「潜水艦映画と見せかけてアメリカの縮図を描いた作品」クリムゾン・タイド つまり枝豆さんの映画レビュー(感想・評価)
潜水艦映画と見せかけてアメリカの縮図を描いた作品
とにかく良くできています。トニースコットの早いカットの切り替えは抑え気味ですが、テンポよく話が進み、飽きる場面がありません。アメコミのシルバーサーファーの作者はどっちが良いかなどの細かいギャグの伏線などもあり、楽しんで見れました。
白人VS黒人というわかりやすい対立はありますが、それよりも、いわゆる民主党VS共和党を描いた作品です。
ジーンハックマン扮する鷹派の白人艦長。帽子はトランプ大統領のように赤い帽子で、かつ、ジーンハックマンが権威を振りかざす場面では必ず民主党イメージの赤いライトが当たります。
対するデンゼルワシントン演ずる副長は、共和党のイメージの青いライト。
対立する場面ではグリーン。
決断を迫られるヴィゴモーテンセン演ずるウェップスは、最後、赤と青のライトに挟まれて苦悩します。
ちょっとあからさまですが、こうやって脚本に上手いこと落とし込んで、一つの作品にするのがハリウッドの良いところですね。最後の馬の話なんてウィットで本当に良いです。
日本だと踊る大捜査線みたいに、無関心な上司、無能な女性上司をコミカルに描いて、セリフで苦悩を叫ばせるみたいな演技しちゃうんですが、そういう安っぽさを嫌うハリウッド作品ならではな出来でした。
好きな作品です。
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