「『ショーシャンクの空に』この映画は私の中では、一番か二番に素晴らし...」ショーシャンクの空に ジャスミンティーさんの映画レビュー(感想・評価)
『ショーシャンクの空に』この映画は私の中では、一番か二番に素晴らし...
『ショーシャンクの空に』この映画は私の中では、一番か二番に素晴らしいと思っている作品だ。一連のスティーブン・キングの作品とは、ちょっと一線を画す異色の作品だと思う。
若くして銀行の副頭取だったアンディは、妻と愛人を殺害した罪でショーシャンク刑務所に収監される。所長はアンディに「規律と聖書を重んじている」と言い、アンディに与えられた聖書を手に取り「救いはこの中にある」と言った。実は、その聖書の中にアンディにとって非常に大切なものが埋め込まれていた…(これは最後に判る)
悪い奴らに目をつけられ、身体を狙われ暴力を振るわれながらも、必死で耐えるアンディ。
刑務所の主任の遺産問題にアンディが助言したことから、所長始め職員たちのお金に関する相談を一手に引き受け、所長の経理担当になる。そして不正な経理をするよう強要される。
そんななか、食事中にアンディが一番の友達になったレッドに「心の豊かさを失ったらダメだ。心の中には希望がある」と話すシーンがあるが、これは私の好きなシーンの一つで、この言葉がアンディのモチベーションを最後まで持ち続けさせる要因の一つになったと思われる。
アンディの房には、調達屋のレッドから手に入れたポスターが貼ってあった。最初はリタ・ヘイワース、次はマリリン・モンロー、最後はラクウェル・ウェルチ…このポスターが、後に大きな意味を持ってくる。
ある時、新人の収監者が入って来て、その男から、妻と愛人を殺害した″真犯人″の存在を知ることになり、そのことを所長に話したが、全く取り合ってくれなかった。自分の私利私欲のことしか考えていない所長は、アンディを手元から手放すわけにはいかなかった。所長に反抗したアンディは、懲罰房に2か月も入れられた。
その後、アンディはレッドに覚えておいてほしいと話す…「メキシコのジワタネホに住みたい。バクストンの牧場にある大きな樫の木の側にある、石垣の中の黒曜石の下を探せ」…と。
その日の所長の経理の仕事が終わり、アンディに所長が用事を言いつけて帰ってから、ちょっとした見せ場がある。
その夜、アンディは姿を消した。脱獄したのだ。収監されてから何と19年…
所長が、アンディがいた房に置いてあった小さな置物をポスターに向かって投げると、そこに小さな穴が開いた…ポスターを剥がすと、そこには大きな穴が出来ていた。
脱獄の日は嵐だった。大事なものだけをビニール袋に入れ、足に括り付け、下水管の中を通って外に出た。青い囚人服を脱ぎ捨てて、大きく両手を広げて空を仰いでいるアンディの姿が印象的だ。私がこの映画で一番大好きなシーンだ。
その後、アンディが作り出した架空の人物に成りすまし、銀行に行き、所長がアンディを使って隠し持っていた裏金の大金を全て手に入れた。
そして、アンディは新聞社に所長の悪事の証拠を送り、新聞の一面にそのことが載った。沢山のパトカーが来る中、所長は拳銃自殺する。
レッドは仮釈放になり、暫く仕事をしていたが、アンディが話していたことを思い出し、その場所を訪ねると、そこには金属の箱が埋めてあり、中にはお金と手紙が入っていた。
レッドは、仮釈放違反ではあるが、希望を抱き、アンディが住みたいと言っていた、その地を目指す。
そこには、おんぼろのボートを磨くアンディの姿が…アンディとレッドは抱き合って、再会を喜んだ…
ティム・ロビンスもモーガン・フリーマンも実にいい。会話も聞こえず、そのままカメラが遠ざかっていくのもいいラストだった。
何回観ても、本当に素晴らしい映画だ。