劇場公開日 1996年10月26日

「【”ファンは大事だろ?”今作は野球を異常に愛する男が父が起こした会社の営業マンを首になり、贔屓のスラッガーを異常なまでに”応援”するデ・ニーロスマイルが哀しくも恐ろしき作品である。】」ザ・ファン NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 【”ファンは大事だろ?”今作は野球を異常に愛する男が父が起こした会社の営業マンを首になり、贔屓のスラッガーを異常なまでに”応援”するデ・ニーロスマイルが哀しくも恐ろしき作品である。】

2025年8月6日
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■メジャーリーグのジャイアンツに4000万ドルで引き抜かれたスター選手・ボビー・レイバーン(ウェズリー・スナイプス)の大ファンであるギル・レナード(ロバート・デ・ニーロ)は、父が起こした会社”レナード&ギルティ”の営業成績が上がらない営業マン。
 商談の日にもかかわらず息子を連れて開幕戦へ行き、途中で抜けるも商談の時間に間に合わず首になる。
 その後、別れた妻からは愛する息子への接近禁止令を受け取る羽目になる。
 彼は全てを失い、ボビー・レイバーンがスランプになった際には、レーバーンのチームメイトながらライバルのフアン・プリモ(ベニチオ・デル・トロ)を、サウナルームで刺し殺し、ボビー・レイバーンは打順が上がり、スランプを脱する。その事でギル・レナードの妄執は加速し、レイバーンの息子ショーンを誘拐し”ホームランを打たないと、息子を殺す。”と連絡してくるのであった。

◆感想<Caution!内容に触れています。>

・観ていてロバート・デ・ニーロ演じるボビー・レイバーンの狂信的なファン、ギル・レナードは、実はどこにでもいる様な男ではないか、と思ってしまった。
 彼の自尊心は、父が起こした会社の営業マンを首になり、愛する息子とは会えず、ずたずたになって行くのである。
 これは、現在でも起こるストーカー心理に繋がる。

・その姿を、ロバート・デ・ニーロ独特のデ・ニーロスマイル(あらゆる感情が読み取れる、ロバート・デ・ニーロしかできない笑顔)が、様々なシーンで炸裂するのである。

・ギル・レナードはボビー・レイバーンを狂的に応援するあまり、ライバルのフアン・プリモを刺し殺し、更にはボビー・レイバーンの息子ショーンを誘拐し、”ホームランを打て。でないと息子を殺す。”と指示するのである。

■雨中の、レイバーンの打席のシーンはナカナカである。敬遠されそうになるも、激しい雨のために中断。そして試合再開後にレイバーンはホームラン性の打球を放つが、ギリギリスタンドには入らない。
 だが、レイバーンは息子のために三塁コーチの指示に従わず、ホームにヘッドスライディングをし、セーフに見えたが、アンパイアはまさかの”アウト”コール。
 アンパイアは、雨中中断の際に、ギル・レナードが成り代わっていたのである。
 そして、マウンドに立ったギル・レナードは、”レナード&ギルティ”の投げナイフを振りかざすのだが、射殺される。

<そして、警察はレイバーンの息子ショーンをギル・レナードがリトル・リーグ時代にヒーローだった球場のボロイ部屋で見つけるのである。
 その部屋に飾られていた、ギル・レナードのリトル・リーグ時代に獲得した多くのトロフィー、黄ばんだ彼がホームランを打った時の新聞・・。
 今作は野球を異常に愛する男が父が起こした会社の営業マンを首になり、贔屓のスラッガーを異常なまでに”応援”するデ・ニーロスマイルが哀しくも恐ろしき作品なのである。>

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