ジャグラー ニューヨーク25時のレビュー・感想・評価
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単純化に逃げることをしないウェルメイドの鑑。
身代金誘拐の取り違えというと『天国と地獄』のバリエーションだが、
序盤で誘拐が起こってからとにかくノンストップの101分。
主人公がとにかく目の前のことに食らいついていく怒涛の冒頭30分で、
非常に身体的な映画表現に惹きつけられる。
さらに犯人の人物像と境遇が立ち上がってくる当たりから、
恐れることなく複雑さに分け入っていき、
80年代のNYの荒れた世相が大きな裏テーマとして見えてくる。
世の中から踏みつけにされていると感じている犯人の言うことが陰謀論めいていることも、
まるで現代のことを指摘されているようでヒヤリ。
ウェルメイドのお手本のようなジャンル映画かと。
走れ無法者
「幻の名作」を期待して鑑賞するとB級映画っぽさにまずびっくりだけど、思わず見入ってしまう展開に二度びっくりの一作
錚々たる映画ファン、映画評論家が名作と絶賛する本作。さぞかし高尚な映画なんだろうなー、と期待すると、約40年前の映画であることを差し引いても漂ってくる映像や音響の粗っぽさに驚くはず。
そして誘拐された娘をひたすら追いかける父親(ジェームズ・ブローリン)の姿を追った物語の筋は単純明快。かつカーチェイスはあるわ市街地での銃撃戦はあるわ、という盛り上げ方に、「え、これいわゆるB級映画なんじゃあ…」と戸惑うかも。
確かに本作の造りはB級映画そのものなんだけど、やはり粗製乱造された低予算映画、という評価では収まらないような魅力があります。
最も特筆すべきは、本作が描き出す、荒々しさと生命力が交錯するニューヨークの景観、そしてそこに生きる人々そのものです。できるかぎりニューヨークの生活感を写し取ることを目指したロバート・バトラー監督は、この街を単なる物語の背景としてだけでなく、そこに存在する貧困や犯罪、開発や民族対立といった問題を実に巧妙な形で物語に織り込んでいます。それが当時の観客にニューヨークの現実と魅力を強烈に印象付け、そして現在の観客に対しても現実感を伴ったタイムスリップ感を与えることにつながっています。
そして映像だけで何が起きているのか理解できる、明快な筋立て。これによって、本作の疾走感を、むしろ物語自体が推進しているかのような感覚をもたらしています。
もし「幻の名作」という先入観なく観たとしても、「映像は古いけど、いやー、面白い映画観たわー!」という感想を抱くことは、ほぼ間違いない、と実感させるものがあります。
パンフレットは、1980年の公開当時の映画評論家・蓮實重彦氏の評論を再掲しており、この文章自体が、本作の疾走感、高揚感を存分に伝えている名文です。この評論で『ジャグラー』の魅力に目覚めたファンも多いとのこと。蓮實氏以外の評論も素晴らしい上、本作で取り上げた場所の解説も含んでおり、資料としても大変貴重です。もし劇場でパンフレットを見かけたら、躊躇なく購入することを強く推奨!
よい警官、わるい警官
高評価の理由がよくわからなかった。
娘が最初の時点で犯人と一緒に走らず、その場に座り込んで、「この人、誘拐犯です!」と叫んでおけば、こんな大事にはならなかったのに、と思った。
小児愛好家は怖い。
この映画のスラム(?)の様子を見て、「移民は怖い」と思う人がでなければよいのだが。
思い出補正だけではないと思いますが…
公開当時ドンピシャの映画少年でしたが、限られた小遣いしかなく、少年には地味な内容に見えたので未見の作品。テレビでも見なかったなぁ?かなりの高評価レビューも目立つし、タランティーノもエドガー・ライトにおすすめしたとの情報もありで期待しましたがダメでした。つっこみどころ満載の脚本と演出、誘拐される娘の年齢がいっていて(15歳でおまけにかわいくない)同情しにくい。もっさりしていてメリハリのないカーアクションとか言い出したらキリがない。この年代にも今の鑑賞にも耐えられる名作はたくさんあるので「旧作だから」は通用しないです。やはりB級でした。おすすめしていた知人も「思い出補正が強すぎたわ」と感想をもらしていました。
走る走る!
