ジャイアンツのレビュー・感想・評価
全25件中、21~25件目を表示
私自身に焦りがあるのか余裕がなくて3時間20分という長さのこの映画...
私自身に焦りがあるのか余裕がなくて3時間20分という長さのこの映画よりは2時間位のを観たほうが良いのかと思ってしまう反面、観ておきたい気もあって、迷っているなら観るかと思い、ようやく1時間ほど経過しただろうか。映画の出来事は30年に及ぶという、さすがに長いだけある大規模な話だし、テキサスという舞台も大きい。そして、牧場から油田へと大金が絡んでいく。私にはロック・ハドソンのイメージと言うと、エイズ罹患の公言になってしまうのだが、でかい俳優だったのだな。エリザベス・テーラーがとても撮影当時23歳とは思えない風格を見せたりする。ジェームス・ディーンがかっこいいが、ずっと昔テレビコマーシャルで出ていた格好がこれだったかと数十年経過しているか、思ったりする。これを書いている時点で放映が61年前の映画なのだろうし、映画の舞台はもっと前なのだろうか、ロック・ハドソンの役は、当時は普通だったのだろうが、出身国や男女の差別観がある人物だが、エリザベス・テーラーの役の人物レズリーは、それらの差別観を持たない。だが、ハドソンの役の人物も悪い人物ではない。夫婦には男女の双子が生まれた。テキサス人の誇りとメキシコ人への差別観は、使用人だった身分のディーンの役の男でさえ持っていた。この男も根の悪い男ではなかった。ぶっきらぼうでなのである。短い場面だが、原油が噴出して全身かぶるシーンはなんとなくすごかった。その後で、俺はあんたらより金持ちになったぞと原油まみれでやってきて、テーラーに言い寄り、ハドソンに殴られ、殴り返したディーンの一連の流れはなんだかすごかった。そして1分間の休憩タイムが入るが1分ではトイレから帰ってこられないだろう。そしてかなり年月が経過した話になり、泣き虫の子供たちは20歳前後に見えるが、そうした事になった。太平洋戦争の頃なのか。しかし、主役3人の30年後まで演じる年齢幅の見せ方の広さもすごいものがあると思った。双子の息子は医師になると言い、娘は牧場で働く男と付き合うが、やがて小さな牧場を一緒に経営するから大牧場は継がないという。大牧場は時代遅れだとハドソン役の父に言う。子供たちにがっかりしているところに大金持ちになったディーン役の男がやってきて、牧場と石油の二重写しの映像が流れる。牧場を継がず医師になるという息子の嫁は白人ではなく、親と違ってまるで人種差別など考えないのだった。本当に当時23歳かと思わせるテーラーの白髪メイク。赤ん坊の時にテーラーが医師を呼んで救った差別集落の出身だった男の子は戦争で死んでしまった。(実際にその役者は強盗か何かに殺されてしまった人らしい。)その頃にはなぜかハドソンも差別的な感覚も無い感じで青年の死を葬儀で悲しんだ。日本人との戦争かも知れないから複雑なシーンだ。ディーンのジェットもハドソンのビッグも、石油成金の大富豪になっていた。だがいくら大富豪になっても、レズリーに憧れていたジェットは、レズリーの娘のほうを口説こうとしても娘は従わなかったようだ。娘が上手だったか。白人でない嫁が美容室に行くと、
何かと差別されて髪をセットさせてくれない店に飛び込んだビッグの息子が怒って店のガラスに花瓶か何かをぶつけるシーン。人種差別のシーンが散見される。ジェットが支持して美容院に差別させたと、息子がジェットに殴りかかろうとしたら取り押さえられ、逆にジェットが息子を殴り、怒ったビッグが外に出て殴り合いをしようとするが、アル中のようになっているジェットを殴る資格もないと切り捨てた後で、ワインのいくつもの棚をドミノ倒しのようにぶっ壊すシーン。主賓席に戻ったジェットは、スピーチになったが、酔いつぶれてしまい、机に突っ伏す。パーティーは終わったが、
