グッドフェローズのレビュー・感想・評価
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個人的には誰に何と言われようとも、マーティン・スコセッシといえば「...
個人的には誰に何と言われようとも、マーティン・スコセッシといえば「グッドフェローズ」と言い切れるほどの傑作。
何に驚かされるって、ニューヨークのマフィアとして生きた、ヘンリー・ヒルという実在の男を題材にしているという点だ。昨今、これほど骨太な作品にはそうそう出合えないだろう。
不朽の名作だからといって古臭さもない。こういうハリウッド映画、そういえば最近見かけないなあとため息をつきたくなる出来栄え。
巧妙な人間ドラマの狭間で瞬間沸騰するボルテージはまさにスコセッシならでは
原作小説タイトルは「ワイズマン」だが、登場するマフィアの面々は賢人どころか、今を生き抜くために各々が必死な男たちだ。そこで芽生える、切れるか切れないのか最後まで分からぬ絆は、ある意味、スコセッシ映画に通底する暗黙のテーマなのかもしれない。
今回メインを張るのはレイ・リオッタだ。今でこそやや太って貫禄を増した彼だが、90年代の頃はまだ精悍な顔つきだったことに驚かされる。そんな若きリオッタはいつしか組織の先輩ジョー・ペシとデ・ニーロの多少危なっかしい綱渡りに付き合わされることとなる。デ・ニーロがお膳立てしたものを、キレると手がつけられなくなるペシがとことん掻き乱すというパターンはこの映画でも「待ってました!」のごとく健在だ。
興味深いのは、イタリア系のペシは幹部へ出世し、デ・ニーロの役はアイリッシュなので幹部になれないという事情。そのあたり、実は『アイリッシュマン』にも繋がる部分なのかも。
何故マフィアは皆んな“ピーター・ポール&マリー”?
マーチン・スコセッシ映画は
「タクシー・ドライバー」をはじめ、
たくさん楽しまさせて頂いたが、
この作品は、
これまで一度TVで観た記憶があったものの、
マフィア映画であること以外は
ほとんど忘れてしまっていた。
ネットの解説によると、
アメリカ映画協会のギャング映画編では
「ゴッドファーザー」に次いで第2位に
選ばれているとのことだが、
「ゴッド…」はギャング映画というよりも
“家族”への想いの観点での大変優れた作品
と思っているので、
この作品からは何が感じ取れるかを
楽しみに再鑑賞した。
やや長尺の作品だが、小気味よいテンポと
登場人物のモノローグでの構成は、
分かりやすく、また、
観客を飽きさせることの無い見事な演出
ではなかったろうか。
しかし、
実話に基づいているとの内容については、
マフィアだからと言ってしまえば
それまでかも知れないが、
身勝手な登場人物ばかりに感じ、
確かに、スコセッシ監督の優れた演出に、
鑑賞時間内は犯罪ドラマとして
その世界に浸ることが出来るものの、
仲間を簡単に裏切ったり、
残虐な殺戮場面を見せられ続けられ、
例えば、戦争映画でさえ、そこから漂う
反戦意図を感じ取ることが出来るのに、
面白いと言えば面白いこの作品、
最後には悪は滅びる的物語を
目撃するとはいえ、
主人公が最後に得た安息も
仲間を売ることによるものだし、
「ゴッドファーザー」とは異なり、
他に何を感じ取ればよいのかが
分からなくなってしまった。
ところで、
作品の中でギャングのボスの親戚家族が、
あたかもフォークグループ
“ピーター・ポール&マリー”
かのような、聖書に因む
“ペテロとパウロとマリア”
の名前であるとの
主人公の妻のモノローグが流れたが、
果たして、この彼らの命名は
贖罪の意識からだったのだろうか。
まさかの実話
レイ・リオッタのまなざし
私は「カジノ」派。
久しぶりに再鑑賞。バイオレンス・シーンはほとんど覚えていたが それ...
大統領になるより、マフィアになることが憧れだった・・・‼️
この作品初見以来、10回以上は鑑賞してる大好きな作品です‼️「ゴッドファーザー」がマフィア組織の中核で繰り広げられるドラマなのに対して、この「グッドフェローズ」は現場で埃と血にまみれながら生きる男たちを描いた作品ですね‼️ギャングたちの複雑な人間関係、友情、恋愛、結婚、遊び、そしてビジネス‼️冒頭、息も絶え絶えのマフィアの幹部をクルマのトランクに押し込んでやって来たデ・ニーロのジミー、ジョー・ペシのトミー、そして主役であるレイ・リオッタのヘンリーの3人が、その男の息の根を止めるエピソード‼️ヘンリーのナレーションと、それぞれをストップモーションで紹介するスコセッシ監督の巧みな演出‼️殺気と狂気が同居するトミーのキャラがサイコーですね‼️そんなに回数刺さなくても・・・‼️次にフラッシュバックで15年前に戻りヘンリーがマフィアの世界に足を踏み入れる様が描かれる‼️スコセッシ監督の巧みな構成‼️ヘンリーが逮捕される一日を追ったドキュメンタリー・タッチのシークエンスや、ヘンリーがジミーに呼び出されてレストランで向かい合うガラス窓越しに、街の光景が迫ってくるカメラワークなんかホント素晴らしいです‼️そしてFBIに強要され、悩んだ末に組織を裏切ってしまうリオッタの心理描写も絶妙‼️そしてそして全編にかぶせる50年代〜70年代のロックの名曲たちもホントにイカしてる‼️神がかってますよ、スコセッシ監督‼️
フォレスト・ガンプに影響を与えた?