面白かった!目の前で娘を誘拐されて必死に追うパパ、恨みを持ち追ってくる元同僚の警察官、が登場シーンから目をひん剥いてて笑えるし、街中でショットガンを撃ちまくるところもとんでもなさ過ぎて笑えるし、けど道行く人たちの反応はリアルだったりして、さらに途中わらわら追っかけてくる若者たちもわちゃわちゃと、なんだかずっと走っている。
最初に乗ったタクシーの運転手が早口でずっと喋っていたり、ガスが落としたペンダントを渡してくれる娼婦の人とか、誘拐される娘がぽっちゃりしてることを気にしており、そんなこと気にするな、君はそのままで素敵だ、とかなんとか言う誘拐犯、そうかなぁ、みたいな表情の娘、協力してくれる動物登録所の女の子が可愛い、そのあと乗ったタクシーの女性運転手のちょっとした台詞も良い、細部が面白くてシーンごとに観返したい、特に映画の冒頭ガスがファミレスで食事を、しないシーンが凄く良くて何度も観たいので、是非配信で観れるようになって欲しい。
70年代終わりのニューヨークがザラザラしたタッチで描かれており、街とそこに住む人たちも主役のようだった。
シネマート新宿にて。なりきり上映(チェックシャツ・オーバーオール歓迎)、ホットドッグプレゼント、上映後ギンティー小林さんのトークショー付き、と、コアなファンがいることもなるほど納得の面白さだった。
娘が途中ガスにキスされたあとの「なんで?」というセリフも良かった。
B級テイストだが人間模様濃いめ
それ食わんのかい😂
から始まり、今の時代ではあり得ない(昔でもあり得ないか😅)元相棒の警察官のハチャメチャっぷり🤣
急に登場した女の子が見ず知らずの男に対してまるで昔から友達だったかのように溶け込んじゃって、エンドロールでは親子3人仲睦まじく…じゃねえっつうの(~_~;)
エンドロールが、チャランチャラン、チャランチャラン、チャランチャランチャ、チャーン…から生麦、生米、生卵、生卵、生米、生卵〜って口ずさむ自分がいて(笑)
ツッコミどころがてんこ盛りでしたが、朝9時半と早かったのに、全く眠くなる事もなかったので、つまりはよかったと言うことです☺️
右横のオッサンだけが、クスッとなるところや、そこは笑うところかよ、って言いたくなるところをいちいち大笑いしていたのだけは、メチャクチャウザくて、それさえなければ最高でしたが、やはり笑いのポイントは同じ人がいいですな😌
これでもかの要素てんこ盛り。
誘拐された娘を取り戻す為に70年代のNEW YORKを暴走する元警官の父親の戦いを描いたシンプルな映画なのだけれど、主人公を邪魔する要素や逆に助ける要素が唐突にバンバン現れて、もうお腹一杯、胸焼け寸前、大満足?な映画だったな。
誘拐した娘に母親を重ねて恋する犯人やら、主人公を逆恨みする元相棒やら唐突に出て来て主人公と良い感じになる動物登録局の女性やら、何やらかんやらその他色々な人やシチュエーションが脈絡もなくてんこ盛り、うーん最高でした。伏線回収なんてくそ食らえだぜ!
