないが命中だ! 浮き上がるまで待つぞ
波を切って曳行される樽。
すかさずブリッジへ駆け込むフーパー、レバーをフルスロットル。
フーパーその轟音とともに叫ぶ、次の樽も準備だ!
オルカ号の三人、全速前進で追尾する。
高まるスコア・・
ド素人のブロディを他所に、いがみ合うフーパーとクイント。
ちぐはぐの三人が、一つの獲物めがけて初めて噛み合い出す、この瞬間
いつも高揚するし鳥肌が立つ。
当時現役で見られなかったので
今回は劇場でIMAXでと本来のかたち以上で鑑賞出来て、
何度も見てる以外、嬉しい体験でした。
学生ほどの若い観客も目立っていたが、彼らにはどう写っていたのだろう。