「アラン・ドロンの孤独な殺し屋」サムライ(1967) 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
アラン・ドロンの孤独な殺し屋
1967年(仏/伊)監督:ジャン=ピエール・メルヴィル
孤独な殺し屋のアラン・ドロン。
ソフト帽にベージュのトレンチコート。
着こなしが完璧な上にその姿・お顔の美しいこと。
アラン・ドロンを堪能する映画でした。
ジェフ・コステロ(アラン・ドロン)は金で人殺しを請け負う孤独な殺し屋。
題名は「サムライ」ですが、誤解が海外にはあるようです。
サムライ(武士)は組織(主君とか藩に属する職業で、大義のためには命を捨てて戦うけれど、
殺し屋ではない。特に孤独な訳でもない・・・)
ジェフはナイトクラブで《殺しの仕事》を果たして部屋を出る時、黒人のピアニストに
顔を目撃されてしまいます。
面通しでピアニスト(カティ・ロジェ)は嘘をつき、ジェフをかばう。
事前にコールガールのジャーヌ(ナタリー・ドロン)に、アリバイ工作を頼んでいたジェフ。
一旦釈放されたものの。
主任警部(フランソワ・ペリエ)は、犯人はジェフに違いないと確信して、
包囲網を引いて行く。
メトロの追っかけっこ=逃亡劇は、スリルがあります。
マンツーマンで警察官がマークする中、彼らを巻くジェフのカッコ良さ!!
ジェフが車を盗む手口。
鍵束がネックレスのようです。
一個一個試して即、エンジンが掛かりスタート!!
盗んだ車を仲間のアジトに持ち込んでプレートを変えて、ついでに銃を受け取る。
と、かなり周到な仕事ぶり。
孤独なサムライの心を慰めてくれるのは毛色の悪い、声も悪いカナリアだけ。
この映画、カラーなのにほとんど色味がないです。
肌の色と車のライトが目立つくらいで、ほぼ無彩色。
会話も少なく、心の繋がりを断つジェフだけがポッカリと浮かび上がります。
しかし殺し屋の嗅覚は鋭い。
部屋に押し入ってきた殺し屋。
ジェフの首に銃を押しつける。
ジェフの目つきが瞬時に殺気立ちます。
目の前に肉塊をぶら下げられたドーベルマンのように、素早く襲いかかるジェフ。
流石の凄腕だ!
この暴力=心底プロの殺し屋だと知ります。
ラストの展開は、覚悟を決めたのでしょうか?
孤独な男は最後まで、1人ぽっち・・・でした。
三船もブロンソンもくたびれてましたか😂まぁそれが味ということで!
3人の中ならアラン・ドロンは良くわかります。やっぱり人を惹き付ける魅力がありますよね。でも久しぶりにこの3人見るとそれぞれの出演作もやっぱり見たくなります!
ZORROって元が小説で何度か映画化されているみたいですね。アントニオ・バンデラスのやつは昔見た気がします。確かに黒の衣装と帽子の感じは凄く似てますね!
アラン・ドロンのドラマ、私もJ:COMなんでミステリ―チャンネル見られます。追悼放送してくれたらいいのですが…。
私は忙しない映画は苦手ですが、平和でない映画は好きです(語弊があるかもしれませんが!)けど平和な映画も好きです。好きですけど平和な映画って難しいでしょうね。物語の取っ掛かりや山場を作るの苦労しそうですもの…。
はい!「PERFECT DAYS」観てみます。実は注目はしていたのですがまだ観ていないのです。配信きているようなので観てみます。
あと、平和かは微妙ですけどアキ・カウリスマキの映画は温かい気持ちになれる映画多い気がしますね。それではまた。
こんばんは。こちらこそありがとうございます。
はい。ちょっとお久しぶりです。
お盆休みと休み明けのゴタゴタで少しサボってました💦(趣味にサボるもないかもしれませんが…)
「レッド・サン」は今ならユーネクストでご覧になれますよ!
私も今回 見返したのはユーネクストでです。
私は琥珀糖さんのおっしゃる刑事ドラマが見てみたいですね。ちょっと調べたら「アラン・ドロンの刑事フランク・リーヴァ」というのがありますがコレであってますかね?こちらの方が見られないかもしれませんね…。
こちらのレビューで琥珀糖さんも触れていますが服の着こなしが完璧ですよね。ファッションにうとい私でも完璧な着こなしだって確信しますもの。
まぁ別に若いという年代でもないんですけどね。昔から同世代の物より少し前の文化の方が興味があって好きだったんです。けど今思えばもっと同世代の文化にも興味持っておけばよかったなぁと思っています。
映画伝道師四天王はゴメンなさい。私が勝手に言っているだけです。
淀川さんは日曜洋画劇場であってますよ。確かに映画のオチまで言ってた気がするのですが、映画放送後の解説もあったのでそっちと混同してる気もします…。😅(記憶がもう曖昧です)
けどレンタルビデオのパッケージ裏に書いてある あらすじ も、70年代位までの作品ってオチまでバッチリ書いてあるやつ結構あった気がします。なので名作映画ってオチが分かってたところでそこへ至るまでのシーンや台詞に見所があるんだなって、ネタバレしたところで面白さを失わないんだなって学んだ気がします。(淀川さんのネタバレがそれに該当するかは別なのですが!!)
琥珀糖さん
コメントを頂き有難うございます。
アラン・ドロン=『 太陽がいっぱい 』とタイトルは浮かぶのですが、作品は観た事がありません。
お姿も名前も知っているのに、です。
すっかり大人世代なんですけどね。
ジャングルの中の虎に似てサムライの孤独ほど深く、厳しいものはない-武士道
これは武士道ではなく、ジャン・ピエール・メルビルが考えたものだと、本人がインタビューで語っています。
孤独が深く、厳しいものとしてのサムライだと言う事でしょう。