黒水仙(1946)

劇場公開日:

解説

「赤い靴」「天国への階段」と同じく、マイケル・パウエルとエメリック・プレスバーガーのティームが執筆、監督、製作したテクニカラー映画であるが、ルーマー・ゴッデンの原作になる同名の小説から二人が脚色した。撮影も「赤い靴」「天国への階段」と同じくジャック・カーディフが受けもち、「天国への階段」のアルフレッド・ジュネが装置を担当し、両者は共にアカデミー賞を受けている。作曲並びに音楽監督は「赤い靴」のブライアン・イースデルが任に当った。主演はシヨウ原作の「バーバラ少佐」で認められたデボラ・カー、「三つの情熱」のデイヴィッド・ファラーで、「ジャングルの王」のサブウ、「嵐が丘」「死せる恋人に捧ぐる悲歌」のフローラ・ロブソン、「ハムレット(1947)」のジーン・シモンズ、「天国への階段」のキャスリーン・バイロン、「ハムレット(1947)」のエズモンド・ナイト、その他ジェニー・レアード、ジュディス・ファース、シャウン・ノーブル、ナンシー・ロバーツ、メイ・ホーラット等が助演する。

1946年製作/イギリス
原題または英題:Black Narcissus
配給:英国映画協会=NCC
劇場公開日:1951年3月1日

ストーリー

ヒマラヤ山麓に近い高地にある寂しい村。ここに、モプという宮殿があり、領主トゥダ・ライはこの宮殿を利用して尼僧院を開き、英国人の尼たちを招き現地の子どもを教育してもらおうと考えた。尼僧クローダー(デボラ・カー)は責任の重さを覚悟してこの大役をひきうけ4人の尼僧を選んだ。年長のフィリッパ(フローラ・ロブスン)、プライオニー(ジュディス・ファース)、ハニ(ジェニー・レアード)、健康をそこねているルース(キャスリン・バイロン)で、5人は新しい希望にもえて任地へ到着した。だがこの地方唯一の同国人ディーン(デイヴィッド・ファラー)は頭から彼女たちの仕事を嘲笑しているようだった。尼僧院の仕事は一応は順調に進んだが、クローダーには尼僧たちの心が信仰から次第に離れていくように思われた。フィリッパはこの仕事にたえられないといって転任を申しでた。クローダーの心は弱りディーンに対して頼りたい気持が強まった。クローダーの悩みはそれだけではなかった。ルースは信仰をすてようとしているらしかった。しかしもディーンへの執着に悩むルースはクローダーを恋仇として激しく憎んでいた。ある夜、僧院をぬけだしたルースは谷間の村のディーンを訪れ、心の思いをうちあけた。だがディーンは冷たく彼女を追い返した。ルースはディーンが恋を受けいれないのはクローダーのせいと信じ、鐘を鳴らすクローダーをつきとばした。だがクローダーは縄にぶらさがり、足をすべらしたルースは谷間へおちた。悲劇の朝から数日がすぎた。彼女たちの仕事は失敗におわり、尼僧たちはカルカッタへ出発した。しかしこの敗北から、クローダーの心に一層強い信仰が生まれようとしていた。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第20回 アカデミー賞(1948年)

受賞

撮影賞(カラー) ジャック・カーディフ
美術賞(カラー)  
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映画レビュー

3.0いまいち解らない

2025年1月4日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

知的

難しい

尼僧の苦悩は分かるが、何かひとつにまとまっていない、だから何という感じ。

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koko

3.5もう一声ほしさはあるが見ごたえあり

2023年6月13日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

インドの山奥の後宮宮殿をキリスト教布教の足掛かりとすべく
修道女たちが移り住んでくる。

慣れない地で、己の信心や
道徳の揺らぎをおぼえて
思いもよらない方向へ
運命が動いていく。

修道女姿でありながらもヒロインの美しさにため息が出そうだ。
かたくなに信仰によすがを求める姿が
逆に危うさを感じさせもする。

鐘を打つたびに絶対ここから…とみんな思うだろう。

最終的にはもう一声踏み込んでほしいとも感じるが
見ごたえがあり面白かった。

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こまめぞう

1.0せっかくのデボラ・カーの美貌も、作品自体が凡庸では…

2022年8月16日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

たまたまフレッド・ジンネマン監督作品を
まとめて観ていて、
オードリー・ヘップバーン主演の
「尼僧物語」を鑑賞、
また、やはりジンネマン監督の
「地上より永遠に」のデボラ・カーに
誘導され、この尼僧物を初鑑賞した。

しかし、映画としては凡庸な感じだった。

前半は何を描こうとしているのか
分からないまま話したが進んだが、
後半になってようやく“修道女”としての
愛欲への誘惑、
診療奉仕の限界の悩み、
そして赴任社会との距離感と孤独、
等々がテーマになっているように感じたが…

新しい土地での布教の話としては、
「沈黙」や「ミッション」を思い出す。
それぞれ神父の異文化世界での
命懸けの布教の中での
己との葛藤に心打たれたものだが、
もちろん描く観点も違うし、
請われて布教に行く行かないの
状況も異なるものの、
この作品では命懸けではない分、
私の心にも
響くものが不足したように思う。

余り評価出来なかった「尼僧物語」
の中での、ヘップバーンの
信仰・診療と俗世間との狭間で
揺れ動く心理葛藤描写にも達しなかった
イメージだった。

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KENZO一級建築士事務所

4.0前回、訪問したときはレビュー4.1だったが今回は4.2に上がっていた

2022年6月5日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

あんな崖っぷちにある鐘をついてたらいつかは落ちてしまうと思っていたがやっぱり落ちた。

派遣された5人の尼僧たち、それぞれ個性があったが天使のラブソングに出てくる尼僧とはかけ離れていて時代が違うとこうも違うんだと思った。
それともイギリス人とアメリカ人の違いか?

この時代の映画は特撮とかも無くカメラアングルが色々工夫されていてたまに見たくなる。
この映画もしかり、評価が高いのはそんなところもあるのでは無いか?
ただ、男性主人公ディーンの髪型は今ひとつだった。

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♪エルトン シン