刑事ジョン・ブック 目撃者のレビュー・感想・評価
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社会派映画としても、サスペンス映画としても、恋愛映画としても最高。...
社会派映画としても、サスペンス映画としても、恋愛映画としても最高。さらに絵画的な構図で端正に切り取られたアーミッシュの村の風景や暮らしぶりの美しいこと。音楽もすばらしい。
本来相容れない社会に暮らす男と女が恋をする…というのは、古来から恋愛劇の格好の材料だ。この映画では、現代社会の泥沼に生きる刑事ジョン・ブック(ハリソン・フォード)と、文明を拒否する宗教の村に住む女性(ケリー・マクギリス)が恋をする。しかしその恋は、恥じらいと節度に満ち、爽やかでそしてせつない。
アーミッシュの村で一時暮らすことになったジョン・ブックが、建物の新築工事の手伝いにかり出される場面がある。新婚夫婦のための家を、村の男たちが総出で造るのである。女たちは、これまた総出でキルトを縫う。開拓時代には、アメリカではこうした情景が当たり前だったのだろう。かつては日本の村々でもそうだった。
かつて村が持っていた相互扶助のシステムは、文明の発達によって不要になった。人々は自由気ままに暮らせるようになったが、そのためにかえって社会が病んでしまったことを、この作品は、村の美しい風景とつつましい暮らしを描写することによって示唆しているようである。
最後に、ジョン・ブックを狙う悪党が村にやってきて銃撃戦が始まるのだが、スリルいっぱいで手に汗を握る。サスペンス映画としても一級品だと評する由縁である。
子どもがきっかけで、その母親と恋をし、悪党をやっつけたあと去っていく…というのは、なにやら『シェーン』を彷彿とさせる。ぜひ一度ごらんあれ。
懐かしさがかえって新しい
バリバリ刑事モノかと思いきや、意外と牧歌的なシーンもあってちょっぴりほっこりとした気分になれました。この作品で初めて「アーミッシュ」という方々を知りました。うん、勉強になります。
スピード感や演出など、昨今の映画にはあまり見ないような、緩やかで温かい、懐かしいようでいてかえって新しい感じがしました。サミュエル役の子がカワイイです♪
相反する雰囲気を併せ持った映画
人間ドラマと刑事ものの見事な融合
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