ザッツ・エンタテインメントのレビュー・感想・評価

　"ザッツ・エンタテインメント" シリーズ第１作。

　DVDで鑑賞（吹替）。

　ＭＧＭ製作のミュージカル映画を観たことが無かったので、本作は最良の入門編となったし、ハリウッド華やかなりし頃の映画の魅力を教えてくれるのに充分なものでした。

　ＭＧＭのミュージカル映画の歴史を、名場面を挟みながら往年のスターたちが解説してくれると云う贅沢な構成でした。スター同士の友情とミュージカルへの愛の深さを感じました。
　しかし、彼らが語るその背景には荒れ果てた野外セットなどが映し出され、栄光遥か彼方な感傷に浸ってしまいました。
　本作が製作された頃のＭＧＭにはそれまでのような勢いは無く、栄枯盛衰の感があってなんだか物悲しくなりました。
　それを眺めるスターたちの胸中や如何ばかりか…

　フレッド・アステアやジーン・ケリーなど、名だたる俳優陣が繰り広げるパフォーマンスのすごさに目を見張りました。特にアステアのタップダンスは右に出る者がいないのではないかと思えるほどの素晴らしさでした。これを今まで観たことがなかったなんて、大分人生損してるなと思いました。
　俳優陣のパフォーマンスを際立たせる豪華絢爛なセットと演出も、何かと言えばＣＧを多用する今となっては、本物だからこその迫力とスケールに圧倒される想いでした。
　当時の観客が映画に何を求めていて、映画が果たしていた役割とはなんだったのかを知ることが出来た気がしました。

※修正（2022/09/17）