「主は此処にいる」クオ・ヴァディス(1952) 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
主は此処にいる
原作はフィクションとノンフィクションを合わせた歴史小説で、サイレント時代から何度も映画化されているという。
中でも最も有名なのが、この1951年の作品。アカデミー賞にもノミネート。
古代ローマ帝国、暴君ネロ、キリスト教…。
描かれる題材は日本人には馴染み薄い。
しかも3時間弱。
敷居が高そうで、途中でダレる事必至かと思ったら、
正直多少ダレたのはダレたが、エンタメ性もちゃんとあり、思っていたよりかは見れた。
さすがはハリウッド超大作スペクタクル!
遠征を終えローマに凱旋した将軍。美しい王女に恋をするが、相手はキリスト教徒。将軍はキリスト教に否定的。二人の恋愛劇。
ネロによる実際にあったローマ市放火。地獄絵図のような大火災。
妃ポッペアの入れ知恵でキリスト教徒を犯人に仕立て上げ、迫害、弾圧。
コロッセオでキリスト教徒がライオンに食い殺され、クライマックスは獰猛な闘牛と闘い。
当時としてはハードな描写。これらの迫力は圧巻。
王女を助けようとする将軍も捕らえられてしまう。
聖人や教徒たちも次々に。
「主よ、何処へ行かれる?(クォ・ヴァディス)」
苦境に追い込まれた時、助けになるのは…、信じれるものは…。
改宗。団結。
立ち上がる民衆の力。
悪政告発。
ドラマチックで、自害したネロの最期など歴史のお勉強にも。
信心深い方ではないが、
信じる皆の所に、主は此処にいる。
…が、奴隷役の無名時代のエリザベス・テイラーやソフィア・ローレンは何処に?
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