「街vs元警察」ジャグラー ニューヨーク25時 ipxqiさんの映画レビュー(感想・評価)
街vs元警察
ホットドッグ食べたい。
フードを使った対比の見せ方うまかったな。
101分しかないのに非常につかれた…
追跡が始まるやいなや観客は1分と休ませてもらえないタイムに突入。終わる頃にはすっかりクタクタに。
背景は今よりもずっと危険だったニューヨーク。とにかく汚くて何が起こっても不思議じゃないヤバさが画面から伝わってくる。
チェイスの過程で、街に暮らす人々がちょこちょこと顔を覗かせる場面もあって、街自体がひとつの登場人物っぽい。
なんといっても撮影がかっこいい。音楽の使い方もいい。
シンプルなストーリーだが、シナリオは序盤からめちゃくちゃスマート。
誘拐が人違いだったことを何度も転換させてうまく使う。賢い……
「天国と地獄」みたいなやり取りもありつつ、とにかくアクティブ。ターミネーターばりに追う・追われる側の攻防が続く。
常に主人公にとって不利なことしか起こらないのがウケる。いやすごい。
ナメてたマイホームパパが殺人マシーンでした…とは行かない元刑事のトラックドライバー。誰もアテにせずひたすら自力で泥くさく走ったり殴ったりして娘を追う。
背後には不景気、リストラ、格差の拡大、移民差別などが垣間見えて現代から見てもちょっと他人事とは思えない。
いくら元刑事とはいえ、娘を守るためにここまでしなきゃいけないなんてパパは大変すぎるな。
あと同僚イカレすぎでしょ。街中でショットガンぶっ放すんじゃない。
あとは犯人の造形がやっぱり素晴らしいです。絶妙に信じていいかわからないラインを保っており油断ならない。
完全にキマってるとはいえ、あいつもニューヨークの犠牲者の1人。犬は無事でした。
時間が経って、だんだん主人公にとってこのニューヨークの街(世界)そのものが敵として立ち上がってくる話なんだな、と思えてきた。
それで彼は誰のことも信じないのか。そういう場所だってことを身に染みて知ってるから。
だからこそ終盤で出てきたあのプエルトリコ系の人の存在に救いがあって、やたらほっこりさせられるんでしょうね。
