クリムゾン・タイドのレビュー・感想・評価
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多分本当に起こってそうな話
何故か観ていなかったシリーズ。大好物のミリタリーであり密室劇、個人的スコアアップの要素満載だった。そして確認コードのケースをパキッと割ってフォネティックコードを読み上げるの好きw
キャストもジーン・ハックマン、デンゼル・ワシントン、そしてヴィゴ・モーテンセン、皆さん若い!
ジーンハックマン、うまいね。
潜水艦モノの傑作でありフィルム映画の名作
名優ふたりの対置・対照も面白かった
<映画のことば>
我々は、自由は守るが、実践はしない。
きっと、そういうものなのでしょう。民主主義の世の中での武力(軍隊)の存在意義というものは。
そのように、自身は自由を行わず「上意下達」が至上命題である軍隊(潜水艦)のなかでも、司令官の決断についても、牽制の仕組み(構成員による議論の余地)が用意されているということは、やはり「自由を行わない」という軍隊も、自律的な部分社会としては、民主主義の要素が絶無ではないことを物語るものではないでしょうか。
名優ふたりの葛藤を通して、そんなことを垣間見せる一本だったと思います。評論子は。
題名は、直訳すれば、「深紅の潮流」とのことで、深紅は共産主義を象徴しているのではないかとの解釈もあるようですが、二人の男の「熱い血潮」のような意味に受け取っておきたいと思います。評論子としては。
(追記)
「潜水艦モノにはハズレなし」とは良く言ったもので、本作もご多分に洩れない一本だったと思います。評論子は。
同じく軍人であっても、あくまで冷徹に判断を下すハンター少尉(デンゼル・ワシントン)と、「頭脳ではなくハートで戦う」とでもいうべき熱血漢のラムジー大佐。
その男二人の対立軸も、素晴らしい一本だったと思います。評論子は。
程良い匙加減
危機管理!
攻守が目まぐるし過ぎて、本論が…
小沢さとるの「サブマリン707」「青の6号」
の潜水艦マンガを見て少年時代を過ごし、
子供の頃に初めて観た洋画が潜水艦物だった
人間としてはたまらない舞台設定の作品だ。
シドニー・ルメットの「未知への飛行」や
キューブリックの「博士の異常な愛情…」
にも通じるテーマで、
潜水艦の中だけという限られた空間での
たたき上げの艦長とエリート副艦長の
核のボタンを巡る確執
の展開の緊迫感そのものは見事で、
本来は名作になって不思議のない題材だ。
しかし、何かしっくりこないのは
そのハイテンションが連続し過ぎて、
話の強弱が小さくなったためかも知れない。
艦長拘束
→艦長と支持派の反撃
→副艦長と支持派の拘束
→副艦長と支持派の反撃
→艦長派の再反撃
と、目まぐるしく立場の逆転が
繰り返されるため、
途中から非常時における核攻撃の判断への
二人の人間としての苦悩という本論が薄く
なってしまったイメージだ。
それも、何かと銃を持ち出す主導権争いも
安易な盛り上げ演出と感じる。
話の材料は良く、
海上での実際の原潜の航行や潜水シーンと
海中での特撮シーンも見事だっただけに、
監督の調理の力が少し足りなかったかな
とのイメージだった。
さて、エンディングで核ミサイルの
発射権限が艦長から大統領に変更になった
とのテロップが流れたが、
これはあくまでも米国の話だろうし、
核ミサイル搭載原潜保有の他国のことや
この映画のように核弾頭を積んだ軍事兵器が
国の拘束から外れたりしたことを考えると
何の安心感にも繋がらない。
ところが現実は更に上を行っており、
人間的苦悩が入る隙間もない
人工知能兵器の時代になっては、
この映画も過去の遺物に成りかけている
のかも知れない。
たたき上げVSエリート!!
