「さすがコッポラ!」ジャック ジミーさんの映画レビュー(感想・評価)
さすがコッポラ!
コッポラが、20代で早逝した息子のために作ったといわれている作品です。主人公のように4倍のスピードで年を取れば、20代で死ぬことになる。また、父親はカメラマンでお金持ちという設定にしたところは、コッポラ自身を思わせる。
早く年を取るというありえない設定にしたこと、直接死を描いていないことなど、抑えた表現が、かえって、子供を失った親の本当の悲しみを伝える。冒頭の赤ん坊の愛らしさやジャックの子供らしい仕草はやはり息子のことを思いながら撮ったのだろうと思って、泣けてくる。
ロビン・ウイリアムスの演技はさすがと思わせる。普通の10歳の男の子が目に浮かぶようだ。子供のしぐさをよく見ている。結局コッポラの脳裏に焼き付いているシーンを再現しただけなのだろうが…。
コッポラの作品をそんなに見ているわけではないが、「ペギー・スーの結婚」では、タイムスリップを新鮮な切り口で描いている。いい小品が作れる監督だと思う。縛りがなく自由に取れるほうがいいのかな、才能豊かだが、プロデュサーなんかとの交渉が下手な気がする。
ロビンの演じるジャックのしぐさ(特に、縁石の上など幅の狭いところを選んで歩くシーンが何度もある)に、息子のことを思い出しながら作ったんだろうな~と思いながら見てください。泣けてきますよ。
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