劇場公開日 2022年8月19日

恋する惑星のレビュー・感想・評価

全90件中、1~20件目を表示

4.5映画的オマージュに溢れた恋愛映画

2022年8月17日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

ウォン・カーウァイ監督と撮影監督クリストファー・ドイルの名コンビが生み出した映像は、それまでの香港映画だけでなくアジア映画のイメージも一新した。そのスタイリッシュな映像と世界観は、いつ何度見ても新たな発見と感動があり、映画作りの楽しさまで伝わってくるその文法はその後の映画に多大な影響を与えている。

カーウァイ監督はモノローグと即興的な演出を多用し、俳優たちが持っている魅力を生かして、ドイルのヴィヴィッドな色彩とカメラワークによる映像、ウィリアム・チャンの美術、さらにポップな音楽や異国の曲と掛け合わせて物語を描くスタイルで、その語り口はとても新鮮であった。そして新鮮であると同時に、カーウァイ作品は映画的なオマージュに満ち溢れているところも映画ファンの心をくすぐった。

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和田隆

4.5記憶と時限

2024年4月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

楽しい

ウォン・カーウァイ監督作品。

映画館でみましたが、人が多くてびっくり。愛されている作品だとよく分かる。

ウォン・カーウァイ作品群に共通する重要概念は、「時限」と「記憶」であると思っている。人々は香港を舞台に出会い、恋に落ちる。恋愛は鮮やかに。しかし高まる愛には、既に終わりの影が落ちており、彼らは永遠の別れを余儀なくされる。期限付きの人間関係。それが一つの特徴である。
だが彼らは、記憶し続ける。かつてあったことを、抱いた感情を。それがあまりにも儚く虚しいからこそ、私たち鑑賞者の胸に響くのである。
このことは香港の政治情勢と共振している。香港は一国二制度によって、高度な自治が認められ、「自由」が許されている。しかしそれはイギリスから香港が返還されてからの50年である2046年までの期限付きの「自由」なのである。

ウォン・カーウァイ作品群は、独特なカメラワークとスタイリッシュさで若者の不安定だけど美しい恋愛、人間関係を描いているとされている。それはもちろん正しい。だがより魅力的なのは、若者の実存に焦点を当てるだけでなく、香港の不安定な未来と重ね合わせながら、期限付きの儚さと美しさや現在ーそれは90年代から00年代ーの香港とそこで生きる人々を記録し、記憶しようとしている点なのではないだろうか。

本作に戻ろう。本作は二部構成である。

一部。
金髪の彼女と警官。彼らは出会い、打ち解け、別れる。それぞれの悲しい記憶を抱えながら。警官は、自分の誕生日である5月1日が賞味期限のパイン缶を開封しながら食べ続ける。期限がきれても、元恋人との復縁もなければ、未練も消え失せない。ただただ元恋人への思いが開封され続けるだけなのである。
彼らの邂逅は一夜で終わり、金髪の彼女の復讐は果たされる。ボスの死体と共に、金髪のかつらが地面に落ちている。金髪の彼女は彼らの記憶の中に、そして彼らは二度と会えないのである。

二部。
店員フェイと警官。彼らもまた出会い、打ち解け、別れる。警官もまた5月1日が賞味期限のパイン缶を開封しながら食べ続ける。それは同じく元恋人への思いの開封なのである。それは部屋にも言えることである。彼女と過ごした記憶を失わないように、部屋は片づけず、物に語りながら記憶し続けているのである。だからこそフェイが警官の部屋に侵入し、模様替えをするのは、重要な出来事である。記憶の刷新。彼を未来へと向かわせるのである。警官はフェイをデートに誘うのだが、フェイは来ない。フェイは元恋人と同様にCAになり、カリフォルニアに行ってしまうのである。二人は別れる。しかし一年という時限が過ぎた後に、二人は再会するのである。変わり果てたお店の前で。ここでも香港の変わりゆく風情と重ね合わせながら、二人の恋愛模様が描かれているのである。

