「【”愛は一瞬にして消える・・。”妻から、”軽蔑してる”と言われたくはないなあ・・。ラストも物凄くシニカルな作品である。】」軽蔑(1963) NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”愛は一瞬にして消える・・。”妻から、”軽蔑してる”と言われたくはないなあ・・。ラストも物凄くシニカルな作品である。】
ー 本当かどうかは定かではないが、今作はゴダール監督が当時の妻であるアンナ・カリーナとの関係性が不安定な時期に制作された事から、今作の映画監督ポールとその妻カミーユ(ブリジット・バルドー)の夫婦仲が、一夜にして一方的にカミーユのポールへの想いが冷え切る姿に、ゴダールの苦悩を反映していると言われた作品である。-
■劇作家のポールは、大作映画『オデュッセイア』の脚本の手直しをプロデューサーのプロコシュから依頼される。
そんな彼を、女優である妻・カミーユは軽蔑のまなざしで見つめている。
ポールとカミーユは映画ロケ地に招かれるが、夫婦の間に流れる倦怠感は変わらず、さらなる悲劇を招く。
◆感想
・前の晩は仲良くベッドを共にしていたのに、翌日のカミーユのポールに対する冷たく、ぶっきら棒な態度が凄い。怖い。
・ポールはそんなカミーユに色々と理由を訪ねるのだが、カミーユは死んでも答えないと言い、ポールの見える所でプロコシュとキスをするのである。
<妻ある男にとっては、今作は実にキツイ映画である。
何故に、妻の愛が消え去ったのか分からない男の、焦燥と不安。
だが、ゴダールはローマに車で出かけたカミーユとプロコシュに対して、シニカル過ぎるラストを用意するのである。
当時のヨーロッパの映画産業の斜陽化と、ハリウッド化への警鐘を鳴らした作品とも言われているようである。>
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