氷の微笑のレビュー・感想・評価
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【御大、ポール・ヴァーホーヴェン監督の作品制作に及ぼす性的嗜好を知らずに鑑賞してしまい、悪徳の虜になってしまった作品・・。男性映画監督の制作意欲と、性欲の連動性を感じてしまう作品でもある。】
- 鑑賞当時、ラストシーンまでミスリードされながら観てしまい、ベッドの下のアイスピックを観て”え、結局誰が真犯人なの?”という想いに駆られてしまった作品。
(で、お金がないのに、パンフ購入・・。)-
・ポール・ヴァーホーヴェン監督の基本的な考え:
”私はバイオレンスとセックスは人間の基本的な欲望と考えている。”
を知らずに鑑賞し、冒頭の過激なシーンに(未だ、若かった・・・。)ビックリしてしまった。
(今では、普通に観れるが・・・。悪徳に染まってしまったなあ・・。)
・当時から数度鑑賞しているが、観ている側をミスリードさせる脚本の秀逸さと、ニック・カラン(マイケル・ダグラス)がキャサリン(シャロン・ストーン)に絶妙に絡めとられていく様は、怖ろしいが飽きない。
・そして、誰もが嵌ったシャロン・ストーンの妖艶な姿。
彼の有名な椅子に座って足を組んで妖艶に微笑む姿は、私の中ではエマニュエル夫人の半裸で足を組んでいる余りに有名なシーンと完全に被っている・・。
(ちなみに、キャサリンにニックと同じく絡めとられたロキシーを演じたレイラーニ・サレルも美しかったなあ。)
<今作が、色々な解釈が出来る作品であるのは万民が知る所であろうが、
天性のサイコキラーは教養と高い社会的地位にある人物であることが多い・・、
という点はきっちりと踏襲し、エロスとバイオレンスも前面に出しながら、”人間の本性とは何か”という領域にまで踏み込んでいくポール・ヴァーホーヴェン監督(81歳で現役。最早、御大と言っても過言ではないであろう・・。)の手腕が炸裂した作品である。>
<1992年7月劇場にて鑑賞>
<その後、数度DVDにて鑑賞>
公開当時はシャロンストーンの開脚シーンをはじめエロティックな部分ば...
いまだに真犯人がわからない!2019年現在
サンフランシスコ市警はファック相手だったキャサリン(ストーン)を容疑者とするが、ニック・カラン刑事(ダグラス)は次第に彼女にのめりこんでいく。著書の内容がそっくりだったことの可能性は著者自身が犯人か、彼女に罪を被せるために他者が犯した殺人か・・・
有名な脚の組換えシーンで尋問するのはジョン・クレリ検事補(ウェイン・ナイト)。この見えそうなヘアに毒されてしまったのか、彼は翌年の『ジュラシックパーク』で悪事に走ってしまう。禁煙しているニックにしきりにタバコを勧めるというちょっとした伏線もいい。
しかし、一度観てしまうとマイケル・ダグラスのはめられてからの心理描写がやっぱりお粗末。ラジー賞ノミネートも伊達じゃないですね。キレ気味のところは納得できるのですが・・・
A detective is falling love in wrong woman. 予想外!
「昔の映画だし、多分あまり面白くないだんだろうけど、有名な作品だしdTVで配信終わっちゃう前に観とくか」ぐらいの軽い気持ちで観初めたのですが、意外や意外。面白いじゃないですか!
最初はシャロン・ストーンってどの人だっけ?ぐらいの認識だったのですが、メッチャ妖艶ですね!ありゃ騙されるわ。本作で恐いと思うのはキャサリンの目的がよくわからない事だと思うんですよ。お金の為でもない、恨みでもない、言うなれば本を書くための「殺人を目的とした殺人」。タチ悪いったらありゃしない!
監督のポール・バンホーベンって奇才ですよね。何かとインパクトある映画を作っている印象があります。撮影監督が「スピード」のヤン・デ・ボンだったとは!尋問のシーンの緊迫感とか見事だったですね。
有名な作品なのでこういう言い方も何ですが、個人的には掘り出し物の一作でした。不意にこういう作品が観れるのってVODの利点ですね!いい時代になったもんだ。
童心にかえる映画
面白かった
劇場公開時に見て以来で、どんな話だったのかすっかり忘れていて刑事もので、しっかりしたミステリーだった。登場人物がつながりすぎな感じはした。
シャロン・ストーンの書く小説はつまらなそうだった。
マイケル・ダグラスがみのもんたみたいに黒光りしていてかっこよかった。
煮ても焼いても喰えない氷料理
ベッド上のヒッチコック
ベッドにてアイスピックでメッタ刺しにされた資産家の惨殺事件を機に次々と不可解な殺人事件が起きるエロチックサスペンスの金字塔。
被害者のセックスフレンドの心理学者兼ミステリー作家のシャロン・ストーンと、疑いの目を向けながらも彼女の大胆な誘惑に徐々に引きずり込まれていく刑事マイケル・ダグラスの男と女の濃厚な攻防が最大の醍醐味。
『めまい』や『裏窓』ヒッチコックを手本にしたと云われているだけに、シャロン・ストーンはキム・ノヴァクやグレース・ケリーを彷彿とさせる危険な色気とクールな求心力で男共の本能を釘付けにしていく。
ノーブラ・ノーパン主義の彼女が取調室で笑いながら堂々と足を組み替え、刑事達をフリーズさせる場面は妖艶なる世界観の真骨頂と云える。
白のボディコンミニスカートって服装が当時のファッションを反映していて興味深い。
シャロンが誇る裸体を武器にベッドを震わせる罪深い濡れ場が強烈だが、アイスピックや酒etc.小道具を効果的に利用し、謎を膨らませ、牽引する演出も上手い。
後味の悪さが、逆に魅力的な余韻として残り、ブライアン・デ・パルマの『殺しのドレス』と並び、官能サスペンスの傑作として名高い作品である。
では最後に短歌を一首
『冷たさを 貫くベッド 血のなぞり 衝動を待つ アイスピックかな』
by全竜
カマキリと猿
こどもの頃、メスカマキリは交尾を終えるとオスを食べてしまうという事を知ってショックを受けた記憶がありますが、本作はそれを人間に置きかえて作ったようなものではないでしょうか。
どこかフロイト的で、さすがはベストセラー「利己的な遺伝子」を生みだした国で作られた作品です。それを言っちゃおしまいよ的な人間がとことん描かれています。まったく救いがありません。
「人間=性欲」という公式は、今ではすっかり古典扱いされています。そう考えたところで、世の中はどこにもいかないと20世紀の思想家たちが気づいたからです。もっと実用的なことを考えましょう、ということになったのです。
オランダ人監督ポール・バーホーベンは、それを意識していたのか、本作が現代の物語であるのに、レトロさを作品全体に出しています。特に光の使い方がうまく、カラーでありながらモノクロ作品を観ている時に覚える恍惚感が本作にはあります。
食傷気味になる作品ではありますが、五感に訴えかけるようなつくりで結果、おもしろかったと思わされる作品でした。それでも、しばらくはアメリカで作られた作品は観たくないかな、とも思いました。
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