一部と二部どちらも素晴らしい物語である。そして改めて「時限」と「記憶」は、映画と私たち鑑賞者の関係にも言えることだと気づく。

上映時間という有限な時間の中で、彼らの物語をカメラで記録し、私たち鑑賞者が記憶すること。それがまさに映画の営為のような気がするのである。

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abokado0329

3.5作品の奔放さは合わなかったがエネルギーは凄い

2024年3月27日
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鑑賞方法:映画館

世界はこれを恋と呼ぶんだぜ。『スパゲティコード・ラブ』をTIFFで観た時、この作品の名前を出している人がいて、それからずっと気になっていた。なかなか独特だけど、映画館を出た後、妙にカッコつけたくなる自分が余韻に浸っていることを感じさせる。

序盤からセンセーショナル。香港の細い路地をカメラが駆け巡っていく。人と食品の匂いが充満した世界に差し込むレーザーは、2人の出会いを劇的に色付けていく。これだけで行くのかと思ったら、若干オムニバス感覚で進んで行くので、少し掴みにくかった。ストーカーのような恋にドン引きしたり、やたら店にみんな出向いたり。自由さを肯定できないものの、恋することの高揚を存分に引き出していることは分かる。つまり、心が躍ることの表現としては凄く長けている。そこが評価せれているんだろうけど、決して上手い作品とは思えないなぁ…。

帰りにコーラを買った。コートが揺れて、新宿の夜景は華やかに私を彩る。自分を主人公にさせてくれる魔法がそこにはあった。

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たいよーさん。

4.0不思議ちゃん

2024年1月13日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

幸せ

萌える

子供時代に流行したフェイウォンの曲はこの映画の主題歌だったのか!と今更感動。世代ではないけど90年代のオリーブ少女ってこんな感じに憧れたのかな?と思わせる主人公はオシャレで不思議な女の子。
アメリのイタズラとも違うけど、無邪気な恋と香港の鮮やかな世界観が良い雰囲気。

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つむり

4.0美男美女

2023年12月2日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

トニー・レオンもだけど金城武めちゃくちゃイケメン!タイプ!!
全体的に男性が必死でダサく描かれてて良いね👍香港映画もっと見てみたいな〜〜

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女子高生

5.0重慶森林‼️

2023年11月4日
スマートフォンから投稿

笑える

楽しい

興奮

「雑踏ですれ違う見知らぬ人の中に、将来の恋人がいるかもしれない。57時間後、彼は彼女に恋をする」‼️クールなモノローグとともに、幻想的な音楽と流れるような映像に乗って展開するのは、金髪サングラスのドラッグディーラーの女と失恋した刑事の恋‼️感情を排したハードボイルドな女と恋に焦がれる青年‼️ただ一晩出会っただけの関係‼️彼は「美しい人はきれいなものを身に付けていなくちゃいけない」と彼女の汚れた靴を拭いて、去っていく‼️カッコいいです、金城武‼️彼女も裏切り者のクラブ経営者を撃ち殺し、金髪のウィッグを捨てて去っていく‼️カッコいいです、ブリジット・リン‼️「その時二人の距離は0.1ミリ。6時間後、彼女は別の男に恋をした」‼️再び金城武のモノローグから流れてくるのは、ママス&パパスの "夢のカリフォルニア" ‼️懐かしい〜‼️ハンバーガー・ショップで働く女の子と、毎晩夜食を買いに来る警官の恋‼️フェイ・ウォンに恋されながら全く気づかない色男トニー・レオン‼️さすが香港ナンバーワンの名優‼️映画はこの2本の恋物語で構成されています‼️エイプリル・フールにフラれた彼女との交際復活を賭けて、期限切れのパイナップルの缶詰を買い続ける金城武‼️頭オカシイけど愛おしい‼️片想いしているトニー・レオンの部屋に勝手に入り込んで遊ぶフェイ・ウォン‼️やってる事は犯罪だけど、めっちゃキュート‼️特にベリーショートで魅力爆発のフェイ・ウォンが自らが歌う主題歌「夢中人」に乗って、トニー・レオンの部屋の模様替えをするシーンはマジ映画史に残る‼️4人の俳優さん、それぞれの個性に合わせた衣装、パイナップルの缶詰や石鹸、ぬいぐるみといった小道具、前述の音楽、クリストファー・ドイルのカメラワーク、ホントに全てがポップで洒落てて抱きしめたくなるくらい大好きな映画‼️ラスト、運命の赤い糸に手繰り寄せられたトニーとフェイ・ウォンの素敵な会話、「どこに行きたい?」「君の行きたい所へ」‼️たまりません‼️

