氷の微笑のレビュー・感想・評価
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童心にかえる映画
面白かった
劇場公開時に見て以来で、どんな話だったのかすっかり忘れていて刑事もので、しっかりしたミステリーだった。登場人物がつながりすぎな感じはした。
シャロン・ストーンの書く小説はつまらなそうだった。
マイケル・ダグラスがみのもんたみたいに黒光りしていてかっこよかった。
煮ても焼いても喰えない氷料理
ベッド上のヒッチコック
ベッドにてアイスピックでメッタ刺しにされた資産家の惨殺事件を機に次々と不可解な殺人事件が起きるエロチックサスペンスの金字塔。
被害者のセックスフレンドの心理学者兼ミステリー作家のシャロン・ストーンと、疑いの目を向けながらも彼女の大胆な誘惑に徐々に引きずり込まれていく刑事マイケル・ダグラスの男と女の濃厚な攻防が最大の醍醐味。
『めまい』や『裏窓』ヒッチコックを手本にしたと云われているだけに、シャロン・ストーンはキム・ノヴァクやグレース・ケリーを彷彿とさせる危険な色気とクールな求心力で男共の本能を釘付けにしていく。
ノーブラ・ノーパン主義の彼女が取調室で笑いながら堂々と足を組み替え、刑事達をフリーズさせる場面は妖艶なる世界観の真骨頂と云える。
白のボディコンミニスカートって服装が当時のファッションを反映していて興味深い。
シャロンが誇る裸体を武器にベッドを震わせる罪深い濡れ場が強烈だが、アイスピックや酒etc.小道具を効果的に利用し、謎を膨らませ、牽引する演出も上手い。
後味の悪さが、逆に魅力的な余韻として残り、ブライアン・デ・パルマの『殺しのドレス』と並び、官能サスペンスの傑作として名高い作品である。
では最後に短歌を一首
『冷たさを 貫くベッド 血のなぞり 衝動を待つ アイスピックかな』
by全竜
カマキリと猿
こどもの頃、メスカマキリは交尾を終えるとオスを食べてしまうという事を知ってショックを受けた記憶がありますが、本作はそれを人間に置きかえて作ったようなものではないでしょうか。
どこかフロイト的で、さすがはベストセラー「利己的な遺伝子」を生みだした国で作られた作品です。それを言っちゃおしまいよ的な人間がとことん描かれています。まったく救いがありません。
「人間=性欲」という公式は、今ではすっかり古典扱いされています。そう考えたところで、世の中はどこにもいかないと20世紀の思想家たちが気づいたからです。もっと実用的なことを考えましょう、ということになったのです。
オランダ人監督ポール・バーホーベンは、それを意識していたのか、本作が現代の物語であるのに、レトロさを作品全体に出しています。特に光の使い方がうまく、カラーでありながらモノクロ作品を観ている時に覚える恍惚感が本作にはあります。
食傷気味になる作品ではありますが、五感に訴えかけるようなつくりで結果、おもしろかったと思わされる作品でした。それでも、しばらくはアメリカで作られた作品は観たくないかな、とも思いました。
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