「軽蔑と言う不毛の大地」軽蔑(1963) シネマディクトさんの映画レビュー(感想・評価)
軽蔑と言う不毛の大地
ゴダールファンには『軽蔑』されそうだけど、彼の作品はいまいち肌に合わなくて寝落ちするのもしばしばだけど、今回はすごい緊張感で最後まで観られました。(なんかトホホなレビューですいません)舞台の脚本家がハリウッドの映画プロデューサーから脚本の依頼を受けたことで夫婦関係が崩壊する話です。下心から女好きのプロデューサーの車に妻を一人で乗せた後、プロデューサーとは何かあったかと妻に問いただす主人公の卑屈な態度や、彼に対して男として脚本家として激しく失望し,それが軽蔑へと変化して行く妻の心境の変化がリアルで息を呑むような展開です。風光明媚ならカプリに舞台が変わっても彼女の気持ちは変わらず、本当にプロデューサーの元に走ってしまう幕切れは残酷であり不毛です。同じクリエイターとしてゴダールを主人公に投影しているのか分からないけど、クリエイターの安いプライドと過酷な現実との板ばさみはつらいものがあります。役者では、ミシェル・ピコリがまさに静かな熱演です。ブリジット・バルドーは美しい肢体だけでなく、最小限の表情で軽蔑する女を見事に演じていました。
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ジョニーデブさんのコメント
2024年9月2日
私もいまいちゴダールは肌に合いません。ただ、この映画はブリジット・バルドー28、29歳ごろの作品で、小悪魔的可愛らしさが際立ってましたね。彼女を見るだけでも価値のある映画、否、彼女を見るだけの映画です(笑)。