さすらいの航海のレビュー・感想・評価
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0140 結末どうなったんやったか?
1977年公開
ユダヤ人を交えた辛気臭ーい話。
日本はドイツと同盟組みながらもユダヤ人をかくまったのに
欧米はドイツにビビって引き取らず。
ま、こんなところにも欧米の自分勝手が鼻につく。
ちょい登場のキャサリンロスはゴールデングローブ賞
助演女優賞を獲りました! パチパチパチ
リンフレドリックめっちゃ可愛い!
なのにピーターセラーズのものに。プンプン
フェイダナウエイはすっかりオバはんに。
60点
初鑑賞 1977年9月3日 阪急プラザ劇場
パンフ購入
人としての良心に光明
最初から分かっていたのでしょうね。ドイツ側としては。セントルイス号が(目的地のキューバだけでなく)各国で入港を拒否されるであろうことは。
本作の冒頭でも、セントルイス号の航海が、人道的なものであることを仮装していること、この航海が宣伝相の発案であることが語られています。
結局は「ユダヤ民族を受け入れる国は、世界のどこにもない。」というプロパガンダの一環だったと言うことでしょう。
人間は、やはり陸(おか)で生活する生き物であってみれば、海の上の船内での「漂流生活」が、いかに不自由で不安なものであるかは、推察するに余りがあります。
ちょうど、シュレーダー船長の机の上で飼われていた籠の小鳥のように。
それだからこそ一層、彼の英断は光るものと思われました。評論子には。
(シュレーダー船長の計画にしろ、万が一、億が一にも故意が疑われれば、帰国後の彼自身が国家反逆罪に問われかねない「危ない橋」であったことは明らかです。)
言い換えれば、ナチスというウイルスに冒されてしまった「国としてのドイツ」ではなく、ドイツ人であるシュレーダー船長という「人としてのドイツ」の良心に一縷の光明を見つけることができたのは、評論子だけではなかったことと思います。
そのことが、忌まわしいセントルイス号のこの航海について、一縷の光明だったのではないかと思いました。評論子は。
もちろん、佳作であったとことに、多言は要しないと思います。
海上難民
冒頭ではナチスがキューバに渡ったアメリカの秘密書類を入手するためのカムフラージュだと説明していた。諜報員やSSなど数名が船員として乗り込んでいたのだ。
約1000人のユダヤ人を乗せた豪華客船。もう故郷ドイツには帰れないのではないかと寂しく思う者がほとんどだったが、ハバナで上陸拒否の噂を聞いている者もいた。ベルリン大学教授エーゴン(ウェルナー)とデニス(ダナウェイ)がメインで、元弁護士の夫と妻(リー・グラント)と娘アンナ(リン・フレデリック)の家族など、それぞれにドラマが生まれる。乗船のときから際立っていた美少女リン・フレデリックにちょと萌え。しかし、船員の一人マックス(マルコム・マクダウェル)と恋仲に・・・そんな彼女の父親も自殺未遂。ハンブルクへ戻るという情報を得るや、アンナとマックスは服毒自殺・・・裸で抱き合って・・・
人名、職業以外はすべて実話。シュローダー船長(シドー)の姿は勇ましく、信念に基づいたところに惚れぼれ。200人の連帯署名で海に飛び込むと言われはしたけど、最終的にはオランダが難民受け入れ。最後の紹介では937人中600人以上が収容所で死亡となっていた。
私達の優柔不断、ヒューマニズムの大切さの覚悟の無さが、21世紀のさすらいの航海をうみだすのだ
第二次世界大戦の前夜、強大な経済力と軍事力を作り上げたナチスドイツにどこの国も表立って楯突こうとはしない
ユダヤ人達の運命がどうなろうと知った事ではない
気の毒とは思うが、ナチスドイツと事を構えたくはない
ユダヤ人達の為に戦争になってしまう危険は犯せない
キューバも、アメリカも、ベルギーも、イギリスもどの国も自国の方が大切なのだ
結局、さすらいの航海は解決する
しかしラストシーンのテロップで語られる結末はどうだ
結局、戦争は起こってしまうのだ
それを避ける為にさすらいの航海を引き起こし、一応解決させたものの、実のところ振り出しに戻り、なにも解決してなかったのだ
80年も昔の、日本とは遠い国の、ユダヤ人達の可哀想な物語?
そうだろうか?
チベットやウイグルの人々、香港の人々のことを私たち日本人も世界の人々も傍観している現状は本作と何も変わらない
さすらいの航海は今この瞬間
21世紀のそれも日本に近いところで現在進行形なのだ
中国の経済力、軍事力と事を構えることを恐れて逃げ回っているのだ
国内には、セントルイス号の乗組員になっているナチス情報部員のような人間もいて、中国への抗議をさせないようにしているメディアだってある
21世紀のナチスたる中国との対決が戦争にいたることを恐れるあまり、世界はヒューマニズムを忘れているのではないか?
それは中国の全体主義=21世紀のナチスにつけ込まれていることを見ないふりをしていることと同じだ
自己欺瞞なのだ
本作はそれを教えてくれる
この悲劇を私たちは繰り返そうとしているのだ
日本人もそれに手を貸しているのだ
コロナウイルス禍の中でも、さすらいの航海は実際にあった
2月ダイヤモンドプリンセス号という豪華客船が、各国の入港を断られた末に横浜に入港した
まるで本作のハバナ港での騒動のように、下船させるさせないで大揉めに揉めた末、検査と治療を進めて、最終的には日本は全員下船させたのだ
厄介払いせず責任をもって対応したのだ
かなりもたつきはしたが、ヒューマニズムを日本人は全うしたのだ
誇って良いと思う
コロナウイルスには立ち向かったのに、中国の軍事力には恐れて、日本は何も出来ないのだろうか
私達は他人事として傍観するのか
そもそもコロナウイルスだって、中国は隠していたのだ
私達の優柔不断、ヒューマニズムの大切さの覚悟の無さが、21世紀のさすらいの航海をうみだすのだ
第二次世界大戦悲話
ユダヤ人受難の秘話ではあるが、国家間の思惑で翻弄される一般人の話でもある。演出にもう少し旨みがあれば佳作になったのに惜しい。でも、キャサリン・ロスの健気さに泣かされるのとフェイの凛とした存在感とで点は甘くしてあります。マックス・フォン・シドーは流石。
恐ろしくて震えました
ノンフィクション。
わずか70数年前にこのような絶望的な航海があったとは・・・
ドイツの港に戻れば死が待っている。
徹底的にユダヤ人に恐怖を味わわせようというのです。そののち収容所でガス室に送ろうというのです。
600万人が殺されたあのユダヤ人ホロコースト。
船の乗客の大多数が、結局再び捕らえられてしまって、命を奪われた・・・
美談のハッピーエンドじゃなかった。
エンドロールで愕然となりました。
俳優たちの迫真の演技は
“自分たちの国もあの船の漂流に加担した“ことの自責の故と感じました。
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