「ファミリーの再構築」ゴッドファーザー jeromisunさんの映画レビュー(感想・評価)
ファミリーの再構築
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新し目の作品ばかり見るため、この夏は名作と呼ばれる映画を見ようと決めて、最初に浮かんできたのがゴッド・ファーザーだった。
とはいえ作品名しか知らず、初見のため名前と顔の一致には苦労したが、
それだけファミリーの顔ぶれが豊かであったということなのであろう。
ビトー(マーロン・ブランド)から息子のマイケル(アル・パチーノ)にマフィアのボス家業を引き継いでいくのが大筋だが、物語の前半と後半で二人のボスとしての方向性の違いが色濃く現れていた。前半はビトー全盛期で、血縁関係者以外でもつながりの深い相手の頼みを聞いてやる慈悲深い人物として描かれている(しかし、貫禄たっぷりで目元に濃い影ができた描写からは恐ろしさも感じた)。後半のマイケルがボスになってからは、血を見る機会が多く政治的にではなく暴力による統制を行う人物として描かれていた。
ビトーを殺害されかけたことを発端とするボスの引き継ぎのため、血の気立つのは仕方ないと思うが、対照的なボスとしての描かれた二人。
ここからマイケルのボス稼業を描いた続編が続くということなので、続きが楽しみだ。
個人的に、孫と戯れている最中に、花畑で倒れて亡くなったビトーは、ファミリーを大切にしてきた故人らしい最期で、ホッとした。
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