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活動写真愛好家

4.5女性陣の逞しさと、男性陣の繊細さが印象的

2023年7月20日
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笑える

怖い

萌える

静と動、闇と光の相対するものの描写が秀逸な映画です。

一部暴力的な描写がありますが、圧倒的に多いのは二組の男女による日常生活の描写です。
登場人物がとにかく魅力的なので、延々と見てられそうな気持ちになります。

映画のラスト、フェイ役のフェイ・ウォン(FF8のジュリアの歌声も彼女の仕事です)が歌う主題歌「夢中人」が映画の世界観にピッタリはまっています。
御本人の公式YouTubeチャンネルで公開しているPVは映画のシーンを使用しているので、ご興味のある方は是非。

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えん

4.529年前と変わらず!フルーツのように新鮮で水々しい!

2023年3月14日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

驚きました。
新鮮な果物や野菜のように採りたてのみずみずしさがそのままでした。
映画ってスゴイ!!
色褪せないんだ!!
1994年(香港)
監督:ウォン・カーヴォイ
撮影:クリストファー・ドイル。
挿入曲
『夢のカリフォルニア』ママス&パパス
『夢中人』フェイ・ウォン

もう懐かしくて・・・
そして当時と同じ感動を貰えました。
まさか2022年に4kレストア版で生まれ変わるとは。
金城武もトニー・レオンも、思い出の中の彼らは、
まるでタイムカプセルで30年間冷凍されてて、今生き返ったように、
まったく同じ姿で蘇りました。

「夢のカリフォルニア」
ママス&パパスのこの曲は、いつでもどこでも彼方の夢の土地。
憧れの地・・・そのもの。

金城武。
パイナップルを食べるシーン。
サラダ(と言ってもかなりのボリューム)
食べるシーン多かったですね。
金髪のアサシン役のブリジット・リン。
本当に美女なのかサングラスを外さないと不明です。
でも誕生日のメッセージ・・・粋でしたね。

そしてトニー・レオン。
なぜか彼は白いブリーフ姿が多いんですね。
白のタンクトップに白いブリーフ。
「ブエノスアイレス」「花様年華」「グランドマスター」
と、ウォン監督の良き相棒。
1990年〜2000年代は香港映画の時代でした。
勢いがあった。面白かった。
「インファナル・アフェア」は「ディパーテッド」にリメイクされています。
私の青春時代はトニー・レオンと共にあった。
それほど鮮烈です。

ボーイッシュな、
映画史上一番のボーイッシュはこの人フェイ・ウォン。
結局一年間かけて、トニー・レオンを完全に虜にする。
待つことと待たせること。
それが恋愛の上級者のテクニック!!
フェイを演じるフェイ・ウォンは、映画で流れる「夢中人」を
伸びやかな声で歌い魅了します。

恋する気持ち。
それをこれほど映像に刻んだ映画はそんなにはないでしょう。
クリストファー・ドイルのカメラも、
揺れる・・ボヤける・・滲む・・カメラが走ってる。
なんかメチャイケてましたね。

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琥珀糖

4.0名作はいつ観ても名作

2023年3月10日
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20年数年ぶりに映画館で観たが面白さは変わらない。
当時は気づかなかったが、大人の寓話を濃くした物語がウォン・カーウァイ作品なんだと思う。ただおしゃれな映画だと思って当時は観たが、恥ずかしげもなく大人でも寓話の恋愛ゴッコをしても良いのだなって思わせる。
当時、画期的だったクリストファードイルの撮影も今では見慣れたものになった。もはや撮影の創始となったのだと思う。

