三人の名付け親のレビュー・感想・評価
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【”贖罪と魂の浄化の旅”今作は、銀行強盗を犯した三人の男が逃亡中に砂漠で、死の間際の母親から乳飲み子を託され、名を付けて命懸けで子を救う姿を描いた作品である。ラストの判事の粋な裁きも良き作品である。】
ー 名匠、ジョン・フォード監督の作品は数作観て来たが、当たり前だが、どれも面白い。今の所「わが谷は緑なりき」が一番のお気に入りであるが、マダマダ素敵な作品が埋もれているのだろうなあ。
今作は、テイストとしてはキリスト教色が強いが、特に気にはならない。
それよりも、人間の善なる心を見事に描いた作品だと思う。ー
■銀行強盗に失敗して、砂漠に逃げ込んだボブ(ジョン・ウェイン)、ピート(ペドロ・アルメンダリス)、キッド(ハリー・ケリー・Jr)は追われる中、水袋を撃ち抜かれ、水がない中、砂嵐の一晩をやり過ごす。
その後3人は、大破した駅馬車で死にそうな母親を発見する。
そして、末期の母親から男の赤ん坊を託され、夫々の名前を付けた無茶苦茶長い名前”ロバート・ウイリアム・ペドロ・ハウアー”と名付け、赤子と共に過酷な砂漠での逃亡を続けるのであった。
◆感想
・3人が水を求めて砂漠を流離う中、出会った赤子。彼らは、まるで贖罪するかのように善性を出し、サボテンから水を絞り出し赤子に与えるのである。自分達は、一滴も水を飲まずに・・。
・追うスイート保安官たちの姿は余り描かれず、焦点は只管に3人を映し出す。だが、渇水と疲労の中キッドが斃れ、続いて足を怪我したピートが足手まといにならない様に、拳銃で自死する。
・そして、独りでフラフラと赤子を抱え歩くボブに、キッドとピートの幽霊が”パブに着けば、冷たいビールがあるぞ!”などとを励ましの言葉を掛けるシーンは沁みる。
二人は、命を失っても自らの名前の一部を名付けた赤子を助けるために、幽霊になっても赤子を助けるのである。
このシーンは、沁みたなあ。
<そして、漸くボブはパブに着く。そこに追いついたスイート保安官たちの前で、ボブは昏倒する。
だが、居合わせた判事は、3人が赤子を助けた事を鑑み、ボブに対して寛大な刑を言い渡すのである。
そして、ボブたちと面識が有ったスイート保安官とその妻は、獄中のボブを食事の際には牢から出して、共に食事を摂るのである。
今作は、銀行強盗を犯した三人の男が逃亡中に砂漠で、死の間際の母親から乳飲み子を託され、名を付けて命懸けで子を救う姿を描いた作品である。ラストの判事の粋な裁きも良き”人間の善性”を描いた作品なのである。>
いい映画は何度でも
10年ぶりくらいに見た。
というのを途中から思い出した。
銀行強盗と赤ちゃん。
この組み合わせもユニークだし、「聖書」がキーワードになってるのも。
アメリカらしいかな。
でそこに追いかける保安官との関係ややりとり。
見ている方に「ああ、あそこのあれね」と想像させるところも。
面白い。
西部劇の装いでジョン・ウエイン主演の清教徒的使命達成劇
ジョン・フォード 監督による1949年製作(107分)のアメリカ映画。
原題:3 Godfathers、配給:メトロ日本支社、劇場公開日:1953年5月20日
ジョン・ウエインら銀行強盗3人組が、逃亡途中に瀕死の女性の出産に立ち会い生まれたばかりの赤子を、亡くなってしまった母親に託されるという異色の西部劇。名付け親となった荒くれ男達が、赤ちゃんの世話に右往左往する様が何とも微笑ましい。
砂漠の中を逃げる3人を追いかけて、チェスゲーム様に追い詰めていく保安官ウォード・ボンドとジョン・ウエインとの頭脳戦も、楽しめた。チェスをあいつとしたいと言っていたボンドが、捕まって牢獄内のウエインと実際にチェスを楽しんでいたのがご愛嬌。
水が殆ど無い砂漠の中、1人(ハリー・ケリー・Jr.Kid)は深い傷も負い、馬にも逃げられた3人が、サボテンから採取した水分で何とか生きながらえ、聖書の言葉を頼りに赤子のために必死に歩いて行くのが何とも清教徒的。ハリーとメキシコ人ペドロ・アルメンダリスは結局、力尽きて死んでしまうが、ジョン・ウエインは赤子と共に、亡くなった2人の励ます幻聴の中、何とか街に辿り着き、使命を果たす。
