「愛犬家には耐えられないゴア描写も容赦なし、デタラメにも程があるリー・リンチェイのプロモーション映画」少林寺 よねさんの映画レビュー(感想・評価)
愛犬家には耐えられないゴア描写も容赦なし、デタラメにも程があるリー・リンチェイのプロモーション映画
40年も前の中国映画なので、余りにもデタラメ。シャオリーン、シャオリーン♪と脳天気にも程がある主題歌からドキュメンタリー風に始まるオープニングに続いて、「汝、殺すなかれ」という教えを守れるかと問われたリンチェイ演じるショウホの表情にうっすら浮かぶ苦悩からマジメな映画だと勘違いしてしまいますが、まあこの少林寺の皆さんは様々な教えを片っ端から破るデタラメ集団で、そのアナーキーさに『アパッチ野球軍』を思い浮かべました。犬好きの人は正視に耐えない凄惨極まりない飲み会もあるので注意要。そもそも暴君であるワン将軍に目の前で父親を殺されて自身も満身創痍となったところを少林寺に拾われたショウホ、元々拳法の心得があるっぽいにしても余りにも軽々と様々な拳法を体得してしまう辺りのテキトーさに、『酔拳』からカンフー映画に目覚めた者としては壮絶な肩透かしも食らいます。
しかし、そんなものは枝葉末節。若きリー・リンチェイが魅せる演武こそがこの映画の肝であり、本作はリー・リンチェイのプロモーションビデオと言っても過言ではなく、その映像が埃一つない映像で蘇ったことは素直に喜びながら堪能しました。
ちなみに平日夕方だったので客は見知らぬお婆さんと私だけ。お婆さんはスタッフの方に「半分寝ちゃったわよ〜」と笑顔で話しかけてました。
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