訣別の街

劇場公開日:

解説

カリスマ的なNY市長とその補佐官を軸に、腐敗した政界の人間模様をサスペンス・タッチで描いた骨太なエンターテインメント。83年から2年間、エド・コッチ元NY市長の下で助役を務め退官後は会社経営のかたわら、映画「ウォール街」の原作などを手掛けるケン・リッパーのオリジナル・シナリオを、「カッコーの巣の上で」「セント・オブ・ウーマン 夢の香り」のボー・ゴールドマン、「キャット・ピープル」のポール・シュレイダー、ニコラス・ピレッジがリライト。監督には「シー・オブ・ラブ」「冷たい月を抱く女」のハロルド・ベッカーがあたった。製作は「ウォール街」「ストリートファイター」のエドワード・R・プレスマンと、リッパー、ベッカー、チャールズ・マルヴェヒルの共同。撮影は「愛と哀しみの旅路」などアラン・パーカー作品で知られるマイケル・セラシン、音楽は「トゥルーナイト」のジェリー・ゴールドスミス、美術は「摩天楼を夢みて」のジェーン・マスキン、編集はロバート・C・ジョーンズとデイヴィッド・ブレザートン、衣裳はリチャード・ホーナングが担当。主演は「シー・オブ・ラブ」「ヒート」のアル・パチーノと「ケロッグ博士」のジョン・キューザック。共演は「ケロッグ博士」のブリジット・フォンダ、「レオン」のダニー・アイエロ、「エド・ウッド」のマーティン・ランドーほか。

1996年製作/112分/アメリカ
原題または英題:City Hall
配給:東宝東和
劇場公開日:1996年10月5日

ストーリー

ニューヨーク市、ブルックリン。保護観察中のマフィアの麻薬ディーラーと刑事の銃撃戦で、一発の流れ弾が罪のない黒人少年の命を奪った。市民から絶大な支持を受けるNY市長のジョン・パパス(アル・パチーノ)は、すぐに彼の右腕である若き市長補佐官ケヴィン・カルフーン(ジョン・キューザック)に、事件の処理を命じる。複雑な政治局面を乗り越え、今また次期大統領候補と目されるパパスにとって、彼のイメージを損なうような事態は避けなければならない。カルフーンがうまく情報を操作したしたことで、パパスの人気は以前にも増して上昇した。しかし、そのために、殉死した刑事がマフィアと結託していたという憶測記事が流れてしまう。そんなある日、カルフーンは訪ねてきた若い女性弁護士コーガン(ブリジット・フォンダ)から、死亡したマフィアの男の保護観察処分に不正の疑いがあると聞かされる。この事件にはまだ何か隠された秘密があると言う彼女に促されて、カルフーンは再調査を始めるが、パパスはこれ以上の調査は必要ないと言った。それを無視してカルフーンは、事件の鍵を握る老判事スターン(マーティン・ランドー)に会う。高潔で知られた判事は、生涯でたった一度の過ちを悔い、マフィアに買収されて例に男に執行猶予の判決を与えてしまったことを告白する。さらに、判事に賄賂を持ちかけたのは、パパスの進める都市開発を協力にサポートしている議員のアンセルモ(ダニー・アイエロ)だった。しかも、NYの政界にマフィアのボス、ポール・ザパティ(トニー・フランシオーサ)からの大量の裏金が流れているというのだ。調査を進めるうちに、カルフーンの貴重な情報源となった人物が次々と殺されていく。やがて、事件は明るみに出てスキャンダルに発展し、起訴されたアンセルモは自殺した。亡くなった少年の葬儀で、パパスが感動的なスピーチを述べた夜、カルフーンはある決意をもって彼を訪ねた。理想主義をまだ失わないカルフーンの糾弾に、パパスは日々の政務の中で妥協を重ねるうちに、かつて自分の内部にもあったその思いが次第に曇っていったことを告白。彼は時期選挙に出馬せず、辞職すると告げた。パパスの元を去ったカルフーンは市議会議員に立候補し、朝の街頭に立った。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.0「市長への忠誠心」と「正義感」の葛藤を

2024年11月21日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

ニューヨーク市長とその補佐官が、少年が巻き込まれた銃乱射事件の対応に苦慮する物語。

アル・パチーノとジョン・キューザックが共演し、ダニー・アイエロが脇を固めるポリティカル・サスペンス。
クレジットはアル・パチーノが先に出てきますが、実質の主役はキューザック。

政治への野望を強く持ちながらも、好奇心と正義感を抑えることが出来ない若手補佐官をキューザックが好演。
そして、彼の主であり、ホワイトハウスすら視野に入れるやり手ニューヨーク市長をアル・パチーノが熱演。
見ごたえある作品になっています。

物語としては、サスペンス部分に面白みが感じられないのが残念なところ。
また、主人公の若手補佐官の葛藤等の描写が不十分で、物語に深みが乏しいことも少し残念に感じました。

私的評価は普通にしました。

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よし

3.5昔から

2024年10月17日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

楽しい

ジョン・キューザックの出てる映画はだいたい面白い。

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ブロディー署長

2.0邦題の意味は?

2023年2月28日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

警官とマフィアとのこと銃撃戦で、巻き添えになって亡くなった少年まで、演説にしてしまうのは、いかにも政治家っぽいと思います。集票のための新駅や銀行ビルなどと同じレベルでしか扱われていないように思えてならないのです。評論子には。
最後のさいごには殉職警官には手厚い補償がされたようなので「結果オーライ」ではあるのかも知れませんが…。
市長補佐官から市議会議員へと打って出た主人公にしても、所詮は、政治の世界で自分の権力欲を満たすことしか考えていないように思われました。
原題は「City Hall」(市役所…あるいは市役所庁舎)だったようですが、邦題の「訣別」が、何との訣別だったのかは、評論子には、最後まで、ストーリーからは感得できませんでした。

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talkie

3.0エクボのキューザック

2023年2月17日
PCから投稿

ストーリーはともかくジョン・キューザックのかわいい顔ったら(^-^)。

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miharyi