ジャッカルの日のレビュー・感想・評価
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まさかの50年前
緻密なようで偶然?!
男爵夫人との出会いも
狙い撃ちする場所を見つけたのも
行き当たりばったりの感はあるけれど、それを上手く逆手に取って計画の一部にしてしまう臨機応変さ
原作というか脚本の凄さを感じた
あの時代に『盛大』という言葉では表現出来ない程の式典を再現してしまう懐の深さ・スケールのデカさは半端ない
どれだけのエキストラを採用したのだろうか
どれだけの大金をつぎ込んだのだろうか
リメイク版の「ジャッカル」(アメリカ)とドラマ版の「ジャッカルの日」と本作
1つの原作で3つの年代の作品
その違いも楽しめるなんてそうそうないことだからワクワクする
特にパスポートの偽造と変装が面白い
蛇の道は蛇?
それぞれの道の職人が、その仕事を生業としていけるだけの需要と技能があったんだね
ゲイが集まるサウナがあの時代に堂々と存在してるなんて、驚きのフランス!
いや、納得のフランスとも言うべきか?
PARISオリンピックの開会式
橋の上でのパフォーマンスでも、ゲイパレードかと思った程
多様性を前面に押し出しすぎて引いちゃったが、そこはフランス
なにせ新首相もゲイとのことだしね
俳優たちは全く知らない人ばかりだけど、個性的でセクシー
最後はあっけなく打たれたし、
暗殺するタイミングはまだあったのに……
暗殺者の行動と警察側の行動
実際の暗殺者たちも愛読した小説を映画化!
『ジャッカルの日(The day of the jackal)』は、1997年『ジャッカル(The jackal)』として時代を置き換えた形でリメイクされた。
リメイク版はブルース・ウィリス、リチャード・ギアというキャストで期待されたがオリジナルは超えられなかった。
みなさんがレビューされている通り、原作はエドガー賞を受賞した同名小説だ。
私もご他聞に漏れず、映画を見た後に小説を読んだ。それくらい面白かったのだ。
wikipediaによると、製作のユニバーサル・スタジオは、ロバート・レッドフォードやジャック・ニコルソンをジャッカル役に配したかったようだが、監督のフレッド・ジンネマンはヨーロッパの俳優を起用することに執着した。
エドワード・フォックスが演じる暗殺者ジャッカルが、とにかく良いのだ。撮影当時は35〜36歳だったはず。
軍人役なども多数演じた彼は動作が機敏なだけでなく、デヴィッド・ボウイや市川雷蔵のように妖しい色気も醸し出している。後年見た『遠すぎた橋』では、この妖しさは封印されていたので、演技力だけでなく、脚本や撮影陣のチカラでもあるのだろう。
◆クルマ(アルファロメオ ジュリエッタ スパイダー!)の色を短時間で塗り替える、
◆パリ潜入のため、男爵夫人、同性愛者を利用した後に始末する、
◆従軍歴のある老兵に化けて式典に潜り込む
すべてのシーンが、暗殺者マニュアルになっていて、見ていて気を抜けない。
こんなに面白いのにもかかわらず、意外なことに?(笑)
アカデミー賞は編集賞のみノミネート(最優秀は『スティング』)。
同年の日本国内洋画配給収入ランキングで9位にすぎない(1位の『ポセイドン・アドベンチャー』は良しとして、リバイバルの『街の灯』、『十戒』より下位である)。
うっすらとした記憶だが、私も初見は映画館ではなく、テレビで見たと思う。
私のように、ただで見た人達(笑)が高く評価しているのだろう。
【ド・ゴール大統領の暗殺を高額の礼金で企てる男と、仏蘭西の警視が対峙するドキュメンタリータッチの演出が秀逸な作品。仏蘭西政府の植民地アルジェリアへの対応の変遷を知っていると面白さが倍加する作品。】
■それまで、植民地であるアルジェリアに対する想いを持った仏蘭西のOAS(秘密刑事組織)が、新しい大統領になったド・ゴール大統領のアルジェリアに対し、民族解放の姿勢を明確にしたド・ゴール大統領に対し、不満を募らせていく姿が、今作の背景にある。
