暗くなるまで待ってのレビュー・感想・評価
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ホラーじゃないのにホラー映画より怖い
盲目の主婦の家に何故か犯罪者が3人も来るという話。 ほぼ一つの家の中でしか物語が進まず低予算で作れる内容の話です。…が非常に面白い作品でした。 後半はハラハラしっぱなしです。 この作品を見るきっかけは2019年の日本映画「見えない目撃者」が面白かったのでその原作映画を2本見た後に、その原点ともいえる本作を観ました。 これらの映画は「盲目の女性主人公が犯罪者に巻き込まれ、最後は犯人と暗闇の中で一騎打ち」というところが共通しています。 本作「暗くなるまで待って」の現代進化系が「見えない目撃者」ですね。
【盲目の聡明な美しい夫人に襲い掛かる犯罪者3人組との密室での攻防を描くスリラー・サスペンス。最終盤の犯罪者のドンと夫人との対決シーンはハラハラ。ヘプバーンの演技の幅を世に知らしめた作品でもある。】
■スージー(オードリー・ヘプバーン)の夫・サムが、ある女性リサから預かった人形にはヘロインが仕込まれていた。
それを取り返そうと犯罪組織の3人の男、ロート(アラン・アーキン)、マイク、カルリーノが、サムの留守中に彼女のもとへやって来る。
スージーが盲目だと気づいた3人は、さまざまな人物に成り済まして人形を捜そうとする。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・今作はもしかしたら、盲目の美女が犯罪者と対峙する作品の嚆矢かなあ、と思いながら観賞。近作の邦画で言えば、吉岡里帆さん主演の「見えない目撃者」をふと思いだす。
・50年以上前の作品なので、更に主演がオードリー・ヘプバーンという事もあるのか、犯罪者側が彼女に対し接する態度が、何だか紳士的な感じがしてしまったのは、私だけであろうか。特にマイクかな。
・ヘロインが入った人形を取り返そうと、一人何役もしながら接近していくロート、マイク、カルリーノだが、盲目だからゆえに異変に気付くスージーを今までの可憐な役を取り払い演じるオードリー・ヘプバーンの姿。
ー 特に、3人が警察と遣り取りしているふりをしていた電話線が着られていた事に気付くスージーの姿を演じるシーン。彼女は一度、絶望的な気持ちになるが、気丈にも部屋中の電気を叩き割り、犯人たちと対峙するのである。-
■その後にスージーの部屋に入って来た比較的彼女に近しい思いを持っていたマイクを後ろから刺し殺すロートのサングラスが恐ろしい。
更に、ロートはマイクの死体にガソリンをかけて、紙に火を付けてスージーを脅すが、彼女はそれに屈せずに、手にした包丁でロートと対峙するのである。
<今作は、それまでラブコメ的な作品に出演していたオードリー・ヘプバーンが、スリラー作品に主演した作品であるが、ご存じの通り彼女はこの作品で更に演技の幅の広さを世に知らしめたのである。>
単純につまらない話だ。
人の弱みにつけ込んだ『オレオレ詐欺』みたいな話。 策略がどうやって失敗するかだけを期待して見る映画。 この時代だから、許される話しだと思う。 単純につまらない話だ。だが、頑張ってるから。
安心、良質のサスペンス
最後の15分の緊迫感はヒッチ顔負けです。 ヘップ君は大女優なのに演技力高く、この作品も盲目のヒロインを熱演。 ヤング君は007で鍛えたパッパと要領よく見せる技術が職人的です。 しかし何といっても圧巻はアーキン君。映画史上に残る悪役ぶりはホプキンス君のヘクター博士を凌駕します。
ところどころで突っ込みどころが…
麻薬取引グループから一方的に預けられた人形をめぐって、盲目の主人公が事件に巻き込まれる話。
目が見えない分、その他の感覚がかなり鋭いため、不可解な行動は全てバレているところがすごい。
ほとんどのシーンが室内なので、画変わりはしないが、スリルが伝わり退屈はしない。
気になったことといえば、
電球を壊して暗闇にして、目が見える人たちより有利な状況を作り出したいなら、全部壊しておけば良いのに、ひとつだけ残しておくという謎。
冷蔵庫が旧式の話や霜取りの話が序盤に出てきたから、ラストシーンでの伏線かと思いきや、全く関係なかったこと。ちゃんと霜取りしなかったせいで電源が落ちる展開にすればよかったのでは。
あとは、室内でガソリンを撒いてマッチに何本も火をつけたらさすがに引火する気が。
盲目の恐怖
オードリーヘップバーン扮する盲目のスージーが住んでいる家に留守の間に賊が上がり込んでいた。そこへスージーが帰って来た。そして盲目の恐怖にさいなまれる。オードリーヘップバーンは1929年生まれだから38歳の時の作品でさすがに年齢を感じるね。今回の役どころは盲目だから視線を合わせずの演技だったね。それでもやはり愛おしいオードリーだったな。
映画館で観たかった
これは映画館で観るときっと凄い作品だろうな。終盤放送事故レベルのドキドキ感を味わえるのでは。DVDで観たらちょっとのりきれなかったのとご都合主義的な演出を感じてしまったのでちょい残念。盲目の勇敢な女性を演じたオードリーは素敵でした。
オードリーさすが!
