「作品の奔放さは合わなかったがエネルギーは凄い」恋する惑星 たいよーさん。さんの映画レビュー(感想・評価)
作品の奔放さは合わなかったがエネルギーは凄い
世界はこれを恋と呼ぶんだぜ。『スパゲティコード・ラブ』をTIFFで観た時、この作品の名前を出している人がいて、それからずっと気になっていた。なかなか独特だけど、映画館を出た後、妙にカッコつけたくなる自分が余韻に浸っていることを感じさせる。
序盤からセンセーショナル。香港の細い路地をカメラが駆け巡っていく。人と食品の匂いが充満した世界に差し込むレーザーは、2人の出会いを劇的に色付けていく。これだけで行くのかと思ったら、若干オムニバス感覚で進んで行くので、少し掴みにくかった。ストーカーのような恋にドン引きしたり、やたら店にみんな出向いたり。自由さを肯定できないものの、恋することの高揚を存分に引き出していることは分かる。つまり、心が躍ることの表現としては凄く長けている。そこが評価せれているんだろうけど、決して上手い作品とは思えないなぁ…。
帰りにコーラを買った。コートが揺れて、新宿の夜景は華やかに私を彩る。自分を主人公にさせてくれる魔法がそこにはあった。
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