ジャスト・ア・ジゴロ

劇場公開日:

解説

大戦の間の激動の1920年代のベルリンを舞台にジゴロとなって街を彷徨う一人の男の悲運な生涯を描く。製作はロルフ・ティーレ、監督は「別れのクリスマス」などのデイヴィッド・ヘミングス、脚本はジョシュア・シンクレア、撮影はチャーリー・スティンベルガー、音楽アレンジャーはギュンター・コルトウィック、衣裳はイングリット・ツォーレが各々担当。出演はデイヴィッド・ボウイ、キム・ノヴァク、デイヴィッド・ヘミングス、マリア・シェル、クルト・ユルゲンス、マルレーネ・ディートリッヒ、エリカ・プルハール、ヒルデ・ウェイスナーなど。オリジナル版は147分。

1978年製作/100分/西ドイツ
原題:Just a Gigolo
配給:テレキャスジャパン
劇場公開日:1983年1月29日

ストーリー

第一次大戦で負傷したポール(デイヴィッド・ボウイ)が故郷ベルリンに帰って来た。敗戦のショックで混乱するドイツ社会にあって、ヒットラーのファシズムだけが頭をもち上げていた。エリート軍人になるべく教育されて前線に送られていたポールも、帰ってからはすることもなくぶらぶらと日々を過ごしていた。母ミュッティ(マリア・シェル)やヒンダ伯母(ヒルデ・ウェイスナー)は、そんな中でたくましく働いている。幼なじみのシリー(シドニー・ローム)は、場末の踊子から、ハリウッドの人気女優へと変貌していった。ポールの前の連隊長ヘルマン・クラフト(デイヴィッド・ヘミングス)は、戦争後遺症から分裂症となり、ポールを、自分の政治結社に誘うが、その感情の奥にはポールに対するホモ・セクシュアルなものが含まれていた。そのヘルマンの誘いも拒否して街を彷徨するポールは、やがてジゴロたちが集まるバー“エデン”の経営者セマリング少佐(M・ディートリッヒ)に会った。その日から、“エデン”で働くようになったポールは、金持ちの中年女ヘルガ(キム・ノヴァク)のジゴロになる。そんなころ、シリーが大スターになってハリウッドから帰って来た。彼女は年老いた貴族(クルト・ユルゲンス)の妻に迎えられたのだ。わがままなヘルガのおもちゃとして扱われていることにイヤ気のさしたポールは彼女のもとを去り、シリーの結婚式に参列した。ポールヘの愛を語りながら、貴族との結婚を選んだ彼女は、しかし、公園でポールに愛をささやいた。無表情でキスをするポールは、シリーと分れた後、夜の街に出た。ちょうどファシストの内戦が勃発しており、彼はその流れ弾に当たって死んだ。そして皮肉にも時代の英雄として埋葬されるのだった。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

4.0セゾン文化にマッチした作品

2023年8月20日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

悲しい

知的

1983年初頭に渋谷のミニシアターで鑑賞。
当時一世を風靡していた後のセゾングループの映画館のはず。
主役のボウイさん。青年将校からジゴロ迄かっこよく熱演。デートリッヒ婆様も別撮りだが、作品を引き締めている。
ラストは時代がナチスになだれ込むのを暗示して物悲しかった。時間がアレバもう一度観たい作品。
本作を見た後、今で言う卒業旅行で、私はヨーロッパに旅立つ。ベルリンを訪問した時、あの郵便ポストを大きくしたような広告塔を実見して、時代がヨーロッパでは繋がっているのを思った。

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