嵐で外の村は大きな被害。それを心配する息子と、息子に語る父親。その頃の父親ビッグは、差別意識を息子の嫁に持たなかった。だが息子はパパも偏見を持っているじゃないかという。ジェットを支持していた娘も含めて、親子4人で揉め合う。娘は牧場の男からジェットに乗り換えたのか、よくわからない。大富豪になっても、酔いつぶれて不安と不満を抱いてしまっていたジェットの気持ちはなんだったんだろうか。結局、既に人妻だったレズリーへの届かない思いからだったのか。そんな誰もいない会場での独白を扉の陰から聴くレズリーの娘。ディーンの熱演が終えても、まだ続ける、人種差別の場面。次はレストランで。白人でないという理由だけで店から追い出されてしまっていたという人種差別。大変な偏見だったのか。それに怒って、店主に手を出して喧嘩になるビッグ。これはオヤジのかっこいいシーンだ。このシーンには涙が出て来る。背景に流れる音楽がなぜかマーチなのだ。ビッグの見せたのが本当のアメリカンスピリッツではなかったか。しかしビッグはノックダウンされてしまった。だが後でそれを誇りに思い、優しく介抱するレズリー。ゆったりとした夫婦愛だ。小さな牧場をやりたい男女は、また娘とは別の人たちみたいだった。ちょっと人物の区別がわからなかった。初めてみる人、特に外国人だと誰が誰だかわからなくなることもある。
大富豪なのに私は負けたというビッグに対して、レズリーは何より立派だったのは店で倒れていたあなたよ。最高のヒーローだったと言う。
長い作品でストーリーはちょっと中弛みだがジェームズ・ディーンが出て...
長い作品でストーリーはちょっと中弛みだがジェームズ・ディーンが出てくると思わず画面に釘付けになる。
屈折した表情がなんとも言えず痛ましいが見事な演技でジェームズ・ディーンがただの青春スターでない事がよくわかる。遺作になってしまったことが心から哀しい。
午後ローで見た
どんな映画かも分からず大した期待もせずに見たら、テキサスの大牧場一家の一代記で、人間のエゴや業をえぐるような大作で面白かった。もっと面倒くさいお高い映画かと思っていたら全然違っていた。
ジェームズディーンがどんな振る舞いも仕草もいちいち様になっていてかっこよかった。無理しておじさんを演じているのも面白かった。
ただ、黒人差別をよくないというようなリベラルなメッセージ性のある映画なのだが、デニスホッパーの黒人の嫁が黒塗りした白人だった。当時は黒人女性をヒロイン的な役で映画に出してはならないという決まりがあったのだろうか。そうだとしたらさぞ悔しかったであろう。
物語以上にジェームズ・ディーン
総合:70点
ストーリー: 70
キャスト: 80
演出: 70
ビジュアル: 70
音楽: 70
同じアメリカとはいえ、気候も文化も全く異なる東部エスタブリッシュメントと西部の大農場。今ほど均質化が進んでいない時代において、バージニアからテキサスへ行くのは、まるで外国に行くようなものだろう。その大農場の生活の変遷が豪華俳優陣の競演で描かれる。物語はそこそこでまあこんなものかなという感じなのだが、同じ脚本家の作品でアラスカを舞台に変遷を描いた「北海の果て」のほうが映画としては良かった。
この映画の見所は出演者だろう。正統派ロック・ハドソン、エリザベス・テーラー、その後の悪役ぶりとは随分異なるデニス・ホッパーという有名どころが出演。自分で自分の人生についての決断をし、慣れない環境に順応しようと努め、新しい時代を切り開くエリザベス・テーラーは良い。
そして何といってもジェームズ・ディーン。こっそりと横恋慕しているエリザベス・テーラーを横にして、はにかみながら話をしている場面などがなんとも様になる。主役でもないのだが、彼がいるだけで存在感を見せてこれほどに画面が輝く。たいしたことをしないときでも絵になる役者というのはなかなかいない。これを遺作として若くして死んだのが惜しまれる。
反面、歳をとってからの彼は役は、大金持ちにはなったけれど孤独の影を背負って弱さを曝け出して、それほど魅力的でもない。もしかすると本物の彼も、若くして死んだからこそ伝説になったのかもしれないとも思う。
全25件中、21~25件目を表示