「関係改善が不能な夫婦の末路」軽蔑(1963) 雨雲模様さんの映画レビュー(感想・評価)
関係改善が不能な夫婦の末路
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軽蔑というタイトルが示すように、夫婦関係のちょっとした心のすれ違いが大きな溝となりその結果破綻してしまうカップルの様子を描いている。
中でも印象的だったのが、脚本家で夫のポールが秘書のフランチェスカとの不倫関係を疑う女優で妻のカミーユにも大きな秘密があるようで…?
最終的にはカミーユも映画オデュッセイアのプロデューサーのプロコシュと不倫関係になり、もはや二人の仲直りは完全に不可能となってしまったところでカミーユがポールに離縁を突き付けプロコシュと過ごす新しい生活が始まったところで不慮の事故に遭い旅立つ。
これが皮肉にも男のエゴイズムを感じさせるのだ。俺と一緒に過ごすことを選んでいたらこんな末路にはなっていなかった、と言わんばかりのエンドの展開は撮影当時は男性社会でまだまだ女性の立場が男女平等とは言えぬ時代において、60年前の男社会を物語る貴重な資料である。今ならば間違いなくこんな作品を作れば叩かれるのは間違いないだろう。
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