クリクリのいた夏のレビュー・感想・評価
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子供の様な大人の映画
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タイトルから可愛い女の子が主役の子供の映画と思ったが、なんと子供の様に純真な大人たちの映画だった、癒し効果という点では偽りない。
大戦の狭間の束の間の平和な時代、フランスの片田舎、ローヌ地方、映画では沼と称しているが陰湿なイメージがするので大きな池としておきたい、その畔の小屋の住人達と街の友人たちとの交流を描いたハートフルなヒューマンドラマでした。
主人公ギャリスは孤独な復員兵、旅の途中で小屋の老人を看取ったことで住み着いた誠実で働き者の青年、隣の小屋のリトンはダメ親父の典型、その娘がクリクリちゃんだが出番は少ない。
資産家で自由人のアメデ、昔を懐かしむ実業家の老人ぺぺ、気前のいい資産家の未亡人など個性豊かな登場人物たちが織り成す思いやりと友情には共感せずにはいられない。スズランを摘んだり、森でエスカルゴを採って売ったり、蛙を釣ったりと自然の恵みに助けられ、貧しいけれど卑しくは無い暮らしぶりに圧倒される。ただ、タイトルが、「クリクリのいた夏」と過去形だったのでクリクリが病気になったりすると死んじゃうんじゃないかと気が揉めた、筋骨隆々の大人でも溺れそうな沼だったと聞かされると子供たちには危ないでしょうと腹も立ちました。
善い人達ばかりでは退屈で嘘っぽくなるとの思惑で天才トラブルメーカーのジャック・ヴィルレを仕込んだのでしょうが「奇人たちの晩餐会」のピニョンと違って責任ある親の役ではダメすぎて呑気に笑っていられませんでした。
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