贖罪的な行為が理解され、裁判は最短の一年となり、その間赤ん坊を育ててくれる段取りも整う。西部劇ながら、宗教的な救いのある物語で、ジョン・フォード監督作らしいハートフルな映画であった。
監督ジョン・フォード、脚色ローレンス・ストーリングス、 フランク・S・ニュージェント
原作ピーター・B・カイン、製作ジョン・フォード 、メリアン・C・クーパー、撮影ウィントン・C・ホック チャールズ・P・ボイル、美術モーガン・ぺデルフォード ジェームズ・バセヴィ、音楽リチャード・ヘイグマン、 フランク・モラン Joseph I. Kane、編集ジャック・マレイ。
出演
ジョン・ウェインBob、ペドロ・アルメンダリスPete(メキシコ俳優)、ハリー・ケリー・Jr.Kid、ウォード・ボンドSweet(保安官)、ベン・ジョンソンDeputy、メエ・マーシュMrs. Sweet、ジェーン・ダーウェルFlorie、ドロシー・フォードRuby_Latham、ミルドレッド・ナトウィックMother、ガイ・キビーJudge、チャールズ・ハルトンLatham。
赤ちゃん大人気❗️
西部劇となると敬遠しがちだが、
赤ちゃんを抱いて砂漠を行く三人の男、
と、なれば観ようか。
強盗に入るくらいの悪人である筈なのに、
赤ちゃん、という生き物に対して
おどおどもし、可愛いプレゼントのような
気持ちも持ち、息を引き取る母親から
預かった。
アメリカ、行ったことないが、
今ならこんな砂漠ならば、車🚙でしか行かないだろう。
徒歩で行く三人。暑さもハンパない。
一人、一人、力尽きて行く。
しかし、仲間は倒れていくが、
赤ちゃんを生き延びさせなければならない。
自分たちは、空腹で倒れそうになりながらも、ミルクの時間を何回も確認し合う声かけにほのぼのし、
赤ちゃんをどうにかして守ろうとする気迫を感じた。
仲間二人が倒れるが、身体に何かかけてやれなかったのか、とか、町に着いてから、戻ってあげなかったのか、と思った。
赤ちゃんは大人気、で、この子を救ったおかげで罪も軽くなりそう。
被告で判決を待つ身で、保安官の家で和やかに食事するシーン、初めて観た。
裁判も居酒屋で。
赤ちゃんの養育権を巡っての保安官夫婦との話も双方、赤ちゃんを思う気持ちが溢れていて、またほのぼの。
悔い改めることなく。
1949年。ジョン・フォード監督。三人の流れ者が銀行強盗のためにやってきたアリゾナの小さな町。強盗前に出会った気のいい男が実は保安官で、強盗の後、その保安官に追われるはめに。追ってから逃れながら水を求めて乾燥地帯を右往左往する間に、枯れた井戸で立ち往生する妊婦に出合って出産に立ち会うことになり、、、という話。
冒頭からコミカルな名前のやりとりがあり、子供のゴッドネームにつながっていくだけでなく、悪い奴らではない彼らが新生児を救うために命を投げ出してしまうことにもつながっている。犯罪を悔い改めることもなく、苦渋の選択も湿った感傷もない。すべてが当然のように進む。やはりこれは、冒頭のからっと乾いたコミカルな名前のやりとりから続いているものだ。
最後の養育権をめぐるやりとりさえ、決してじめじめとした恨みや憎しみを招かない。信頼しながらの敵対。
最初と最後に出てくる銀行頭取の令嬢はWikiによれば身長190センチ近い大柄の女性。ジョン・ウェインと並んで遜色がない、それだけで選ばれたのかも。
素晴らしかった
砂漠を超えるのは相当な冒険で、しかも徒歩で赤ん坊を抱いてとなると命がけな危険な行為となる。追われる身でもある。3人の強盗は、ひどい犯罪者なのだけど後ろ暗さが全くなく明るく愉快で善良にすら見えるし、保安官と意気投合までする。
ジョン・ウェインが赤ん坊に対して親のような気持ちを抱いているのかどうか最後まで気になったのだけど、保安官と養育権争いをするほど執着を抱いていたのが分かり、とても暖かい気持ちになった。
これが熱砂
ジョン・ウェイン、かっこいいなぁ。荒野を駆ける馬と馬車、迫力だなぁ。3人が熱砂の吹き荒れる丘の上で立つ姿、しびれたなぁ。立ち去るジョン・ウェインの背中、泣けたなぁ。男を見送る女性の立ち姿、美しいなぁ。
見てて嬉しくなる要素がたくさんでした。
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