「"人間"を鏡にして映し出されるアメリカという国」ゴッドファーザー keitaさんの映画レビュー(感想・評価)
"人間"を鏡にして映し出されるアメリカという国
観たのはこれで何度目だろうか。
1度目より2度目、2度目より3度目、と観るたびに面白味が増していき、その間により多くの映画を観ていればいるほどこの作品の神がかり的な演出に驚かされる。
脚本、脚色、カメラワーク、音楽、そして演者。
総合値でこの作品を勝るものは存在しないだろう。
コッポラは自身のルーツである移民という存在に軸を置く。
そして、登場するのも移民ばかりだ。
しかし、物語はマフィアとして巨万の富を築き上げた男とその家族の成功と衰退を暴力性と人間臭さを背景に描き出した典型的なアメリカンドリームの物語である。
持つ者と持たざる者、信頼と裏切り、愛と憎しみ、許しと復讐、
人間味に溢れたアメリカの一時代を圧倒的なスケールで描き出したアメリカ人によるアメリカ人の物語である。
傑作としか言い様が無い。
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