それは、序盤でド・ゴール大統領の暗殺に加担した元軍人が銃殺されるシーンで描かれる。
因みに今作中でも語れるが、ド・ゴール大統領は就任中に6回の暗殺未遂事件に遭遇しているが、奇跡的に傷一つ追わずに任期を満期している方である。
我が日本でも、元宰相が衆人の中、命を落とされた事を考えると奇跡的な事である。(深く、瞑目します。)
だが、今作を観ると、名もなき仏蘭西警察の頑張りがあっての事だという事が良く分かる。
■1960年代のフランス。
ド・ゴール政権に不満を持つ秘密軍事組織・OASは、大統領暗殺を目論むが失敗に終わってしまう。
そこで、OASはすご腕の殺し屋・ジャッカル にド・ゴール暗殺を依頼する。
フランス警察のルベル警視は、官邸の指示の元、この計画をいち早く察知し、万全の体を取る。
◆感想
・“ジャッカル”を演じたエドワード・フォックスも、ルベル警視を演じたミシェル・ロンズデールも当時は、無名の俳優だったそうである。
・だが、フレッド・ジンマネン監督はそれを逆手に取り、今作を見事な社会派サスペンス映画に仕上げている。
<実在したド・ゴール大統領を暗殺しようと狙う側とそれを阻止しようとする警察側の攻防を戦いドキュメンタリータッチで描いた逸品である。>
究極の段取りムービー‼️
『アルジェの戦い』はイタリア映画だった。
高校一年の時、友人と『テアトル東京』へ封切りで見に行った。その友人が『2001年宇宙の旅』を『テアトル東京』で封切りで見たそうで、その影響で『テアトル東京』で封切る映画は名作と思っていた。その頃まだ『2001年宇宙の旅』は見ていないと言う事になるが、ちょうど、その頃、リバイバル上映が『テアトル東京』で上映中されたはずだ。
さて、当該映画はスイカとドゴールの場面だけ覚えているだけで、ほとんど、印象が残らない映画だった。つまり、ベトナム戦争の悪の権化とドゴール大統領を見ていたので、こう言った極右のテロを容認できなかったからである。反動で『アルジェの戦い』を見て、感動した事を改めて思い出した。
フィクションだから、何故この結末が?と思ったが、この極右団体は現実に存在していて、1968年にドゴールと和解している。あとから世界史の教師にその話を聞き、テロリストは左翼だけではないと知ることになった。
ダラダラして、サスペンス性が全く無い映画だと思う。但し、この頃フランスは旧宗主国としてベトナム和平の為にアメリカとベトナムの仲介役を努めていた。この映画を見て『フランスってこんな話認めているのか?』とフランスに対して幻滅感を抱いた。『アルジェの戦い』はイタリア映画だった。フランス系の映画が嫌いになった。そんな気持ちの元になった映画だったかもしれない。もっとも、原作も映画もフランスじゃないけどね。
追記
イヤハや、
『ダラスの熱い日』も同じ友人と見たと思い出した。この頃…こう言った映画はやっていたんだね。
フレデリック・フォーサイス
ド・ゴール大統領の暗殺に失敗したフランスのテログループは、イギリスに住むプロの殺し屋ジャッカル(エドワード・フォックス)に依頼する。
捜査当局は一番優秀な警視(マイケル・ロンズデール)に指揮をとらせる。
イギリスの捜査で、名前と顔がわかり次第に追い詰めていくのだが・・・。
絶妙なドキュメンタリータッチで緊迫感を盛り上げ、最後につなげていく。
これほどの作品はなかなか、と思う。
原作も映画も傑作!
原作も映画も傑作のサスペンス映画。
初見は日本初公開時(1973年)の映画館、その後観た最後が1988年なので、34年ぶりに観たが、何度観ても面白くて「不動の傑作」である。
フレデリック・フォーサイスの原作小説は大好きな本、このフレッド・ジンネマン監督の映画も原作のストーリーもイメージも見事に映像化しており、ともに素晴らしい!
