「スタイリッシュな映像で綴るすれ違い」恋する惑星 しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
スタイリッシュな映像で綴るすれ違い
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Ultra HD Blu-ray(4Kレストア版)で鑑賞(字幕)。
映像がとてもオシャレで、素敵な映画だなと感じた。登場人物の心の揺れを捉えるかのような撮影速度の変化だったり、手ブレを厭わぬ手持ちカメラでの撮影だったりは、即興故のライブ感みたいなものがあって世界観への没入を促してくれた。
前半と後半でふたつのエピソードが語られるが、それぞれ異なるすれ違いを描いており感情を揺さぶることこの上無し。
後半のエピソードの方がすれ違いに関してはかなりはっきりしている。フェイの想いはなかなか663号には届かない。
どちらも男は未練タラタラで、いつまでも昔の恋を引きずっている。でもその気持ちは痛いほどよく分かるから切ない。
一方女は、常に前を向いている気がした。とても逞しくて強い。さっぱりしていて、めちゃくちゃ清々しいと思った。
登場人物の存在感が匂い立つようで、世界のどこかに居そうと思わせるリアルさが物語の牽引力となっていると感じる。
フェイ・ウォンにやられた。奔放で繊細な役柄を活き活きと演じ、魅せられた。彼女を知れただけでも充分満足である。
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