「魔性の女と堕ちていく男・・・」氷の微笑 ratienさんの映画レビュー(感想・評価)
魔性の女と堕ちていく男・・・
ポール・バーホーベン監督大好きです。
エログロ容赦ないストレートな映像。必ずと言っていいほど作品中に出てくる女性の裸に、オヤジのスケベ心は、刺激されっぱなしって感じ。このセクハラ、パワハラを彷彿させるところは、園子温監督に相通じるモノがあるかな。
そんなポール・バーホーベン監督の本領発揮で、超満足させてくれるのが本作です。
殺人事件の捜査を行う、問題ありの刑事。容疑者は、見るからに魅力的で怪しげな雰囲気を醸し出す魔性の女だった。
【ネタバレ】
シャロン・ストーンを一躍スターダムにのし上げた本作品。公開当時から、その見事な肢体(足の組み替えシーン)に話題沸騰、視線は釘付けでした。
もう30年以上前の作品なんですね。今、見ても全然見劣りしない、何度も楽しめる映画です。
ところで、何度見てもわからないのが真犯人は誰か?
公開当時に話題になったことなんですが、自分には未だに確信が持てません。確かにラストカットはベッド下のアイスピックで、如何にもシャロン・ストーンが真犯人だと匂わせているんですが、本編の出来事で精神科の先生が犯人ってことで十分納得出来ちゃうんです。どうなんだろう?
もう、こんだけの時間が経っているんだから、誰か確かな真相を教えてください!
そうですね、闇の中…というか、〝真犯人が別にいるのか?〟的なラストシーンを入れて刺激を強めただけで、真犯人なんかいないんですよ、きっと。
私の見立てですけど…。
あ、くれぐれも「氷の微笑2」を観ようなどと思われないように。決してお勧めしません。
十何年かあとにあ「氷の微笑2」という続編が公開されています。
マイケル・ダグラスが出演を断ったので、舞台をロンドンに移してシャロン・ストーン演じる作家キャサリンのその後を描いています。
そこでも殺人事件が起きるのですが、アメリカでかけられた容疑(つまり「氷の微笑」の事件)の真犯人だったことを匂わせてます。が、こっちの事件は謎のまま終わる…といういい加減な映画です。監督も脚本家も違うし、あれを正しい続編だと誤解してはいけませんね。製作費の半分はシャロン・ストーンのギャラだったという話です。
…で、本作の真犯人ですが、それは監督も脚本家も知らないでしょうね。目眩ましが目的の映画ですから。