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るい

3.5部屋が狭い

2022年11月21日
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鑑賞方法:映画館

多分そこまで貧しいわけじゃないのに部屋が狭くてアジアを感じた。

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mikyo

1.0驚くほど感性が合わなかった

2022年11月9日
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群青

3.5ポップ 恋する香港 刑事と恋

2022年11月5日
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鑑賞方法:映画館、VOD

ウォン・カーウァイの作品としては、

『欲望の翼』
『花様年華』
『2046』

の順に、4番目に観たんだけど、明るく軽くポップで拍子抜け…

『花様年華』や『2046』みたいな、哀愁ただようハードボイルドな方が好みです。

『2046』のキレイ系フェイ・ウォンは好きだけど、この作品は不思議ちゃんで好みじゃない。

でも、映画館で女の子たちが「かわいい、かわいい」と、盛り上がってました(笑)

たぶん、1番大衆ウケするのは、この作品でしょうね。

1994年の作品みたいですが、なんか部屋とか汚ならしくて、観てて嫌悪感を感じたな…(笑)

音楽いいです♪

配信で観てから映画館でも観ました。

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RAIN DOG

2.0世界観を楽しむ

2022年10月30日
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鑑賞方法:映画館

4Kレストア版特集にて鑑賞。若者たちのすれ違う恋模様を描いた香港映画。スタリッシュな映像や音楽は観るものを魅了する。ただストーリーとしてはメリハリが無く面白みに欠ける印象で時間も長く感じた。カーウァイ監督の世界観を楽しむ作品でしょうか。
2022-198

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隣組

3.0邦題が素敵。

2022年10月17日
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鑑賞方法:映画館

WKW特集4K版にて鑑賞。ミニシアターブームの火付け役になったと言われているある意味伝説の1本。初鑑賞。

いやぁ~なんだか疲れました。前半は失恋後パイナップルを食べ続ける男、後半は気になる人物の家に不法侵入を繰り返す女の2本立てでどちらに繋がりがあるでもなく。2本観た気分です。

めちゃくちゃ不思議な世界観でもう何がなんだか。ラストシーンは何ですか。これは私の見ている夢だったんだろうか。でも幸せなら良かったです。

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はるたろう

4.0(原題) 重慶森林

2022年10月11日
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鑑賞方法:映画館

色使いやカメラワークが振り切っていて天才的!
どのシーンを切り取っても味のある画になる。
ウォンカーウァイの真骨頂を見た。
愛おしい香港、愛おしいトニー・レオンの笑顔、愛おしいフェイ・ウォンの上目遣い、寂しい横顔の金城武、恋するっていいですね。
日本とは違う文化が今も新鮮。
懐かしめに感じるちょっとキュートな世界観が心地良い作品。

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AYK68

4.0「花様年華」「2046」でやや盛り下がったウォン・カーウァイ熱であ...

2022年9月29日
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鑑賞方法:映画館

「花様年華」「2046」でやや盛り下がったウォン・カーウァイ熱であったが、この映画で気分爆上がり。
スタイリッシュで、ちょっと不思議な男女の出会い。
このころの香港に行ってみたかったな。
ただ、元アクアリストより一言。あんな事したら、淡水魚すぐ死ぬよ。

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hanataro2

3.0君の行きたいところへ・・・

2022年9月23日
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鑑賞方法:映画館
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いぱねま

4.0癖になるカメラワークとトニーレオンは最高

2022年9月22日
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鑑賞方法:映画館

元カノに未練たらたら、鈍感ロマンチストな男性陣と
殺人にストーカーと犯罪行為をする女性陣。
かなり強烈な人物たちだが観ていて、洗練されてキマっているなと感じてしまうのはウォンカーウァイの手腕。そして疾走感溢れるクリストファードイルのどこか幻想的なカメラワークによるものかな。

やっぱりトニーレオンはカッコよき。
あんな鈍感ロマンチストをダサくならず演じられるのはさすが。

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いたかわ

5.090年代の遺物がエモい

2022年9月19日
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鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

幸せ

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せつこん