劇場公開日 2021年1月29日

「物語以上にジェームズ・ディーン」ジャイアンツ Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5物語以上にジェームズ・ディーン

2013年3月7日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

興奮

総合:70点
ストーリー: 70
キャスト: 80
演出: 70
ビジュアル: 70
音楽: 70

 同じアメリカとはいえ、気候も文化も全く異なる東部エスタブリッシュメントと西部の大農場。今ほど均質化が進んでいない時代において、バージニアからテキサスへ行くのは、まるで外国に行くようなものだろう。その大農場の生活の変遷が豪華俳優陣の競演で描かれる。物語はそこそこでまあこんなものかなという感じなのだが、同じ脚本家の作品でアラスカを舞台に変遷を描いた「北海の果て」のほうが映画としては良かった。

 この映画の見所は出演者だろう。正統派ロック・ハドソン、エリザベス・テーラー、その後の悪役ぶりとは随分異なるデニス・ホッパーという有名どころが出演。自分で自分の人生についての決断をし、慣れない環境に順応しようと努め、新しい時代を切り開くエリザベス・テーラーは良い。
 そして何といってもジェームズ・ディーン。こっそりと横恋慕しているエリザベス・テーラーを横にして、はにかみながら話をしている場面などがなんとも様になる。主役でもないのだが、彼がいるだけで存在感を見せてこれほどに画面が輝く。たいしたことをしないときでも絵になる役者というのはなかなかいない。これを遺作として若くして死んだのが惜しまれる。
 反面、歳をとってからの彼は役は、大金持ちにはなったけれど孤独の影を背負って弱さを曝け出して、それほど魅力的でもない。もしかすると本物の彼も、若くして死んだからこそ伝説になったのかもしれないとも思う。

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Cape God