終着駅のレビュー・感想・評価
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室長の温情判断が良かった
1=名作と思うが、助演者の男が出て来るのが17分 → 遅い
2=会話から、不倫系の映画と判るが、動きが少なくて退屈
3=ドリアの発言や行動は、自分本位(情熱的?)で、共感できない部分が多い
4=立入禁止の車両内に入り、警備員室に連行され、室長の尋問を受ける
5=室長がメアリーに「8時半の列車に乗りたいか」と質問したら、「イエス」の返答
6=室長は正式な裁判にしたら皆が不幸になると判断
①口述書を破り、②メアリーとドリアの2人を無罪放免の温情判断
7=名作の感じはするが、楽しくないし、感動もしないのが、残念
8=少し笑えたのが、66分の老人と若い女の会話
老人が、見ず知らずの若い女にいきなり、「体重、何キロ?」と質問
→ 若い女は、答えず立ち去る
9=この発言、現在の日本でやったら、どうなるかな、 考えると少し楽しい
モンゴメリー・クリフト主演で期待したのだが
名優モンゴメリー・クリフト主演で期待も、あまり面白くなかった。
ただ、警察署長の訴追状を破り捨てる大岡捌きはイキ。ヒロインの甥役リチャード・ベイマー(後のウエストサイドストーリーのトニー役)の叔母思いの突っ張った行動は、微笑ましかった。
幼い版「マディソン郡の橋」
“恋は盲目”とは良く言いました。
愛に燃えるこの二人、
周りが全く見えなくなってしまっている。
列車に置いてきた娘への道産子、
忘れられたポーターに預けたボストンバッグ、
全く気が付かない近づく列車、
停車中車両への侵入を罪と自覚出来ない、
終いには決定的な危機を寛容に救ってくれた
警察の駅室長に充分な礼も言えない二人
(男性は全く)。
(※それにしてもこの室長、
素晴らしく良く出来た人間だった。
彼女に列車に乗るのかと質問すること
により不倫を諭す、
なんという人生の先生だろうか)
また女性は不倫の進展で夫や娘を
深く傷付けてしまうことを頭で理解しつつも、
周りが全く見えなくなるほど自分に迫る彼
を突き放せない。
想像するに彼女は今の夫と結婚する際は
情熱的な恋の結果では結婚出来ていなかった
のだろう。
もしその経験があったらもう少し
自分以上に盲目的になっているジョバンニ
を理解し諫めることが出来たのでは。
多分に結婚する時はしっかりと
燃えるような恋をしてからでないといけない
のかも(自分のことは不問(笑))。
すいません、
これは映画評論ではありませんね。
このような不倫の男女の想いを深く描けたのが
「マディソン郡の橋」でしょう。
不倫は人生の年輪を充分刻んだ上で行って
初めて美しく耀くのかもしれません。
人妻の魅力も よくわかっていたイタリア
人間は 社会的規範の下で生きており
愛のほかに、しがらみや責任もある
社会の歯車の一部であり
歯車が進むと(列車はその象徴だろうか… )
大人の恋は終わるのである
茫然とする ジョバンニ
イタリアは オペラの国であり、ナンパの国でもある
恋愛トラブルにも 慣れているのかも知れない
署長の判断は 大人の対応であり、監督や脚本家の考察も鋭いし、演出も上手い
やはり、スタッフがオールアメリカンでは
こうは いかなかっただろう
ジョバンニ役の クリフトが、半分イタリアの血が入っている様には見えないのだが、極端に振れそうな 危うい魅力もあり、男女の攻防を盛り上げる
そして 人妻ジョーンズの ふくいくたる魅力
その「母性」にも ジョバンニが(男性達が)惹かれるのが、よくわかる
彼女を見つけた彼が 子犬のように走り出し、列車に轢かれそうになる
その行為は 女冥利につきるし、彼女の「母性」をも揺り動かし、崩れ落ち、泣いてしまう
白黒の画面が 人妻の心の動きをデリケートに捉え、その葛藤だけでなく 恋する女の美しさも伝えている