キャスティングも成功しており、コードネーム“ジャッカル”を演じたエドワード・フォックスなどは原作イメージ通り。
1960年代のフランスではドゴール政権に不満を抱くOASという組織があり、大統領暗殺を計画・実行するが全て失敗する。そこで切り札として「外国人で逮捕歴のない凄腕暗殺者」=ジャッカルを雇って、ジャッカルが独自に暗殺計画を立てて、暗殺を目指す。
そのジャッカルの存在を知ったフランス政府側はルベル警視をヘッドとして、ジャッカルの追跡を始めるのだが、この追いつ追われつのドラマが見事!
ジャッカルの冷徹な雰囲気も最高!
今回観たのは購入しておいたBLu-rey Discだが、ユニバーサル映画のブルーレイは画質も音質もクリアで良かった。まるで「ロードショー時の映画館で観ているような高品質」。
ユニバーサル映画では、あの『裏窓』のブルーレイ映像も物凄く綺麗であった。あれ以来の感動の高画質。
この映画を公開時から観てきた者には大傑作の映画である。
フレッド・ジンネマン監督、晩年の3連続名作のひとつ
フレッド・ジンネマン監督5作品を
まとめて観たが、
記憶のはっきりしている当作品は
鑑賞予定にはしていなかった。
しかし、偶然にも近所の図書館に
DVDがあったため急遽の再鑑賞になった。
「わが命つきるとも」と「ジュリア」の間に
製作されたキネマ旬報第4位の作品。
ただ、アカデミー賞では
「スティング」「エクソシスト」の年で、
編集賞のノミネートだけで終わったのは、
この作品の出来からして残念に思えた。
この作品、
米国ユニバーサル製作ではあるが、
ハリウッド映画とは
明らかに一線を画した作風で、
ジャッカルを中心とするOAS側と
仏司法警察を中心とする各国警察機構側の
対応が、
あたかもドキュメンタリーのように
淡々と、そして稠密に描かれる。
また、相互の動きの各要素を
手際よく切り替える演出は
「地上より永遠に」を思い出させた。
フレデリック・フォーサイス原作の
映像化作品の中でも
出色の出来だったような気がする。
この作品も含めて「わが命…」から「ジュリア」
までの3連続作品は、
フレッド・ジンネマン監督が
50歳台末から60歳台にかけて演出した
怒濤の名作群だったのではないだろうか。
一発で仕留めるベシ!!
リメイクを先に観てたので、こっちも…アレかと思ったら
派手なリメイクと違い、殺る側、守る側真面目に最善を尽くそうとしてる。
仕掛けの定法とも言うべき、半金先払いで成功後に残り半分を渡すやり方が、世界共通なのだろうか?
裏の仕事をする者同士でもお互いの身の安全を担保にする駆け引きで命を落とすのは今も昔も変わらない。欲をかけば殺され、油断しても殺される。
偽身分証の職人は預かった運転免許証を返さず、追加金と身の安全を図ったが、単独でジャッカルとの交渉は相手を侮りすぎ、安く上げようとしても、高く費用をかけてもアングラワールドでは警戒する以外ないのだろう。
それを考えるとゴルゴ13に出てくる銃職人のデイブなど殺されないのが不思議なレベルだ。
リメイク版では超強力なミニガンで滅多撃ちするようなムダに派手な演出で製作したガンスミスをぶっ殺すジャッカル(Bウィリス)が見られたが、本作ではスイカを頭部に見立ててヘッドショット出来るように調整しただけだった。製作された銃も簡素極まりない。まさしく実務的で派手さなど皆無。やっぱプロの仕事はこれだな~リメイク版は派手すぎた。
これはすごい!
最後までドキドキはらはら
動物ものかと思って借りてきた。全く違った。スパイ映画?観ながらどっちを応援すべきかさえ分からなくなってきて混乱した。使い捨てのような扱いの女性が可哀想。まさか主人公が非情な暗殺者だったとは! もう少し足が付かないように行動出来ないものか? いつもギリギリで逃げ切る様子がまた手に汗もの。あの仲間が拷問でいつジャッカルと言ったのか分からなかったが、白状しなければ、確実に暗殺は成功したと思わせる。ジャッカルは手際も良いし、利用したら最後、容赦なく殺す。ただこの映画沢山人が死んでいくが、殺しのシーンは隠れて見えない事が多いだけに最後はビックリ&壮絶!
