劇場公開日 2023年11月3日

「ゴダールの中で一番好きな作品」軽蔑(1963) naokiさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ゴダールの中で一番好きな作品

2024年8月23日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

ゴダールの作品はスター俳優が出ても、ぴったりはまるのは、なぜなんでしょうか。
アラン・ドロンを起用した「ヌーヴェルバーグ」も傑作でした。「軽蔑」は監督自身の私生活を反映したグタグタ感があるのに愛すべき作品です。バルドーのモデルは破局したばかりのアンナ・カリーナ。観ている内に、なぜかバルドーがアンナに同化してしまう。ゴダールが助監督役で出てくるのは、ご愛嬌。
ちなみに監督役はフリッツ・ラングで実在の映画監督です。ヌーヴェルバーグに多大な影響を与えたシネフィルにとって偉大なる方です。ちなみに彼の「スカーレットストーリー」は私にトラウマを植えつけました。
軽蔑劇中の「オデッセイア」というギリシャ神話を題材にした映画のカットインで映画はフィナーレを迎えますが何かジーンとするシーンでした。ラングは晩年、映画が撮れませんでしたがギリシャ史劇を撮ってたら、どんなんだったのだろうか想像が膨らみます。
軽蔑は男女の破局の他に映画スタジオ・システムの崩壊を描いた作品でもあります。
熱烈なゴダール信者だったときのベルトルッチ監督は「暗殺のオペラ」で、まんま「軽蔑」のシーンをパクっています。次回作「暗殺の森」でアンナ役にバルドーを起用したかったそうですが断られたそうです。

naoki