劇場公開日 2023年11月3日

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「カプリ島 マラパルテ邸 BB 神話 そして カリーナ」軽蔑(1963) jarinkochieさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0カプリ島 マラパルテ邸 BB 神話 そして カリーナ

2021年9月24日
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原作はモラヴィアの同名小説(1954)
彼と嫁とヴィスコンティの三角関係時に書かれたものらしい
ボロニーニの「金曜日の別荘で」をみて
これを鑑賞しようと思った

ヴィスコンティの誘惑の場所はイスキア島の
自身の別荘で
ゴダールはプロデューサーの別荘で打ち合わせ(誘惑)場所にカプリ島の
マラパルテ邸を選んでいますね

BBが日光浴するのには抜群のロケーション

そしてマラパルテは窮地のモラヴィアを救っているらしい

モラヴィアの嫁は二股だったみたいだが
この映画では三角関係というより
他者の関与により増幅される夫婦の感情のすれ違い
それにより崩壊してゆく結婚生活を描いているようだった

美しい妻と新しいアパートの為の夫の努力が
妻には、忖度や堕落と受け止められたようで 軽蔑される
(ラングの「英雄の帰還」遅延説は面白い)

また、ゴダールにとってラングは英雄だが
プロデューサー(=ハリウッド)は海と大地を揺るがし破壊するネプチューンなのだろう
作家性のある監督と作品を潰し、商業主義に邁進する
ヨーロッパ映画界の斜陽の原因でもある
(ノルマンディー上陸作戦の正式名称はネプチューン作戦でしたね)

BBの存在感も抜群で完成度の高い作品となった

「地獄に堕ちた勇者ども」のモデルになった
ドイツ鉄鋼財閥クルップの三代目もこの島を愛したが
スキャンダルに巻き込まれ自殺(多分…)
婿グスタフが後継に……

魅惑の島では(このプロデューサーのように)
セレブもやらかしてしまうのかも

神になったような気がする場所なのだろうか

jarinkochie