あの頃の危険でエネルギッシュで猥雑なNEW YORKを、むちゃくちゃな脚本に脚を引っ張られながら主人公が暴走します、これも傑作ですわ。
追いつきそうで追いつかつ、すんでの所で取り逃す
猪突猛進な主人公が魅力的でした。
生々しいというか荒々しいチェイスとガンアクションも見もの。
また、初見なんだがどこか懐かしさを感じる作品で、
ある種の当時の映画のノリかも?だけど、主人公の目的にぽっと出してくる見ず知らずの協力者たち…
タクシーの運転手を筆頭に、スラムの黒人女性、動物施設のマリア、ストリッパーもいい味でてました。
そういった人種の坩堝の協力者を見ているうちに、なぜだかクロコダイル・ダンディーのラストを思い出しました。
犯人は色々こじらせてる感じは良いんだけど、ダーティーハリーのスコーピオみたくイッちゃってる狂気感がもう少し欲しいところでした。
が、当時のニューヨークのありのままを活写した100分を充分堪能できました。
追って、追われて、苦労が絶えない、、、
無類の面白さ&父と娘の固い信頼関係に感動
70年代NYの景観が楽しめます
子供でさえダイエットで食事制限したり、多くの市民ランナーが街中を走っていたりと当時のアメリカの国民病だった肥満問題からくる健康ブームを垣間見る事ができる。
一方、道路、建物、地下鉄などNYの景観の汚なさや治安の悪さなど街自体がかかっている病も同時に見る事ができ、当時の独特の映画音楽(ディスコ?)と合わせ資料映像的役割もあってちょっぴり興味深い。
女性ランナーがまあまあの露出であちこちを走っていたり、ノーブラでサウスブロンクスを歩いていたら、そりゃ「通りでレイプされる街なのよ!」って元嫁が嘆くのもわかる。
延々と走るシーンはダーティーハリー、セルピコ、マラソンマンなどでも見られるが当時の流行りだったのだろうか。
追いかけながら、「そいつ誘拐犯だから捕まえてくれ!」と大声で叫べばもう少し展開が変わったのかも知れないけど。
とにかくそれほどメジャーな監督作品でもないのに、日中の街中で車両をぶっ壊しまくり、ショットガンをぶっ放すなど好き放題を許可する当時のNY市の寛容さには驚かされた。
主役のジェームズ・ブローリンは息子のジョシュとは似ても似つかないほどイケメン長身でカッコ良いが、走る姿は少し不恰好。
犯人はマザコン、ロリコン、ぽっちゃり好きの思い込みが激しい中二病タイプで、さらにここでまさかのストックホルム症候群?と一瞬心が躍ったが、ダーティハリーのスコルピオのような面倒臭い凶悪犯という感じではなく、ただのタチの悪いこじらせ男だったのは、この映画が今一つブレイクし切れなかった要因の一つなのかも知れないと思った。
セルピコの娯楽アクション版!?もんげーおもしれー
犯人が地下ルートを駆使しながら、ジョギングしてる人や通勤者が多い朝のさなか、誘拐を実行。金持ちの娘狙いがなぜか主人公のぽっちゃり娘に急遽変更。おいおいどうなってる?犯人は己のキャラが維持できひんのか、性格けったいすぎ。とか思っていたが、結局のところ人は周到な犯罪計画の実行中でも、とつぜんマジで恋におちることがあるってことですかね〜。
主人公は盗難車を追跡し何度も肉迫するがかわされる。ケガして病院送りになり聴取も始まり元刑事であることが明かされる。
その後、なんとか捜索を再開しながらも昔告発した元相棒にショットガン?で狙われたり、移民街へ着けば、秒でギャングチームに熱烈密着マークされたり。そんななか街の喧噪はいっときも止まず、あらゆる人や物が同時に動き交わり乱舞するさまが活写されていく。
まさに抜群な湯加減、塩加減、さじ加減。
最大のさじ(を投げてる度合い!?)は、冒頭で担当事件が多すぎると愚痴を言ってた警部補が、主人公に拳銃を託してたことですねw
あれどういう拳銃というか、銃弾なんでしょうねw
走らなあかん、夜明けまで
ホットドッグ食べたい。
フードを使った対比の見せ方うまかったな。
101分しかないのに非常につかれた…
追跡が始まるやいなや観客は1分と休ませてもらえないタイムに突入。終わる頃にはすっかりクタクタに。
背景は今よりもずっと危険だったニューヨーク。とにかく汚くて何が起こっても不思議じゃないヤバさが画面から伝わってくる。
チェイスの過程で、街に暮らす人々がちょこちょこと顔を覗かせるのもあって、街自体がひとつの登場人物っぽい。
なんといっても撮影がかっこいい。音楽の使い方もいい。
シンプルなストーリーだが、シナリオは序盤からめちゃくちゃスマート。
