劇場公開日 1993年7月17日

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「カリブの海賊は人を喰わないよ。 【滅びゆく技術に送られる、希望のメ...」ジュラシック・パーク 雨丘もびりさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0カリブの海賊は人を喰わないよ。 【滅びゆく技術に送られる、希望のメ...

2024年1月31日
PCから投稿

カリブの海賊は人を喰わないよ。

【滅びゆく技術に送られる、希望のメッセージ】
クライトン脚本でありながら、原作にないテーマを色濃く打ち出し、かつ最高のエンタテイメント作品として成立させた必然的大傑作。

考古学者のグラント博士が
「恐竜が蘇ったら、私たちは失業だな」と漏らす。
「 "絶滅" の間違いだろう?」と数学者マルカム。
このやりとりが、CG本格実用化に伴いアニマトロニクス技師たちが漏らした弱音であるのは有名な裏話。
事実、劇中の恐竜たちはほぼ全てCGで描かれており、出番を待っていた5m弱の巨大Tレックスロボット4体は日の目を見ることなく廃棄された。

「本当に失業しちゃうの?」と恐竜少年のティム。
「変化を求められるわけだ」と大人な態度で返すグラント博士。

そして、
繁殖しないよう遺伝子操作された恐竜たちが、とある理由で卵を産み、孵化して増えていることがわかり、
グラント博士は顔を輝かせ、
「生命は道を見つける」
とつぶやく。

恐竜は滅びない。鳥に進化し、現代でも生息している。
CGがどんなに発達しても、着ぐるみやストップモーションやアニマトロニクスは淘汰されない。
それは今日、時間が証明している。スピルバーグの予言通りに。
(モーションキャプチュアなんて、CGが着ぐるみを越えられなかった証拠のようなものよね)。

「生命は道を見つける」
これは今年2018年に公開されるジュラシックワールド2のコピーでもある。
10年後、自分の仕事の需要に悩んでいる人は必見の映画。
滅ぼそうとしてくる調子こいた奴らの噛み殺し方が、たっぷり映像で見られる(笑)。

雨丘もびり