大昔観たことがあったようだが最後のシーン以外は忘れていたので、スリルを味わいながら楽しんで観る事が出来た。
Jackal vs Schnauzer
武装組織OASからシャルル・ド・ゴール大統領暗殺を依頼された”The Jackal”と、OASの暗殺計画を突き止め、阻止に全力で挑む政府側との攻防をテンポ良く描いた作品。
得体の知れない、けれどどことなく上品な英国紳士風の暗殺者”The Jackal”。彼が要人暗殺を生業にしているとはとても見えません。後々、甘いマスクも難局を切り抜けるには必須なんだと理解出来ます。
政府は各部署に、警察は隣国にも応援を要請できるのに対して、暗殺は足がつかないよう可能な限り人の助けを借りずに実行しなければならず、当然疲労も溜まるし、一匹狼の暗殺者は大変だなぁ…と何だか同情(^_^;)。暗殺の報酬って桁違いに高いイメージでしたが、これだけの準備には必要経費なんだろうなぁと妙に納得しました。現在では無理でしょ!という企てもありますが、1960年代のセキュリティーの甘さを見ていると現実味を損ないません。
官僚から急に呼び出されて無茶な課題を与えられるLebel警視がシュナウザー犬みたいなんです(^^)。帰れと言われ爆睡していたらまた呼び出されて…。爆笑しました。
Ronald Pickupが若い!
暗殺者の入念な下準備と、それを一つ一つ暴いて追い詰めていく捜査機関。スリリングな知恵比べのようでもあり、とても面白かったです。
プロの殺し屋の「読み」
1970年代の映画だが、今見ても楽しめる
ジンネマン監督の傑作
ジャッカルの 一歩先行く仕事振りが、興味深い
パスポート、アルファロメオ、銃の仕様も
変装も…
女も男も 自分の性をも使って、駒の様に
利用してゆく
最終突破に「傷痍軍人」を使うというのも、
フランス人の軍人への敬意を利用している
武器や変装だけでなく、空気を読む、相手の心の隙を突くなど 勘の冴え、等も テクニックとして 見せている
人間味のないジャッカルに 当時、無名だったフォックスを抜擢し、その存在の軽さが 逆にリアリティを感じさせる
反対に、彼を追うルベル警視に 人間味を持たせている(手柄を途中で 横取りされそうなところも!)
空の巣症候群ともいうべき、マダム・モンペリエは ジャッカルにつけ込まれてしまうのだが、デルフィーヌ・セイリグが 女心の隙と大人の色香を見せて、とても美しい
(ジャッカルにも ときめきが… これも計算ずくなのだろうか… 夫人は 即、捨駒にされる )
スパイや軍人などが、そのスペックを上げてゆくと 人間味がほとんど無くなるのだな、としみじみ思う
あと、ハニートラップは いつも鉄板!
政治家や官僚って、
こんな風に 罠にはまるのだろうか?
これぞ大人の映画といえる
ヌルヌルっと忍び寄る
レビューをしようとして、その中の「印象」を選ぼうとして、はたと手が止まってしまいました・・・。うん、これ、どれにも当てはまらないかもです。
ジャッカルという暗殺者が忍び寄る、その忍び寄り方があんまりにも抵抗感がなく、ヌルヌルと、留めようもなく、着実に近づいてきます。おそらくこのあまりのフラットな忍び寄り方に、この「印象」のつけられなさの意味があるように思います。
だって普通、暗殺者が忍び寄るって言ったら、見つかりそうになって、焦って、慌てて、逃走して、追いかけられてって、そんなことを期待するじゃないですか。でもジャッカルにはそんな様子は微塵もありません。たしかに警察は追いつめていきますよ。ひとつずつジャッカルの正体に迫っていきます。でもジャッカル自身はそんなこと、すべて想定内で、結局のところ、計画には何の狂いもないかのように、標的に近づいていくんです。
これはちょっと、不思議な映画ですよ。たぶん、これがある意味、本当の暗殺者の姿なのかもって思わせられましたですね。
これが映画だ!
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