ジャズメン

劇場公開日:

解説

1920年代の黒海沿岸の町を舞台に、ソビエト最初のジャズバンド結成の夢に燃えた4人の男たちの姿を描く。監督はカレン・シャフナザーロフ、脚本はアレクサンドル・ボロジャンスキーとシャフナザーロフ、撮影はウラジーミル・シェフツィク、音楽はアナトリー・クロールが担当。出演はイーゴリ・スクリャール、アレクサンドル・パンクラートフ・チョールヌイ、ニコライ・アヴェリュシキン、ピョートル・シチェルバコフなど。

1983年製作/88分/ソ連
原題または英題:МЫ ИЗ ДЖАЗА
配給:日本海映画
劇場公開日:1984年4月14日

ストーリー

黒海に面した港町オデッサ。ソビエトが1917年の革命を経た20年代の中頃のこと。音楽学校でピアノを学んでいたコースチャ・イワノフ(イーゴリ・スクリャール)は、アメリカ南部で生まれたジャズ音楽に心を奪われていた。ジャズピアニストを目ざし始めた彼は、しかし学校側から「ブルジョワ音楽の手先」と決めつけられ、学校に残るかジャズを選ぶかの選択を迫られる。そしてジャズを選んだ彼はあっさり学校を去った。一方、失業して辻音楽士をしていたスチョーバ(アレクサンドル・パンクラートフ・チョールヌイ)とジョーラ(ニコライ・アヴェリュシキン)は町でコースチャと知り合い、三人でジャズ・バンドを作ることになった。ジャズが何であるかも知らないスチョーバとジョーラは、コースチャから指導を受け、三人は初めて野外演奏会を試みるが、観客からそっぽを向かれてしまった。気を落としあわや解散という時、ホテルの演奏会にかり出され歓喜する。が、その主催者は泥棒のボスで、泥棒ともども彼らも投獄されてしまった。しかしそこで、泥棒の一人でサックス奏者のイワン・バヴーリン(ピョートル・シチェルバコフ)と意気投合した彼らは、四人で組むことになり、本格的にバンドに励み出した。モスクワで、オデッサ出身でポピュラー歌手として人気を得ていたカーチャ(E・ツィプラコワ)と再会し恋心が盛り上がるが、ソリストとして独立した方がいいと言われ、結局ジャズバンドの仲間の方を選んだ。やがて待望の演奏の日、新聞はまた「ジャズはブルジョワ文化の手先」と報じ演奏会は取りやめになった。しかし、落胆するコーチャを仲間たちは必死で励ました。やがて、彼らのジャズヘの情熱がみのり、ソビエトに、初めてジャズが定着するのだった。

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映画レビュー

4.0☆☆☆☆ 実に38年振りに再見した『ジャズメン」は、思った通りの〝...

2024年3月9日
iPhoneアプリから投稿

☆☆☆☆

実に38年振りに再見した『ジャズメン」は、思った通りの〝 熱い青春群像友情物語 〟そのものだった。

今や、ロシア映画界の最高責任者となったカレン・シャフナーザーロフ。
彼の初期にして最高傑作のこの作品。ガラガラな三百人劇場にて胸を熱くしてスクリーンを見つめた《あの日》…

記憶が確かならば、その後の上映は無かったのだが、、、ひょっとしたら、吉祥寺に存在していたバウスシアター辺りが上映していたかも知れない💦
その辺りは曖昧なのだが。今日、渋谷での上映には多くの若い人達が駆けつけていて。これもまた当時の不遇な上映状況を知る者として、再び胸に熱い感情がほとばしる。

当時のシャフナーザーロフは、まだまだ若手の監督であり。作品本編を観ても分かる通りに、映像の作りとして雑なところも多く。且つ、かなりの低予算であるのが理解出来ると思う。
しかしながらも映画の内容は、そんな状況を覆す様に《熱い血潮》が終始漲る作品。
(多少の贔屓目は、ガラガラの上映状況を知るだけに少しばかりには、、、)

【あの】新宿東映パラス4
(だったと思うのだけど💧記憶が確かならば、分かる人には分かると思う。家庭のテレビなら32インチくらいのスクリーンの大きさ)
で、同じ時期に観た『望郷』(原題ボートピープル)であり、前年に不遇な扱いを受けた『誓い』や『カリフォルニア・ドールズ』(この2本は名作中の名作)等と共に。当時に観た不遇な良作のベストと言える作品なのです。

映像的な中身に付いて「どうたらこうたら…」
映画史的に関して「どうたらこうたら…」

…等と、あれこれと考察する様な作品とは一線をかす作品だとは強調して起きたいと思っています。
あくまでも、その《熱い青春時代の血潮》に共鳴出来るがどうか…と言った作品ですね。
久しぶりにスクリーンで再見出来て、本当に嬉しかったです。

1984年4月16日 三百人劇場
ソビエト映画の全貌 PART2 併映 『話の話』

2021年2月27日 シネマヴェーラ渋谷

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