誘拐が人違いだったことを何度も転換させてうまく使う。賢い……
「天国と地獄」みたいなシチュエーションもありつつ、とにかくアクティブ。ターミネーターばりに息をもつかせぬ追う・追われるの攻防が続く。
常に主人公にとって不利なことしか起こらないのウケる。いやすごい。
ナメてたマイホームパパが殺人マシーンでした……とはけして行かない元刑事のトラックドライバー。誰もアテにせずひたすら自力で泥くさく走ったり殴ったりして娘を追う。
背後には不景気、リストラ、格差の拡大、移民差別などが垣間見えて現代から見てもちょっと他人事とは思えない。
いくら元刑事とはいえ、娘を守るためにここまでしなきゃいけないなんてパパ大変すぎるな。
あと元同僚イカレすぎでしょ。街中でショットガンぶっ放すんじゃない。
あとは犯人の造形がやっぱり素晴らしいです。登場から退場まで絶妙に信じていいかわからないラインを保っており油断ならない。
完全にキマってるとはいえ、あいつもニューヨークの犠牲者の1人。犬は無事でした。
時間が経って、だんだん主人公にとってこのニューヨークの街(世界)そのものが敵として立ち上がってくる話なんだな、と思えてきた。
だから彼は誰のことも信じないのか。そういう場所だってことを身に染みて知ってる立場から。
だからこそ終盤で出てきたあのプエルトリコ系の人の存在には救いがあって、やたらほっこりさせられるんでしょうね。
タイトルなし(ネタバレ)
今回が3度目の鑑賞です。
初公開時に1年遅れの名画座で『サブウェイ・パニック』との2本立て、その後、テレビの吹替版での鑑賞、です。
ニューヨーク。
食堂で朝食を頼んだひとりの男(クリフ・ゴーマン)。
ダブルの目玉焼きとソーセージを、ケチャップで子どもの顔に変化させて、食べることなく出て行った。
一方、トラック運転手のジョン・ボイド(ジェイムス・ブローリン)は夜勤を終えたところ。
娘キャシー(アビー・ブルーストーン)への誕生日プレゼントを渡して、通学途中まで送っていった。
別れた途端、先ほどの食堂の男がキャシーを拐って、車に押し込んだ。
ボイドは、ふたりを追う、追う、追う・・・
といったところからはじまる物語。
疾走する序盤のチェイス・アクション。
のち、一転して、犯人と娘を捜すサスペンス。
犯人は、キャシーを金持ち不動産王の娘と勘違いして、誘拐したことがわかってくる。
屈強な元警官のボイドが犯人を追うという設定が必要なために、『天国と地獄』の焼き直しのような設定が採用されたことがわかる。
まぁ、そのほかに「底辺vs.底辺」の構図も前面に出てくるのだけれど。
中盤以降、アクションが停滞しないように、ボイドを逆恨みするトンチキ刑事(ダン・ヘダヤ)を登場させ、主人公を追いかけるアクションを織り交ぜる。
計算された飽きさせない作り、といえる。
ニューヨークのロケが魅力的。
ただし、終盤、犯人のマザコン&ロリコン味が出てくるのは、あまりいただけない。
フィルム味を残した4Kデジタル化、素晴らしい。
娘にとって父親はとても大切
トネリ警部補はクレメンザ(「ゴッド・ファーザー」)!とても嬉しかった。彼の歌、パスタ料理を思い出し信頼して見てました。
「ワン・バトル・アフター・アナザー」と同様に、娘が誘拐されて父親が追いかける話、ただこの映画では疾走具合が半端ない❗️スピード感がとってもよかった。今作のパパは元警官だから頼もしかった。誘拐犯を追いかけるのが最優先最重要なのに、警察や元・同僚警官、不良子どもやチンピラにも追跡される。その間になぜ警官をクビになったのか、元・同僚とどんなことがあったのか、なぜ妻と別居し、妻はなぜニューヨークに住んでいないのかなどの事情を明らかにする構成はうまいなあと思った。トネリ警部補も娘の結婚式がどうたらこうたらで忙しそうだった。その合間にパパは「ポルノ街」という凄い所を経由し、公共交通機関やタクシーで移動する感じがなんだかよかった。最後の女性タクシー運転手、頼もしくてよかった。犬界隈にたどり着き機転が効いて頭のいいマリアに出会った。
70年代のニューヨークは混沌として汚くて治安が悪くて人種差別と住み分けが極端。でも今まで普通に住んでいた家を追い出され、土地が投機の対象になり富める者はますます金を儲け、いったん落ちたらどこまでも落ちる社会は今も同じじゃないか、と思った。
とても考えさせられる映画。
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