ほとんど自室での惨劇を描く。元が舞台劇らしいので、その雰囲気もよく伝わってくる。盲目であるオードリーの過剰とも思えるほどの雰囲気は逆にリアルに感じる。「今、わたしを見てる?」という夫サムに対する言葉が上手い伏線になっていてよかった。
ヒッチコックが悔しがったに違いない
オードリー・ヘプバーン38歳 美しい、見とれてしまう それなりに歳を重ねて全盛期の張りのある若さは失われているのは否めない しかし、歳相応の大人の女性の美しさがある 超アップに耐えるどころかいつまでも見つめ続けていたいほど その美しい顔が、盲目で困惑したり恐怖で歪む か細い身体と相まって庇護したい なんとか助けたいとの思いで画面に釘付けにされてしまう その為衣装も体の細い線を強調したセーターとパンツルックを纏う 身体のラインはいささかも崩れてはいないのを誇示している クライマックスのシーンではパンツをスカートに 履き替えさせてより無防備さ弱者さを強調している 監督の狙いは大成功しており、その意図をオードリー・ヘプバーンの素晴らしい演技が見事に達成に導いている その他にもアラン・アーキン演ずる悪役が凄まじい 普段は至って余裕で平静 一人三役まで演じてみせる しかし、クライマックスになってナイフをもった時に爆発的に恐ろしい本性をみせる オードリー・ヘプバーンの足をつかむシーンには飛び上がった すばらしいモンスター級の悪役の造形だ 現代の目から見るとありがちかも知れないが当時としては観客が初めて見るモンスターではなかったのではないだろうか 元は舞台劇だけにほとんど主人公のアパートの一室の内部だけで物語が進行する そして主人公が盲目の女性という設定 ヒッチコックが悔しがったに違いない 暗くなるまで待ってという題名の意味がそうであったのか!と盲目と狭いアパートという設定が見事に活かされているからだ 利用される小悪党の二人組を自分ならもっとユーモアとウイットを効かせるのにと思ったかも知れない もっと評価されても良い良作だ
盲目の女一人が犯罪者にどう対抗していくのか
総合70点 ( ストーリー:65点|キャスト:70点|演出:65点|ビジュアル:65点|音楽:65点 ) オードリーは盲目であるという設定で、限定された登場人物たちとほぼ部屋の中だけで完結する犯罪物語。その意味では主人公が骨折で病室からずっと動けなかった「裏窓」に似ている。 「レッド・ドラゴン」では盲目の人は常に照明をつけずに真っ暗闇の中で生活していたが、ここでは部屋は常に明るい、最後を除いて。最初から人をも殺す凶悪犯だが、その割りに大掛かりなお芝居を手間暇かけて仕込んでとやたらとまどろっこしい。これならば最初から部屋に押し入って人形を捜索するなり、脅して在りかを言わせるなりすれば手っ取り早くてよかったのではないか。そのように突込みどころも多い。 しかし、オードリーが音で何が起きているのかを実はわかっていたり、そこから状況を少しずつ把握していったり、危険に立ち向かうために出来ることをしたり。か弱い女一人で目が見えないという圧倒的に不利な状況で、一体どうなってしまうのかという緊張感と期待感とが交じり合って、まずまず楽しめた。しかし、危険を表す演出は、時代のせいかおとなしめで物足りなさもあった。
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