映画史上最大の内輪揉め
25年の時間を感じさせない
核発射を巡る艦長と副官の争い
ロシアで内紛が勃発している頃、デンゼルワシントン扮するロンハンター少佐は、ジーンハックマン扮する実戦経験豊富なアラバマ艦長ラムジー大佐に副長としての面接を受け採用された。SLBMを搭載したアラバマが出航した。ロシアでミサイルに燃料を注入する事が分かったらアラバマからもSLBMを発射する準備を行った。艦長は犬を連れて乗り込んでいた。SLBMの発射コードも確認され、ロシアの原子力潜水艦も近くにいて緊張感が高まった。しかし、深すぎて通信が受信出来なかった。敵艦が魚雷を発射したがかろうじて避けた。通信が受けられず、艦長は先制攻撃だと言ったが、ハンターは意見を違えて同意出来ず、艦長を解任した。果たしてアラバマはどうなる? 狭い潜水艦の中で、核を発射する権限が艦長にあったため非常な緊張感が走った。ジーンハックマンとデンゼルワシントン迫真の演技だったね。
文句無しの傑作! 潜水艦ものに外れ無しと良くいわれますが、本作は本物の傑作です
重層化したテーマがミルフィーユのように幾重にも積み重ねられており見応え十分
艦長の指揮権剥奪はあの名作のケイン号の反乱をベースにしています
艦長を白人、副長を黒人、艦名は南部の人種差別の強いアラバマに設定して、人種対立の緊張感を重奏音にしています
白馬が黒毛で産まれてくる話は際どい
電気棒を尻に突っ込めば言うことを何でもきくと白人の艦長がニヤリと笑って黒人の副長を侮辱する台詞まであってヒヤヒヤします
しかし人種対立はあくまで水面下です
黒人でも艦長につく部下もいれば、白人でも副長につく部下もいます
メインはトップとナンバー2の在り方です
叩き上げとエリートの対立、ベテランと若手の対立でもあります
それをジーン・ハックマンとデンゼル・ワシントンという分かり易い配役で表現されています
本作は潜水艦ものですから冒頭と終盤を除けば、密閉された狭い戦略原潜艦内の密室劇です
地方の小さな支店、営業所とかでナンバー2の役職として働いたことのある人もいると思います
そこはまるで本作の潜水艦のようなものです
本社からは遠く離れ、支店長なり営業所長なりが君臨して全ての判断を下すところです
そんなところでもトラブルは起こります
それもよりによってというタイミングに
そしてそのトラブル対応中でいっぱいいっぱいの時に、さらに大きな別のトラブルが起こるものです
ナンバー2あるあるのオンパレードのシーンがてんこ盛りで、辛かったその頃にフラッシュバックして胃が痛くなりました
そしてまた、支店長や営業所長だって、その判断が正しいのか自問自答しながら、孤独に自分なりの判断を下しているのです
戦略原潜での核戦争一歩手前という、人類の存亡がかかっている物語でありながら、ごく普通の人間や、どこにでもある会社の物語としても共感を持つことができる、普遍的なテーマに通ずるようになっている脚本が秀逸な出来映えです
軍事オタクの目で観てても、白けてしまうようなおかしな部分は皆無で、その面でも大満足
特撮のレベルも高く、潜水艦の巨大さ重々しさ、深海の暗く重い海水の圧力の表現も見事でした
潜水艦のセットも実物感が素晴らしい
その内部を照らす巧みな色彩の照明、緊張感を盛り上げるハンス・ジマーの音楽
どれもこれも圧倒的な出来映え
ハリウッドの底力恐るべしと思いました
何度見ても面白いなぁ(刷り込み?w)
テレビで放映してると思わず見てしまう作品。
どちらも正しく、どちらも間違っている…かもしれない。
という図式は自分自身の経験に置き換えられる様な気がする。
だから、燃えるんだよなあ…自分は職場ではジマーなのか?ハンターなのか?
タランティーノが脚本に関わってるってホントなのかは素人の自分には検証しようがないのだけど、物語の盛り上がり方を見るとさもありあんとも思える。
ジーン・ハックマンとデンゼル・ワシントンがとにかくカッコいい。
叩き上げのベテランVSインテリの若手っていうのは王道だよなぁ…
王道、という言葉はとかく便利で、自分自身多用してしまうのだが、
道を知ってれば誰でも通れるわけではないという気がする。
なにしろ王サマの道だからね(笑)
緊迫感と対立展開の見応え
中盤までは状況説明のような感じなので少し退屈に思ってしまいましたが、中盤から緊迫感が出てきて引き込まれました。ハンスジマーの聖歌のようなBGMも印象的でした。
潜水艦ならではの閉塞感と緊迫感が良かったですね。艦長と副艦長の意見の相違による展開も見応えがありました。艦長は嫌な感じの描写もありますが、判断が一概に間違いとは言えないところも興味深いです。
艦長役はジーンハックマン。経験豊富で堂々とした姿や、少し嫌味な感じなんかも様になってましたね。様になりすぎていて、役としては好きになれませんでしたが。
副艦長のデンゼルワシントンは冷静で知的なエリートで格好良かったですね。周りをよく見ていて、部下をたしなめた後にもフォローを入れたり、辛い状況を映画になぞらえて奮い立たせたり。個人的には理想の上司でした。
いつもと雰囲気が違うのですぐには気づきませんでしたがウェップス役はヴィゴモーテンセン。結構重要な役どころでした。最後の後ろ姿が素晴らしかった。
終盤はひたすらハラハラしながらヴォスラーくんを応援していました。
馬に関する会話も良かったですね。馬の毛色を肌の色の暗喩としているところとか。ラストも爽やか。
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