トマトソース焦がさないで
タイトルが皮肉に思える
マフィアの栄枯盛衰を描いた作品。
登場するマフィアが割りと簡単に人を殺したり、拷問したりする残酷さ、野蛮さに驚く。自分がマフィアの一員だったらついて行けない、なんて思ってしまった。しかし、残酷な描写がされる分ストーリーにリアリティが増している。そこがこの映画の面白いところでもある。
タイトルの「グッドフェローズ」は、wikipediaによれば、直訳すると「気の置けない友達」という意味になるらしい。これが皮肉が効いているように思えた。なぜなら、主人公ヘンリーは、司法取引で自分が所属していたマフィアのメンバーを売って刑務所行きを免れるからだ。仲間だ何だと言いながらも、所詮は犯罪者の集団。自分の身に危険が及ぶと簡単に切り捨てる関係性が浅ましく思えた。
スコセ先輩的
チンピラギャング一代記
ジョニデの「ブロウ」を見てから、レイ・リオッタ&コカイン繋がりで見ました。構成、音楽、ヘンリー(リオッタ)とその妻による一人称語りが良くて、一周廻ってのオチなど細部も凝っていてとても面白かった。ジミーもヘンリーもアイルランド系だから幹部には絶対なれないとか、ママがシチリア系だから幹部になれたトミーも、イタリア系大物をかつて殺したから幹部になるもすぐに殺されてしまったとか非情できつい世界だ。トミー役、すごくうまかった。狂気とふざけが表裏一体のあの甲高い声と話し方は絶品だった。リオッタのブルー・グリーンの瞳は素敵でその瞳だけでどんな役でもすぐにわかる。笑顔が最高で怖いデニーロは若い時から年とってまでの変遷が自然でかっこよかった。いつのまにかグレイヘアになっていて、老眼鏡から覗く目がレンズのせいで大きくて、ヘンリーをかなりビビらせた。
ギャング妻は極道の妻達みたいなものなんだろうか。顔色悪くて化粧が濃くて服は安っぽくてと、ヘンリーの妻は観察する。ユダヤのお金持ちのお嬢さんも時と共に変遷して夫の愛人脅しもガンガンする。カツラの話とかトミーのママの絵画とか笑えるところも多くてさらっとしてる感じも良かった。
スコセッシ監督の作品はまさに映画!
ギャングたちの型破りな生活の はなしでした
中堅マフィアの話
レイ・リオッタの潤んだ目
強奪したタバコを売りさばいて捕まった裁判で黙秘を通して仲間を売らなかったことをジミー(デ・二ーロ)に誉められた時の若い頃のヘンリー役の俳優の涼しい目元も好きだけど、レイ・リオッタの潤んだヤク中の時の充血した目のメイクが印象的。柳楽優弥がヤクザ役でよくやっているメイクの目はグッドフエローズのレイ・リオッタの目をオマージュしているのではないかと思っている。目も似てるし。
ジョー・ぺシのアカデミー助演男優賞も嬉しい作品。同じイタリア系のデ・二ーロよりもっとちっこい。より狂ったマフィア役を演じている。この組織(Goodfellas)ではイタリア系でないと幹部になれず、アイルランド系はそれより格下であることも示される。スコセッシ監督の映画はアメリカ社会の伝統的人種差別的要素を露悪的にちりばめているので勉強になります。
主演のヘンリー・ヒル役のレイ・リオッタは今年5月にロケ先のドミニカ共和国で死亡。67歳。
ヘンリーのユダヤ人の奥さんのカレン役のロレイン・ブラッコ(ぜんぜんユダヤ人じゃないイタリア系)はこの時、ハーべイ・カイテル(ユダヤ人)の奥さん。
ユダヤ教会で結婚式を挙げるシーン。
マフィアのファミリーの親戚はみんな名前がピーター、ポール&マリー。
マフィアの奥さんたちの柄の悪さにびっくりして、そうと気が付くが、すっかりマフィアの妻に馴染んでゆくカレン目線の描写もなかなかよかった。
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