もったいぶった昼メロ。
年下のイケメンと浮気しちゃって、別れるに別れられないもったいぶった昼メロを観せられた気分。
モンゴメリー・クリフトが美しすぎて(見ようによってはライアン・レイノルズ)ラストまで観たけれど、
名作という建前に、ある意味ほんとの「終着駅」でした。
名作の誉れ高い名に恥じない作品です
大昔、シンデレラエキスプレスという言葉があったことを思いだしました
最終の新幹線での別れは男女の恋愛を花火のようにしてしまったものでした
題名通り冒頭のほんの僅かなシーンを除いて全編終着駅ローマのテルミニ駅で物語が進行します
終着駅という雑踏の中での人目を忍ぶ男女の別れの物語です
強烈な磁力のように引き寄せ合う二人の愛情と、それを理性と分別で踏みとどまろうとする葛藤に、列車の発車時刻が迫る焦燥が拍車を掛けます
昔の上野駅地上ホームのような巨大駅の雑踏のなかでの様々な人間性模様も見事に折り込まれています
公衆電話で軟派する中年男
イギリスから帰国してきた失業者一家
救護室の待ち合いベンチで身重の母を心配そうに待つ幼い三兄弟
大統領の出迎え準備で配備されてきた警護兵の一団
海外から出張してきた牧師の一団
騒がしく祝福する親戚一同に見送られて一等車に乗り込む新婚さん
鉄道警察署の署長の温情も心に残ります
主人公二人の別れ話を軸に巨大な終着駅の一日は昨日も今日も変わらず暮れていこうとしています
残照の残る暗い空の闇の中に国際列車の赤いテールランプが消えて行き、ジョバンニは長いホームをとぼとぼと放心して出口に向かいます
この時に涙腺がついに決壊してしまいました
幸せを祈る
できることはそれしかないのです
流石は巨匠ヴィットリオ・デ・シーカ監督でした
不倫の別れ話という見も蓋もないそれだけのお話を、普遍的な名作に仕上げてみせてくれました
名作の誉れ高い名に恥じない作品です
ジェニファー・ジョーンズ34歳
美しいです、大人の女性の魅力を存分に発揮しています
モンゴメリー・クリフト33歳
彼の一途さが前半は観るものに反発心を起こさせ、今度は後半では彼に感情移入させる的確な演出とそれに応えた演技は見事そのもの
エンドマークが出たときには、マリアと同じく観客まで、もう彼のことで頭が一杯になっているのです
本作は1953年製作、同年製作にあのローマの休日があります
またその翌年1954年には愛の泉というローマを舞台にした映画が製作されています
その映画はトレビの泉を中心に据えた物語ですが、冒頭長々とテルミニ駅に着く主人公を写しています
きっとあれは本作のオマージュだったのかも知れません
ジョバンニが車に乗りかけてやめる駐車場まで、同じ角度のシーンがあったように思います
本作は1945年の大人の男女の出逢いと別れの映画の名作として有名な「逢びき」に触発されて製作されたとのこと
あちらはロンドン郊外のローカル駅を舞台にした物語で、男女の物語を真っ正面から豪速球で扱っております
お勧めです
美しいラブシーン
ジェニファー・ジョーンズの美しさに打ちのめされました。映画を観て、美しいと素直に表現できることは、貴重なことなんだと思います。
ジェニファー・ジョーンズとモンゴメリー・クリフトの息遣いが聞こえそうなほどの語らいに見惚れ、そしてそのラブシーンにただただ惹き込まれてしまいました。照明の当て方が本当に素晴らしいんです。
また、ディオールがデザインしたというジェニファー・ジョーンズの衣装も素晴らしかったです。途中、悲しさの中でホームをひとり歩くジェニファー・ジョーンズの後ろ姿が移りますが、そのシルエットと駅のホームという設定が、本当に美しい場面を作り上げていました。
これは確かに名作でした。ヴィットリオ・デ・シーカは素晴らしいです。
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